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ベルシティ税理士法人 小野良介先生

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先生のご出身と学生時代について教えていただけますか。

小野先生:出身は岐阜県です。各務原市の、いわゆる大型のショッピングモールとラーメン屋さんが目立つような、のどかな地域で育ちました。学生時代は、父が地元で営んでいたアパレル会社でアルバイトをしながら、通販サイトの運営や店舗の実務、東京の展示会での買い付けなどのいわゆるバイヤー的な仕事を経験しました。売上をつくる現場に学生時代から関わったことは、今の仕事観にもつながっています。高校以降は父の会社での仕事の比重が高くなり、現場で数字と向き合う時間が増えました。アパレル事業という、売上に対する現場意識が高く、初期投資が高額で借入が基本マストとなるビジネルモデルは、我々保守的な税理士業とは真逆と言っても過言ではなく、結果として、自身の経営スタイルに大きく影響していると感じています。

税理士を目指されたきっかけは?

小野先生:最初から「税理士になる」と強く決めていたわけではありません。父の会社は仕入れ規模が大きく、月末になると資金繰りが厳しいいわゆる“どんぶり勘定”の状況でした。そこで「数字に強くなる重要性」を感じ、数字を体系的に学べる道を探す中で、税理士や公認会計士の学校に出会いました。最終的には税理士コースに進み、税務・会計の基礎から学び始めた、というのが出発点です。祖父が数学の教師だったこともあり、もともと数字は得意でしたが、売上だけでは手元資金は増えないという現実を、通販と店舗運営の現場で強く実感しました。「仕組みが分からないと、儲かったはずなのにお金が残らない」その疑問が、税務・会計を学ぶ根っこにあります。

独立を決意された理由を教えてください。

小野先生:大きく二つあります。一つ目は、主に高齢化による業界の陳腐化・中小企業ニーズとサービスの不一致です。業界の年齢層は、60代以上が50%超を占め、20代税理士は全体の0.4%と高齢化が進んでいる中で、毎年の税制改正で税法は複雑化し、ビジネスも多様化、中小企業のニーズが税務だけでなく財務領域に広がっている状況があります。専門領域の税務さえ質を担保できているかグレーな業界の中で、税務は当たり前に、よりニーズに沿った財務サービスを展開し、日本の中小企業を元気にしたいという思いがありました。もう一つは業界の料金体系の不透明さです。初めて税理士と契約する経営者の方は相場が分かりにくく、勤務先で、お客様にとって不義理だと感じるような高額提示が話題になることもありました。中小企業の社長にとって税理士は信頼を置く相手です。だからこそ、明朗会計で、質を担保した事務所を自分で作ろうと思い、必要な実務経験を満たして早期に開業しました。

仕事をする上で大切にしていることは?

小野先生:「税理士業界の外部CFO化」を掲げています。私たちのグループは税理士、行政書士、財務・金融コンサルティング、会計学院等、財務に関わる事業を行う組織で構成し、税務は当然として、資金調達や投資相談等“税金以外”の領域までカバーします。税理士の平均年齢が高く、税務だけでもミスが起こりがちな現状も踏まえ、私たちは税務の精度を前提に、その先の財務まで踏み込みます。中小企業の財務基盤を強くし、成長につなげるために、税務の枠を越えて財務役員のような立ち位置で伴走することを重視しています。税金対策は「やって当たり前」。そこから資金計画や投資の意思決定まで一つの線でつなぐことが、提供価値だと考えています。

事務所の強みはどのような点でしょうか。

小野先生:士業を横に広げるワンストップではなく、財務領域を縦に掘り下げる“縦のワンストップ”を志向している点です。会計人材の育成(会計スクールの立ち上げ)から、資金調達支援や金融関連の事業まで、税務につながる財務の川上から川下までを一貫して支援します。スタートアップの創業期の資金繰りから、事業が軌道に乗り余剰資金の運用を考える段階まで、フェーズに合わせて切れ目なく支援できることが差別化になっていると思います。司法書士・弁護士など外部の専門家とも必要に応じて連携しつつ、まずは「財務のことはここに聞けばワンストップで進む」という状態を目指しています。

