経理部への転職は難しいのでしょうか?
答えは、経理の実務経験があるかどうかで大きく変わります。厚生労働省の統計では、ハローワークで会計事務の仕事を探す人1人に対して、求人は0.51件しかありませんでした(2026年8月)。一方で、民間の転職サービスdodaでは、直近の職種が「企画・管理」の人1人あたりの求人が3.28件ありました(同月)。
未経験から入る道は狭く、経験者には求人が集まっている状態です。自分がどちらに近いかによって、狙うべき経理部と準備の順番が変わります。
- 未経験者と経験者で経理部の転職の難しさが違う理由
- 自分の経験で応募できる経理部の求人
- 未経験から経理部に入るまでの順番
- 経理経験者が年収と役割を上げる方法
- 会計事務所から事業会社の経理部に移るときの準備
- 経理部の求人票と面接で確認しておきたいこと
経理部への転職は難しい?未経験者と経験者で変わる難しさ
経理部への転職の難しさは、応募する人の経験によって正反対になります。
求人倍率で見る経理職の転職のしやすさ
求人倍率とは、仕事を探している人1人に対して求人が何件あるかを示す数字です。1倍を下回ると、求人より仕事を探す人のほうが多い状態を意味します。
厚生労働省「一般職業紹介状況」によると、2026年8月の会計事務従事者の有効求人倍率は0.51倍でした。全職業の平均である1.17倍の半分以下の水準です。
前年の同じ月と比べると、有効求人数は7.9%減り、有効求職者数は2.1%増えました。倍率も0.06ポイント下がっています。ハローワークの求人には、経理事務や未経験歓迎の募集も多く含まれます。未経験者が経理の仕事を探すときの市場は、この数字に近いと考えてよいでしょう。
経験者の市場は様子が違います。dodaの転職求人倍率(2026年8月)では、直近の仕事が「企画・管理」の人の倍率は3.28倍でした。dodaの平均年収調査でも、経理は「企画/管理系」の職種に分類されています。同じ月の「事務・アシスタント」は0.65倍で、管理部門の経験がある人とない人では、求人の集まり方が大きく異なります。
経理部が未経験者を採用しにくいのはなぜ?
経理部は、ほかの部署に比べて少ない人数で運営されることが多い部署です。募集は退職者の後任を探す欠員補充になりやすく、1名だけの募集も珍しくありません。
欠員補充の場合、会社は入社後すぐに月次決算を回せる人を求めます。決算の時期は部署全体が忙しくなるため、未経験者に一から仕事を教える余裕を持ちにくいのも事情の一つです。
そのうえ、会計事務の仕事は有効求人数12,025件に対して、有効求職者数が23,487人いました。応募が集まりやすい職種なので、採用する側は経験者を優先しやすくなります。
経理経験者が業界を問わず転職しやすいのはなぜ?
経理の仕事は、会計のルールに沿って取引を記録し、決算書を作るという流れがどの会社でも共通です。製造業で身につけた決算の経験は、IT企業やサービス業の経理部でもそのまま使えます。
簿記の資格や決算の経験年数によって、どこまでできるかを採用側が判断しやすい点も強みです。経理事務の就業者は全国で152万3,600人いて、ほぼすべての会社に経理の仕事があります。業界を変えても応募先が見つかりやすいのは、このためです。
※ 出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「経理事務」。就業者数1,523,600人は令和2年国勢調査を加工した値
経理部の転職で経験者とみなされる基準
同じ「経理経験あり」でも、何年担当したか、どこまでの業務を任されたかで評価は変わります。自分の経験がどの段階にあるかがわかると、応募できる求人を絞り込めます。
年次決算を何回担当すれば経理経験者とみなされる?
