税理士は割に合わない?合格率・年収・勉強年数のデータで確かめる、資格を取る価値がある人の条件

当ページのリンクには広告が含まれています。
税理士はやめといた方がいい?

「税理士は割に合わない」。試験の情報を集め始めた人なら、一度は目にしている言葉だと思います。合格まで最短5年、勉強時間は約2,000時間。そこまでかけても、20代の会計事務所勤務では年収が同年代の会社員を下回ります。ここまでは、公表データも評判のとおりです。

ところが、同じデータには続きがあります。従業員10〜99人の事業所で働く公認会計士・税理士の年収は、25〜29歳で約366万円と同年代平均を約41万円下回りますが、30代前半で並び、40代前半では約208万円上回ります。そのため、割に合わない、という言葉に当てはまるのは、20代だけ。

つまり、税理士は、20代のうちは同年代より低く、30代で追い付き、40代以降で元が取れる資格です。だから割に合うかどうかは、資格そのものではなく、資格を取ったあと何年働くつもりかで決まります。かかる年数と時間、得られる収入を国税庁・厚生労働省のデータで年齢別に比べました。

そのうえで、どんな人なら元が取れて、どんな人だと元を取れないまま終わるのかを確かめていきましょう。

この記事を読むとわかること
  • 税理士になるまでにかかる年数・時間・お金
  • 同年代の会社員と比べた年齢別の年収
  • 「割に合わない」と言われる4つの理由の真偽
  • 働き方による元が取れる早さの違い
  • 割に合う人と合わない人の違い
  • 目指すか決める前に確かめること

本記事の数値は2026年9月時点で公表されている資料に基づきます。年収は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」で算出しています。

あなたに合うエージェント診断

6つの質問に答えると、19社の中から軸にする1社と併用したい2社を提案します。

Q1

読み込み中です

目次

税理士の元が取れるのは40代から

「割に合わない」は、かけた年数や労力に対して、得られる収入が少ないという感覚です。感覚は人によって違うので、税理士の場合はどうなのか、かかるものと得られるものを公表データで数字にしました。数字が示したのは、評判とは違う実態でした。

元を取るまでに使うのは、お金より年数と時間

税理士試験は5科目の科目合格制です。1科目ずつ受けられ、合格した科目は生涯有効なので、仕組みだけを見れば働きながらでも進めやすい試験に見えます。年数がかかる理由は、同じ仕組みの中にあります。試験は年に1回だけ。令和8年度は8月4日から6日に実施され、合格発表は11月27日の予定です。1年に1科目ずつなら単純計算で5年。不合格の年があれば、その分だけ延びます。

勉強時間の目安として、予備校のスタディングは約2,000時間という数字を挙げています。毎日2時間なら3年近く、週10時間なら4年近くかかる計算です。

難関資格にはお金もかかる、と思われがちです。ところが受験手数料は1科目4,000円、2科目5,500円、3科目7,000円、4科目8,500円、5科目10,000円で、年1万円以下にとどまります。予備校や通信講座を使えばその費用が上乗せされますが、それでも負担の大半はお金ではなく、年数と時間です。

受験する科目数受験手数料
1科目4,000円
2科目5,500円
3科目7,000円
4科目8,500円
5科目10,000円
出典: 国税庁「令和8年度 第76回税理士試験受験案内」

その年数も、5年で済むとは限りません。令和7年度に5科目に到達した人は527人、一部科目合格にとどまった人は7,320人でした。到達者の14倍近くが途中の段階にいます。5年という数字は最短であって、多くの人はそれより長くかけています。

収入は20代で同年代以下、40代で200万円上回る

得られるもののうち、最も大きいのは収入です。難関資格を取れば若いうちから高収入になる。多くの人がそう見込みます。確かめるために、厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査から公認会計士・税理士の月給(きまって支給する現金給与額)を12倍して年間賞与を足した年収を、国税庁の令和6年分民間給与実態統計調査による給与所得者の平均給与と年齢別に比べました。

