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マルナゲカンリ税理士法人 西澤正文先生

2025年10月27日のインタビューをもとに記事を作成しています。

目次

先生のご出身と学生時代について教えていただけますか。

西澤先生:市川市の出身です。学生時代は、最初は私立の中学に通っていましたが、中学2年のときにやめて、公立の中学に編入しました。高校3年のときに1年間アメリカへ留学しました。そのあと1年留年して卒業し、慶應義塾大学に進学しました。学生時代は、いろいろなことに手を出していたと思います。テニスをやったり、留学中はアメフトをしたり、大学では会計士試験の勉強が終わったあとにキックボクシングを始めたり。勉強も遊びも含めて、幅広く経験した時期でしたね。

税理士を目指されたきっかけは?

西澤先生:大学時代に起業をしようと思ったんです。でも中途半端な形になってしまって、「このまま続けてもつまらない中小企業経営者になっちゃうな」と思ったんです。そこで「とりあえず会計士を取っておけば」と会計士だった母親に言われたのもあって、資格を目指すことにしました。周りの友達もTACや大原で勉強していて、将来何かをするときにも役に立ちそうだったので、なんとなく「取っておこうかな」という軽い気持ちから始めた感じです。

独立を決意された理由を教えてください。

西澤先生:サラリーマンに戻るという選択肢は、自分の中ではもうなかったですね。とにかく自分で一度独立したかったので2016年にBtoBレンタルの会社を起業して、その会社を4年後にM&Aで売却しました。その後も、「もう雇われる側には戻れないな」と感じました。一度野良猫になったら、飼い猫には戻れないって友人経営者が言ってましたが、まさにそれです。その後1年ほどインドに滞在して、帰国後に友人と会社を立ち上げた後に退任し、しばらく父の会社を手伝っていましたが、2024年からコンサルティングファームにいたときの会計士の友人と『マルナゲカンリのBPO』というブランドで新しいアウトソーシング事業を始めています。「独立を決意する」というより、最初からその道しかなかったんだと思います。なので、ここ数年は「決意」というよりも、自然に起業していた感覚です。

仕事をする上で大切にしていることは?

西澤先生:一番は「楽しいかどうか」ですね。結局、人って自分が楽しくないと続かないと思うんです。お金を稼ぎたい、人を幸せにしたい、社会を変えたい。いろんな理由がありますが、どれも突き詰めれば「自分がそれらを通じて幸せになりたいから」なんだと思うんですよね。だから、自分が楽しいと感じる仕事をしていくことが大切だと思います。僕自身、お金を稼ぐためだけに大事なものを犠牲にするような働き方はしたくない。社員も自分も、みんなが楽しく働けているかが一番大事だと思っています。

事務所の強みはどのような点でしょうか。

西澤先生:うちはそもそも「税理士事務所を目指していない」です。他の事務所とは考え方がまったく違うので、「税理士事務所としての強み」とか「税理士事務所としての差別化」という切り口で考えたことはないです。一般的な税理士事務所は、まずお客様を集めて、単価を上げて、相続やコンサルといった高単価案件を狙う方向にいきますよね。でも、僕たちはそこに興味がありません。むしろ税理士がやりたがらない「記帳代行」や「給与計算」といった仕事を積極的にやっています。多くの事務所が「そんな薄利多売やっても意味がない」と言いますが、実際に社会で人手が足りないのはそこなんです。フリーやマネーフォワードがあっても、簿記の知識がなければできない。中小企業では経理担当が退職すると、次の人が見つからない。そういう現場を支える人が減っていて、社会全体が困っています。だから僕らは、そこをやる。誰かがやらないと日本の中小企業が回らなくなるからです。競争しているという意識もあまりないですね。極端な言い方をすれば、強みなんていらないと思っていて、自分達も含めて日本の人手不足を誰かがなんとかできればそれでよいと思っていて、競合他社に勝つための強みを持ちたいというよりは、もっと日本全国に手の届良いサービスをいかに作るかが大事だと思っています。。

これまでで印象に残っているお手伝いの事例はありますか?

西澤先生:正直、全部印象に残っています。いろんな社長さんと話すなかで、本当に多様な人がいると感じます。頑張っている人もいれば、うまくいかない人もいる。でも、みんなそれぞれの立場で懸命にやっている。守るものがあって、夢があって、努力している。特定の誰かというより、「関わったすべての人が印象に残っている」というのが正直なところです。

相続の節税やその他の節税で、実践的なアドバイスをお願いします。

西澤先生:節税や資産運用の相談は多いですが、僕がよく思うのは「経営者なら、まず自分の会社に投資するのが一番」だということです。例えば、オルカン(全世界株インデックス)で年5%増えたとしても、小規模企業が1〜2年で5%しか伸びないのは逆に危ないですよね。ほとんどの中小企業は、もっと大きく伸ばせる可能性があります。それなら資産運用より、事業に投資する方がリターンが大きい。法人税の節税策はありますが、怪しい商品を除けば定番のものしかありません。会社を成長させてお金を残したいなら、結局は税金を払うしかないんです。だから余計な節税より、事業を伸ばすことに集中した方がいいと思います。

良い税理士を選ぶポイントは?

西澤先生:「自分のためにどこまで頑張ってくれるか」だと思います。大企業とか複雑な論点が発生するケースを除けば、税理士のスキルって、一定のラインを超えると大きな差は出にくいんじゃないかなと思ってます。みんな一定の水準をクリアして税理士になっている人たちなので結局、どれだけ親身になって動いてくれるか。そこが重要な気がしています。弁護士の知人が「事件の7割は誰がやっても結果は同じ」と言っていました。そのうえで違いが出るのは、最後まで依頼人のために動けるかどうかだと。税理士も同じで、知識よりも「自分のために一緒に考えてくれそうか」。それこそフィーリングでいいと思います。嫌なら変えればいい。相性が合って、ちゃんと対応してくれる人なら、それが一番の“良い税理士”です。

今後の展望について教えてください。

西澤先生:うちの会社自体がどうなるか、というよりも、「人手不足で困る会社がなくなること」がゴールです。顧客を1万社に増やすことを目標にしている会社も多いですが、僕らは逆に、困っている会社が減っていくほうを目指しています。1000社が500社、100社、そしてゼロになる。そうなるのが理想です。だから「うちの会社が成長すること」は手段に過ぎません。社会全体で、中小企業が人手不足で困らなくなる。それが僕らの展望です。

税理士紹介ナビ編集部

最後に西澤先生の趣味についてお聞きしてみました。

西澤先生

西澤先生:以前は旅行や読書が好きでしたが、今は子育てでなかなか時間が取れません。最近は自転車通勤の時間とかにSpotifyでコテンラジオとかポッドキャスト聴くのが唯一の楽しみですね。

代表者名西澤正文・小澤拓
会社名マルナゲカンリグループ
マルナゲカンリ株式会社・マルナゲカンリ税理士法人
会社URLhttps://marunagekanri.com/
住所〒108-0075 東京都港区港南1丁目8−15 Wビル 2F
電話番号050-5799-4512

この記事を書いた人

アドバイザーナビが運営する「税理士紹介ナビ」ではおすすめの税理を紹介しています。これまでアドバイザーナビは「資産運用ナビ」を中心に適切なプロフェッショナルのプラットフォームを構築してきました。税理士紹介ナビでは、税理士へのインタビューやアンケート調査などを通じて、税理士や税金にまつわる情報発信をしていきます。

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