これまでで印象に残っているお手伝いの事例はありますか。

小野先生:特定の一件というより、創業間もない若い経営者の資金調達から、その後の税金対策まで一貫して伴走できていること自体に手応えを感じています。最初の融資支援に入ってから、事業の成長とともに節税・運用の助言へと広げていく流れで、多くの方に喜んでいただいています。投資ファンド税務や暗号資産税務等の金融案件が元々多い事務所ということもあり、投資分野の案件も多く、金融関連の事業者さまの周囲からのご相談・ご紹介が増えているのも特徴です。ニーズに応じた支援が紹介につながり、また次のご相談へ循環することが嬉しいですね。

相続の節税やその他節税で実践的なアドバイスをお願いします。

小野先生:最近はNISAに関するご相談が非常に多いです。ただし、個人で運用するために法人から資産を移すと、役員報酬や分配の過程で税金や社会保険料が発生します。ですから「とりあえずNISA」ではなく、法人資産での運用も選択肢に入れ、全体設計から考えることを勧めています。退職金制度の導入など、長期の受け取り方まで含めて設計すれば、税務面で有利に資産形成を進められるケースがあります。相続や事業承継を見据える場合も同様で、個人と法人のバランス、役員報酬の取り方、社会保険の負担、将来の出口を一体でデザインすることが重要です。具体的な商品はお客さまの状況によって、投資信託、生命保険、海外の金融機関を使った運用など多様です。「どの箱で運用するか」「どう受け取るか」を先に決めるだけで、結果は大きく変わります。まずは現状の資産とキャッシュフローを一枚の図に見える化するところから始めてみてください。

良い税理士を選ぶポイントは?

小野先生:勉強をし続けているかどうか、ここに尽きます。税制は毎年変わるので、知識のアップデートを怠ると、使えるはずの規定や税額控除を見落とし、結果としてお客様の税負担に影響します。申告書ひとつ取っても、知らない規定は使えません。最新の知識を引き出しとして持ち続け、目の前の事業に当てはめて提案できる姿勢があるかどうかを見ていただきたいです。面談の際には、最近の税制改正の話題に触れてみると、その姿勢が垣間見えるはずです。

今後の展望について教えてください。

小野先生:創業した年齢は24歳で今はグループ5年目でメンバーは60名弱になりました。評価いただいているのはスピード感です。規模の拡大が目的ではありませんが、求められているからこそ成長していると受け止めています。今後も財務領域の事業開発を毎年進め、たとえば資金調達に関するAIのSaaSや投資ファンドの準備などを通じて、お客様のニーズをグループでより的確に捉えていきます。税務の精度とスピード、そして財務までを一体で提供する体制を、さらに磨いていきたいですね。中小企業の成長が日本経済の力になる、という実感を、現場で増やしていくのが目標です。

税理士紹介ナビ編集部

最後に小野先生の趣味についてお聞きしてみました。

小野先生

小野先生:ひとつは麻雀です。もうひとつは珍しいと思いますが大型淡水魚の飼育です。岐阜には淡水魚専門の水族館「アクア・トトぎふ」があり、幼い頃から祖父母に連れていってもらいました。そこで淡水魚を眺める時間が好きになりました。今はアロワナのような大型魚を飼育していて、忙しい日々の中でも水槽を眺めると不思議と心が落ち着きます。

代表者名小野良介
会社名ベルシティ税理士法人グループ
会社URLhttps://www.bellecity-tax.com/
住所東京都千代田区丸の内2-6-1 丸の内パークビルディング8階
電話番号03-6555-2732

この記事を書いた人

アドバイザーナビが運営する「税理士紹介ナビ」ではおすすめの税理を紹介しています。これまでアドバイザーナビは「資産運用ナビ」を中心に適切なプロフェッショナルのプラットフォームを構築してきました。税理士紹介ナビでは、税理士へのインタビューやアンケート調査などを通じて、税理士や税金にまつわる情報発信をしていきます。

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