スクロールできます
年齢給与所得者の平均給与公認会計士・税理士(10〜99人)公認会計士・税理士(1,000人以上)
20〜24歳277万円271万円435万円
25〜29歳407万円366万円679万円
30〜34歳449万円477万円539万円
35〜39歳482万円568万円947万円
40〜44歳516万円724万円1,158万円
出典: 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」(職種)第5表(公認会計士,税理士・男女計・企業規模別、月給×12+年間賞与で算出)、国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」第10表(男女計・1年を通じて勤務した給与所得者)

従業員10〜99人の事業所では、25〜29歳で同年代平均を41万円下回ります。若いうちから高収入という予想は、小規模事務所では外れます。逆転するのは30〜34歳の28万円からで、35〜39歳で86万円、40〜44歳で208万円と、差は年齢とともに開いていきます。

「割に合わない」は、この同年代より低い時期にあたる20代の実感です。

ただし、この実感は資格を持つ人全員のものではありません。1,000人以上の事業所では25〜29歳で679万円と、同年代平均を272万円上回ります。同じ資格でも、勤め先の規模で20代後半の年収に300万円以上の開きがあります。20代の低さは資格の性質ではなく、どこで働くかの結果です。

この数字を使うにあたって、3つ断っておきます。職種分類が「公認会計士,税理士」でひとまとめで、税理士単独の数字はありません。調査対象は企業規模10人以上に雇用されている人で、開業税理士や10人未満の事務所は入っていません。10〜99人の25〜29歳は調査が捉えた人数が650人と少なく、年によって上下します。それでも、年齢とともに同年代との差が開いていく傾向は、規模を問わず共通しています。

資格を取ったあと何年働くつもりかで、答えが変わる

30代前半で同年代を上回るなら、そこで元が取れたように見えます。ただ、25〜29歳の41万円のマイナスに5年分の勉強時間と受験費用を加えれば、30代前半の28万円のプラスではまだ埋まりません。40代前半の208万円差が数年続いて、ようやく元が取れ始めます。

令和7年度に5科目に到達した人を年齢別に見ると、最も多いのは41歳以上の180人でした。一部の科目に合格した人が最も多いのは21〜25歳の1,921人です。科目に受かり始める年齢と、5科目がそろう年齢には大きな開きがあります。働きながら長くかけ、収入が上がる40代に資格がそろう。それが実際に近いと読めました。

つまり、元が取れるのは40代以降で、長く働いた分だけ得られる額は大きくなります。2〜3年で元を取りたい人には割に合いません。20年、30年と働く前提の人には割に合います。

ただ、「割に合わない」と言われる理由は収入だけではありません。他の理由も同じように数字で確かめないと、結論が片側だけになります。

「税理士は割に合わない」と言われる4つの理由

否定的な意見の出どころは、試験の長さ、収入が伸びるまでの時間、繁忙期の業務量、AIの4つです。根拠の強さは同じではありません。

合格までに数年かかり、途中で受験をやめる人が多い

税理士になるには、5科目に合格する必要があります。会計学に属する科目が2つ、税法に属する科目が3つです。会計学は簿記論と財務諸表論の2科目。税法は所得税法・法人税法・相続税法・消費税法または酒税法・国税徴収法・住民税または事業税・固定資産税の中から3科目を選びます。所得税法か法人税法のどちらかは選択が必須です。

合格基準点は各科目とも満点の60%で、5科目に達した時点で合格者になります。一度に5科目を受ける必要はなく、1科目ずつ受けていくことも認められています。

選択科目の幅があるため、自分に合う科目を選べば進めやすそうにも見えます。ただ、どの科目を選んでも年に1回しか受けられず、1科目落とすと1年延びる点は変わりません。一部科目合格の7,320人に対して5科目到達が527人という数字が、「途中で止まる人が多い」という印象の出どころです。

勉強量に見合う収入になるまでに時間がかかる

2つ目は収入の話です。数年かけて合格したのだから、同年代より高い収入になるはず。受験を考える人の多くがそう見込みますが、小規模事務所の20代後半は同年代平均を41万円下回ります。