経理の転職では、年次決算を3回経験していることが一つの目安になります。
管理部門に特化した転職エージェントのMS-Japanも、「一般的に、経験年数3年以上から『経理経験者』として見なされます」と説明しています。
年次決算とは、1年間の取引を締めて決算書を作る作業です。年に1回しか経験できないため、3回担当するには最低でも3年かかります。1回目は先輩の補助、2回目は一部を担当、3回目でひと通りを任されるという段階を踏むと、3年でようやく決算を一人で回せるようになる計算です。
※ 出典:MS-Japan「経理の転職は難しい?未経験・経験別に転職成功へのポイントをご紹介!」(2026年6月18日)。統計ではなく、転職エージェントによる目安です
経理の担当範囲(日次・月次・年次・連結)で変わる応募先
経験年数と同じくらい重視されるのが、担当してきた業務の範囲です。日々の仕訳から連結決算まで、範囲が広がるほど応募できる会社の規模も広がります。
| 担当範囲 | 主な業務 | 評価されやすい応募先 |
|---|---|---|
| 日次 | 仕訳入力・経費精算・入出金の管理 | 中小企業の経理スタッフ、経理事務 |
| 月次 | 月次決算・売掛金と買掛金の管理・試算表の作成 | 中小〜中堅企業の経理担当 |
| 年次 | 年次決算・決算書の作成・税務申告の補助 | 上場企業の子会社、中堅企業の経験者枠 |
| 連結・開示 | 連結決算・有価証券報告書・決算短信の作成 | 上場企業、上場を目指す企業 |
| 管理・統括 | 予算管理・メンバーの管理・監査への対応 | 経理課長・部長候補、CFO候補 |
連結決算とは、親会社と子会社をまとめて1つの会社とみなして作る決算です。開示とは、上場企業が投資家に向けて決算の内容を公表する業務のことです。どちらも上場企業でしか経験しにくいため、経験があると評価が大きく上がります。
20代・30代・40代の経理転職で求められる経験
年代が上がるほど、担当範囲の広さとマネジメントの経験が問われます。目安は次のとおりです。
- 20代
- 日次・月次の経験と簿記の知識があれば、伸びしろを評価されやすい年代です
- 30代
- 年次決算や税務申告の補助など、決算をひと通り担当した経験が求められます
- 40代
- 連結決算や開示、メンバーの管理など、経理部の中心を担った経験が問われます
年収も年代とともに上がります。dodaの調査では、経理の平均年収は20代417万円、30代532万円、40代619万円、50代以上717万円でした。
経理の平均年収(年代別)
doda「平均年収ランキング2025」
出典:doda「平均年収ランキング2025」(2024年9月〜2025年8月の登録者データ)
転職で年収が上がる人の割合は、年代が上がると下がっていきます。厚生労働省「令和7年雇用動向調査」によると、転職で賃金が増えた人は25〜29歳で49.8%、35〜39歳で43.5%、45〜49歳で41.1%でした。50〜54歳になると増えた人は29.4%にとどまり、減った人(42.0%)のほうが多くなります。
転職で賃金が増えた人・減った人の割合
年齢別・2025年・全職種
出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」表6。「変わらない」は省略
未経験から経理部へ転職する進め方
未経験から経理部を目指すなら、資格の取得と並行して、経理の実務を経験できる仕事を探すことが大切です。
簿記2級は経理部の応募に必要か
簿記2級は、未経験者が経理の知識を持っていることを示す材料になります。ただし、持っているだけで採用が決まる資格ではありません。
日商簿記2級の統一試験(第173回、2026年6月14日)の合格率は15.1%でした。一方、ネット試験の2025年4月〜2026年3月の合格者は46,351名で、合格率は32.9%です。ネット試験だけで1年間に4万人以上が合格しており、資格だけでほかの応募者と差をつけるのは難しいのが実情です。
書類選考では、資格に加えて「数字を扱った経験」や「経理を選んだ理由」が見られます。簿記2級があれば、経理の基礎知識があることは書類で伝わります。
※ 出典:商工会議所の検定試験「簿記2級受験者データ」(統一試験・ネット試験)
簿記の級ごとの転職事情は、簿記2級で転職するのは厳しい?年代別・職種別の現実と失敗しない戦略と簿記1級の転職価値は?で詳しく紹介しています。
経理事務やアシスタント職から経理部に入る方法
