2025年11月4日のインタビューをもとに記事を作成しています。
先生のご出身と学生時代について教えていただけますか。
益本先生:出身は佐賀県です。小学校の頃からバスケットボールを続け、中学でも部活でプレーし、高校のはじめ頃までやっていました。ただ、高1のときに腰を痛めて椎間板ヘルニアになり、入院も経験しました。手術はせずに治療を続け、以後は体と向き合いながらの生活でした。大学に入ってからもスキーなど多少の運動はしましたが、若い頃は「痛みとの付き合い」が中心で、無茶はできませんでした。
税理士を目指されたきっかけは?
益本先生:原点は父の言葉です。父は経営者で、「事業をやるのは大変だから、資格を取っておけば仕事になる」と勧められました。その一言で会計士を目指そうと決め、大学に入る前から志していました。大学では まず日商簿記3級を取得。とはいえ佐賀から出てきて最初の2年間は東京を知ることに夢中で、勉強は控えめでした。本格的に腰を据えて勉強したのは大学3年からで、それ以降は勉強に没頭しました。
独立を決意された理由を教えてください。
益本先生:子どもの頃から「いつかは経営者に」と思っていました。資格を取って独立し、自分で事務所を運営する流れは早くから心にありました。父が経営者だった姿への尊敬も大きく、「自分もいずれは」と小学生の頃には思っていたくらいです。独立は自然な選択でした。
仕事をする上で大切にしていることは?
益本先生:経営者の良き相談相手であることです。父も税理士を頼りにしていましたし、私自身も「親身に寄り添い、現場に即したアドバイスをする」ことを常に意識しています。数字だけで線を引くのではなく、経営の意図や事情を踏まえたうえで判断する。長いお付き合いになるからこそ、立場に立って一緒に考える姿勢を大事にしています。相談の入口は小さな疑問であっても構いません。話を丁寧にほどくことで、最終的に意思決定につながる筋道が見えてきます。結果として、税務対応だけでなく経営全体の安心感にもつながると考えています。
事務所の強みはどのような点でしょうか。
益本先生:相続と節税を専門性高く扱っている点が強みです。経営者が「こうしたい」という意向にできるだけ応えるスタンスで、経費の判断ひとつでも事業実態に即して考えます。たとえば取引先との飲食や二次会・三次会も、信頼関係づくりや次のビジネスにつながる実態があれば、業務関連性を丁寧に検討します。その結果、会社に残るお金は大きく変わり得ます。逆に、形式だけで「ダメ」と決めつけることはしません。経営の現場で何が起きているかを聞き取り、説明可能性を整えたうえで選択肢を提示します。体制面では、主要な会計ソフト(マネーフォワード、freee等)に対応。国税OBの知見も取り入れています。中国語・韓国語を含む外国語対応、記帳代行や入力対応も可能で、依頼内容に合わせて柔軟にサポートします。標準化できる部分は効率化しつつ、要望に応じてオーダーメイドに設計できる点も評価いただいています。
これまでで印象に残っているお手伝いの事例はありますか?
益本先生:相続では、シミュレーションで数字を示しながら財産の分け方を可視化し、長年まとまらなかった親族間の話が前進したケースが印象深いです。「どう分ければ納得できるか」を数字で見える化することで、最終的に話がまとまり、感謝の言葉をいただきました。設立支援では融資獲得を経て会社が成長し、厳しい時期にも「寄り添ってくれた」と言っていただいたことも励みになりました。加えて、国税局が動く大きな税務調査で、当初は「税額3億円規模(所得ベースで約5億円)」とみられた件を、最終的に約1,000万円の納税で収めたこともありました。約1年にわたって主張と裏づけを重ねるプロセスで多くのドラマがあり、最終的に大きく負担を軽減できました。
相続の節税やその他節税で実践的なアドバイスをお願いします。
益本先生:うちが得意なのは、突発的に出た大きな利益を平準化し、数年にわたって税率を下げながら経営の安定につなげる設計です。具体的には、10万円未満の資産を組み合わせて即時に損金算入する方法や、中小企業の経営強化税制などを活用して大きな投資でも即時に経費化する手法を用います。制度を正しく使い、数年単位での回収計画まで踏まえるのがポイントです。より一般的なものとしては、旅費規程の整備や社宅の活用も有効です。不動産の売却や保険の解約返戻金で多額の利益が出る場面では特に、タイミングと制度の選択で納税額は大きく変わります。合法的な範囲で最適化することに注力しています。相談のタイミングは「利益が出そうだと分かった時点」。早くご相談いただくほど、選択肢を具体的に比較検討できます。相続についても同様で、事前に現状を把握しシミュレーションしておくほど、争いを避けつつ納得感のある分け方を検討できます。
良い税理士を選ぶポイントは?
益本先生:経営者が何を望み、どこへ進みたいのかに寄り添えるかどうか。できること・できないことはありますが、期待にどこまで応え、良きアドバイザーとして伴走できるかが要です。ヒアリングを通じて意向を言語化し、ネットワークや情報も総動員して具体策に落としていくまでやれる税理士が理想だと思います。私自身も万能ではありませんが、その姿勢だけは大切にしています。数字の正確さは前提として、その先の意思決定に実装できる助言を出せるかどうかを見ると、ミスマッチが少ないはずです。実際の面談では、目標や優先順位を一緒に確認してくれるかどうかも注目すると良いと思います。
今後の展望について教えてください。
益本先生:専門性の高いサービスと良いスタッフに恵まれていると自負しています。より多くの方にサービスを届け、満足し喜んでいただきたい。そのためにも事務所規模を拡大し、知名度を高めて良さを広く伝えていきたいと考えています。良い影響を与えられる範囲を着実に広げていくことが目標です。ひとつひとつのご相談に丁寧に向き合い、その積み重ねで信頼を育てていきます。今後も、実務に根ざした提案を磨き続けます。
税理士紹介ナビ編集部最後に益本先生の趣味についてお聞きしてみました。



益本先生:最近は一人カラオケや陶芸に没頭します。陶芸は、「無」の状態で形をつくっていく感覚が好きなんです。指の使い方ひとつで形が変わり、自分が作品に溶け込むような感覚があります。旅行先でも体験しますね。あとは毎朝の懸垂。回数にこだわるというより、自分に課題を与えて挑戦し続ける時間が気に入っています。
| 代表者名 | 益本正藏 |
| 会社名 | 税理士法人総和 |
| 会社URL | https://www.m-partners.jp/ |
| 住所 | 東京都港区南青山3-17-14 中山ビル4階 |
| 電話番号 | 03-5414-5855 |