経理部の正社員にいきなり入るのが難しい場合は、経理事務やアシスタント職から始める方法があります。ハローワークの統計でも、一般事務従事者の有効求人倍率0.29倍に対して、会計事務従事者は0.51倍でした。事務職の中では、会計事務は比較的求人が見つかりやすい仕事です。
進め方は次の3段階です。
- 経理事務・経理アシスタント(派遣や契約社員を含む)で、仕訳入力や経費精算を担当する
- 月次決算の補助を任されるまで経験を積む
- 担当した業務を説明できる実務経験を積んでから、正社員の経理スタッフに応募する
派遣や契約社員の期間も、担当した業務を具体的に説明できれば実務経験として評価されます。
経理未経験者を採用しやすい企業の特徴
未経験者を採用しやすいのは、入社後に育てる余裕がある会社です。具体的には、次のような会社が当てはまります。
- 事業の拡大に合わせて、経理の人員を増やしている成長企業
- 経理部に複数のメンバーがいて、教える人がいる中堅企業
- グループ会社の経理をまとめて担う、経理専門の子会社(シェアードサービス会社)
- クラウド会計ソフトを導入しており、業務の手順が決まっている会社
反対に、経理担当が1人しかいない会社の後任募集は、未経験者には負担が大きくなります。経理部の人数と教える人の有無を応募前に聞いておくと、入社後に一人で仕事を抱え込む事態を避けられます。
前職の経験を経理の仕事につなげる伝え方
経理が未経験でも、前職で数字を扱った経験があれば、経理の言葉に置き換えて伝えることが可能です。
| 前職での経験 | 経理の仕事に置き換えると |
|---|---|
| 営業事務で請求書を発行し、入金を確認していた | 売掛金の管理と消込(入金の照合) |
| 店舗で売上の集計やレジ締めをしていた | 現金の管理と日次の売上計上 |
| 購買で発注と納品の確認をしていた | 買掛金の管理と支払いの準備 |
| Excelで毎月の実績を集計していた | 月次の数値管理と資料作成 |
面接では「何を」「どのくらいの量で」「どんな工夫をして」扱ったかまで話せると、経理の仕事との結びつきが伝わります。
経理経験者が経理部の転職で年収と役割を上げる方法
経理経験者の転職で狙う求人は、会社の規模・業務の専門性・役職のどれを上げたいかで変わるものです。
中小企業から上場企業・上場子会社の経理部へ移る
上場企業の経理部は業務が細かく分かれており、決算や税務、開示などの担当ごとに専門性が求められます。中小企業で年次決算までひと通り担当した人は、上場企業の子会社や中堅企業の経験者枠が次の候補です。
上場子会社では、親会社に決算データを報告する業務を通じて、連結決算に関わる経験を積めるのが利点です。最初から上場企業の本体を狙うより、子会社を経由したほうが連結や開示の経験を得やすいケースもあります。
IPO準備企業で決算と開示の中心を担う
IPO(新規上場)を目指す企業では、少ない人数で決算の早期化や開示の体制づくりを担うのが経理の役割です。上場企業での経験がなくても、決算をひと通り回せる人なら中心メンバーとして迎えられることがあります。
2025年の新規上場は66社で、前年の86社から減りました。このうち41社が東証グロース市場への上場です。上場の計画は市場の状況で延期されることもあるため、応募前に上場の予定時期と準備の進み具合を聞いておくと、入社後の働き方を予想しやすくなります。
※ 出典:OBC「IPO Compass」宝印刷株式会社・大村法生氏「IPO 2025年総括と今後の展望」(TOKYO PRO Marketを除く)
連結決算・開示・英文経理で専門性を高める
経理の中でも、連結決算・開示・英文経理(IFRSなど海外の会計基準での決算)の経験は、求人の年収が上がりやすい分野です。経理と近い職種の平均年収を比べると、専門性による違いがわかります。
管理会計は、予算と実績の管理など経営判断のための数字を扱う仕事です。経理の経験を土台に担当範囲を広げると、こうした職種への転職も視野に入ります。
経理課長・部長候補の求人で求められる条件
経理課長や部長候補の求人では、年次決算の主担当として決算を締めた経験が前提です。そのうえで、次のような経験が求められやすくなります。
- メンバーの業務の割り振りと育成
- 監査法人や税理士への対応
- 予算の作成と実績の分析
- 決算の早期化や業務改善の実績
厚生労働省のjob tagによると、経理事務の平均年収は512.2万円、平均年齢は44歳でした。管理職の求人では、こうした平均を上回る条件が提示されることもあります。
※ 出典:厚生労働省 job tag「経理事務」(令和7年賃金構造基本統計調査を加工。この職業のみを表す数値ではない)
会計事務所・税理士事務所から事業会社の経理部へ転職するには?
会計事務所や税理士事務所での経験は、事業会社の経理部でも評価されます。ただし、仕事の進め方には違いがあるため、通用する点と補うべき点を分けておくと、面接で伝える内容が決まります。
会計事務所での経験が経理部で評価される点
会計事務所で決算書や税務申告書を作ってきた経験は、経理部の年次決算や税務の担当でそのまま活きます。
法人税や消費税の知識は、社内に税務の専門家がいない会社ほど重宝されます。
複数の顧問先を担当してきた経験も強みです。業種ごとの会計処理の違いを知っているため、新しい会社の帳簿にも早く慣れられます。
会計事務所出身者が経理部で戸惑いやすい3つの仕事
一方で、事務所では経験しにくい仕事もあります。入社後に戸惑いやすいのは、次の3つです。
- 社内の調整
- 営業部や購買部から請求書や資料を集め、期限までに出してもらわなければなりません。社内の人に動いてもらう力が求められます
- 月次決算の締め
- 毎月決まった日までに数字を締めるのが基本です。顧問先の資料を待つ事務所の働き方とは、時間の流れが違います
- 管理会計
- 部門別の損益や予算と実績の差など、経営陣が判断に使う数字をまとめます。税務申告とは目的が異なる仕事です
会計事務所での働き方そのものに悩んでいる人は、「税理士事務所はやめとけ」と言われる理由と後悔しない選び方もあわせて読むと、転職先を考える材料になります。
年収は、上がる人も下がる人もいます。厚生労働省「令和7年雇用動向調査」では、転職で賃金が増えた人は40.8%、減った人は31.0%でした(全職種)。事務所での役職や担当件数によって提示額は変わるため、複数の求人で条件を比べましょう。
科目合格や税理士資格が経理部でどう評価されるか
税理士試験の科目合格は、税務の知識を客観的に示せる材料です。簿記論・財務諸表論に合格していれば決算の担当、法人税法や消費税法に合格していれば税務の担当で評価されやすくなります。
税理士の資格を持つ人にとっても、事業会社は転職先の候補の一つです。アカウントエージェントが税理士354名に行った調査(2026年5月)では、希望する転職先として「一般事業会社」を選んだ人が31.6%いました。
※ 出典:アカウントエージェント「税理士の転職に関する実態調査【2026年5月】」(複数回答、対象は税理士)
科目数ごとの評価は税理士の科目合格は意味ない?転職できる?で紹介しています。税理士資格を活かして転職先を探すなら、税理士の転職に強いおすすめ転職サイト・エージェント21選で各社の違いを比較できるので便利です。会計事務所と事業会社の経理の違いを担当者に相談したい人には、レックスアドバイザーズの評判も参考になります。
経理部の求人票と面接で確認したいポイント
経理部の転職で多いミスマッチは、任される業務の範囲と、部署の体制が想像と違うことです。どちらも、求人票と面接で入社前に確認できます。
求人票で見る担当範囲と経理部の体制
求人票では、次の項目が書かれているかを確認します。書かれていない項目が多い求人ほど、面接で聞くことが増えます。
- 経理部の人数と、自分の上司にあたる人の役職
- 担当する業務の範囲(日次・月次・年次・連結のどこまでか)
- 使っている会計システムの名前
- 決算期(何月決算か)と、子会社の有無
- 繁忙期を含めた残業時間の目安
- 入社後の教育や引き継ぎの方法
経理部の面接で聞きたい質問と注意したい回答
面接では、入社後の働き方がわかる質問をしておくと安心です。回答の中身から、部署の状況を読み取れます。
| 聞きたい質問 | 安心できる回答 | 注意したい回答 |
|---|---|---|
| 前任の方はなぜ退職されたのですか | 異動・産休など、理由が具体的 | はぐらかす、短い期間で何人も辞めている |
| 繁忙期の残業はどのくらいですか | 月と時間の目安を答えられる | 「その時による」だけで数字が出てこない |
| 業務の手順書や引き継ぎ資料はありますか | 手順書があり、複数人で業務を分担している | 特定の1人しかわからない業務が多い |
| 入社後はいつ頃からどの業務を任されますか | 半年〜1年の育成の流れが決まっている | 入社直後から決算を1人で担当する |
経理の転職活動は決算期を避けて時期を選ぼう
在職中に転職活動をするなら、自分の会社の決算期と重ならない時期のほうが、面接の日程を組みやすくなります。決算の時期は残業が増えるためです。
3月決算の会社では、4〜6月が特に忙しくなります。東京証券取引所の集計では、2026年3月期の決算発表を行った2,147社の平均所要日数は41.3日で、5月14日には全体の22%にあたる473社が発表しました。定時株主総会も6月26日に656社(30.6%)が集中しています。
応募先の経理部も同じ時期に忙しくなるため、面接の調整に時間がかかることがあります。3月決算以外の会社もあるため、自分の会社と応募先の決算期がわかれば、動きやすい時期を決められます。
※ 出典:東京証券取引所「2026年3月期決算発表状況の集計結果について」(2026年6月4日)、「2026年3月期決算会社の定時株主総会開催日の集計結果について」(2026年6月5日。対象は開催予定日を公表した2,142社)
経理部の転職を転職エージェントで進めたほうがよい人
求人サイトだけでも、経理の求人を探すことは可能です。ただ、求人票に書かれていない情報を知りたい人や、決算期と転職活動を両立したい人は、転職エージェントを使うと進めやすくなります。
経理の転職での求人サイトと転職エージェントの使い分け
| 比べる点 | 求人サイト | 転職エージェント |
|---|---|---|
| 向いている人 | 自分のペースで求人を比べたい人 | 担当範囲や体制まで確認して応募したい人 |
| 得られる情報 | 求人票に書かれた条件 | 部署の人数・前任者の状況など、求人票にない情報 |
| 日程調整 | 自分で企業とやり取りする | 担当者が企業との調整を代行する |
| 年収の交渉 | 自分で行う | 担当者が代わりに交渉する |
経理経験者は、求人サイトで相場を見ながら、エージェントで条件の合う求人を紹介してもらう使い方もできます。
経理に強い転職エージェントの選び方
経理の転職でエージェントを選ぶときに見るポイントは、次の3点です。
- 経理・管理部門の求人をどのくらい扱っているか
- 担当者が経理の業務内容(月次・年次・連結など)を理解しているか
- 経験者向けと未経験者向けのどちらの求人が多いか
1社だけでは紹介される求人に偏りが出るため、特化型と総合型を1社ずつなど、2〜3社に登録して比べる方法もあります。
経理の転職に対応したエージェントの特徴や違いは、経理職向けおすすめ転職エージェント4社の比較にまとめました。比較している4社の評判は、それぞれ次の記事で紹介しています。
経理部の転職でよくある質問
経理と財務の違い、AIの影響、資格、年収、雇用形態について、よく出る疑問に答えます。
経理部と財務部の違いは?転職先としてどちらを選ぶべき?
経理は取引を記録して決算書を作る仕事で、財務は資金調達や資金繰りなど、お金の流れを計画する仕事です。dodaの調査では、平均年収は経理549万円、財務630万円でした。財務は経理の知識を土台にする仕事なので、経理で決算の経験を積んでから財務に移る人もいます。
経理の仕事はAIでなくなる?転職しても将来性はある?
入力作業は減っていく可能性がありますが、経理の仕事がすべてなくなるとは言い切れません。Sansanが経理部門の会社員2,112名に行った調査(2026年2月)では、経理業務で対話型AIを使っている人は39.8%でした。使い道は文章の作成が中心で、仕訳データの作成に使っている人は9.3%にとどまっています。AIを使ううえでの障壁として最も多かったのは「正確性への不安」(38.8%)でした。数字の正しさを判断し、経営陣に説明する役割は、今後も人が担う場面が多いと考えられます。
簿記以外に経理部の転職で評価される資格は?
決算書を読む力を示すビジネス会計検定、経理・財務の実務スキルを測るFASS検定、海外の会計基準の知識を示すIFRS検定や米国公認会計士(USCPA)などが代表的です。資格は応募先の業務に合わせて選ぶと、面接で活かしやすいでしょう。
経理部への転職で年収が下がることはある?
未経験から経理に移る場合や、会計事務所から事業会社に移る場合は、年収が下がることもあります。厚生労働省の調査では、2025年に転職で賃金が減った人は31.0%で、1割以上減った人も21.9%いました(全職種)。マイナビの調査では、2025年の正社員の転職で年収が上がった人は39.7%でした。提示された年収だけでなく、賞与や残業代を含めた年間の金額で比べましょう。
派遣や契約社員から正社員の経理部に転職できる?
担当した業務を具体的に説明できれば、派遣や契約社員の期間も実務経験として評価されます。仕訳入力だけでなく、月次決算の補助まで経験していれば、正社員の求人でも強みとして伝えられるでしょう。派遣先に正社員登用の制度があれば、職場を変えずに正社員を目指す道もあります。
経理部への転職で次にやること
経理部への転職は、未経験者には求人が少なく、経験者には求人が多いのが現状です。自分がどの立場かによって、次にやることは変わります。
- 未経験者
- 会計事務の求人倍率は0.51倍です。簿記2級を取ったうえで、経理事務や派遣で実務経験を積むと、正社員の経理部に応募しやすくなります
- 経理経験者
- dodaの「企画・管理」の転職求人倍率は3.28倍です。担当範囲と年次決算の回数を整理し、規模や専門性を上げられる求人を選びましょう
- 会計事務所・税理士事務所の人
- 決算と税務の経験は経理部でも活きます。社内調整や月次の締めなど、事務所にない仕事への準備をしておきましょう
経理の求人を担当範囲や体制まで確認して選びたい人は、経理職向けおすすめ転職エージェント4社の比較から、自分に合うエージェントを探してみてください。
※ 本記事の数値は2026年10月15日時点で確認したものです。統計や調査は更新されることがあるため、最新の情報は各出典をご確認ください。
参考文献・出典
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年8月分)について」(2026年10月2日公表)
- doda「転職求人倍率レポート(データ)」(2026年8月分)
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「経理事務」
- MS-Japan「経理の転職は難しい?未経験・経験別に転職成功へのポイントをご紹介!」(2026年6月18日)
- doda「平均年収ランキング(職種別)2025年版」(2025年12月1日更新)
- 厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」(2026年8月31日公表)
- 商工会議所の検定試験「簿記 2級受験者データ(統一試験)」
- 商工会議所の検定試験「簿記 2級・3級受験者データ(ネット試験)」
- OBC IPO Compass「IPO 2025年総括と今後の展望」(2026年8月3日更新)
- アカウントエージェント「税理士の転職に関する実態調査【2026年5月】」(2026年5月26日掲載)
- 東京証券取引所「2026年3月期決算発表状況の集計結果について」(2026年6月4日)
- 東京証券取引所「2026年3月期決算会社の定時株主総会開催日の集計結果について」(2026年6月5日)
- Sansan「経理の働き方に関する実態調査」(2026年5月1日)
- マイナビキャリアリサーチLab「中途採用・転職総括レポート2026年版」(2026年6月2日)