月給で見ると、この時期の推移がはっきりします。企業規模計の公認会計士・税理士のきまって支給する現金給与額は、25〜29歳で月408.4千円、30〜34歳で377.9千円と一度下がります。35〜39歳で478.0千円まで戻り、月50万円を超えるのは40〜44歳の601.2千円からです。

合格した直後に収入が大きく上がる構造ではなく、30代半ばまで横ばいに近い期間が続きます。数年の勉強のあとに、この横ばいが来る。落差を感じるのは自然です。

申告期限が2月から5月まで続き、勉強時間を確保しにくい

3つ目は繁忙期の話です。会計事務所や税理士法人で働きながら受験する人は、避けて通れません。

所得税の確定申告は、令和7年分が令和8年2月16日から3月16日までの受付でした。この1か月に顧問先の個人の申告が集中します。ここまでは広く知られている話です。

繁忙期はそこで終わりません。法人税の確定申告書は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内に提出します。国税庁の令和6年度統計年報によると、決算月で最も多いのは3月の535,064社で、申告法人全体の17.7%を占めます。次いで9月が329,243社、12月が317,140社です。12月決算の申告期限が2月末、3月決算の申告期限が5月末に来ます。

個人の確定申告と12月決算法人の申告が2月から3月に重なり、5月末には最も件数の多い3月決算法人の申告が来ます。2月から5月までの4か月、期限のある仕事が途切れません。試験は8月上旬。試験前の追い込みに使える期間は、6月からの2か月しか残りません。

AIや会計ソフトの普及で仕事がなくなると言われている

4つ目がAIの話です。会計ソフトの自動仕訳は年々精度を上げています。銀行口座やクレジットカードの明細を取り込んで、勘定科目を提案する機能はすでに一般的です。電子帳簿保存法への対応も、ソフト側が吸収する部分が増えました。記帳代行を中心にしてきた事務所ほど、この変化を直接受けます。

記帳が自動化されるなら、税理士の仕事そのものも減っていくのではないか。この見方が広がると、「数年かけて取った資格が無駄になる」という結論に行き着きます。定型作業の自動化そのものは、否定しにくい流れです。

ただ、この4つの理由は、同じ強さの根拠を持っているわけではありません。公表データと突き合わせると、根拠のあるものとないものに分かれます。

4つの理由をデータで検証する

令和7年度の税理士試験の合格率は21.6%でした。前年の令和6年度は16.6%。1年で5.0ポイント動いています。「難しい」の一言で片づけると、この振れ幅を見落とします。4つの理由には、この合格率のように、見る年度や単位によって答えが変わるものが含まれています。

試験の長さ:受験者は増えたが、5科目到達者は増えていない

受験者は5年連続で増えています。難しすぎる試験なら人は離れていくはずで、増えているなら以前より受かりやすくなったようにも見えます。国税庁が公表している直近5年分の推移です。

スクロールできます
年度(回)受験者数5科目到達者一部科目合格者合格者合計合格率
令和3年度(第71回)27,299人585人4,554人5,139人18.8%
令和4年度(第72回)28,853人620人5,006人5,626人19.5%
令和5年度(第73回)32,893人600人6,525人7,125人21.7%
令和6年度(第74回)34,757人578人5,184人5,762人16.6%
令和7年度(第75回)36,320人527人7,320人7,847人21.6%
出典: 国税庁「税理士試験結果表」

受験者は5年間で9,021人増えました。令和5年度から簿記論と財務諸表論の受験資格がなくなり、誰でも受けられるようになった影響が大きい数字です。受験者が3割増えたなら、5科目に到達する人も増えていそうに見えます。

ところが5科目到達者は585人から527人へ減っています。増えたのは一部科目合格者だけで、4,554人から7,320人になりました。受験者が増えた分、途中の段階にいる人が増えています。受かりやすくなったのではなく、止まる人が増えた。「途中で止まる人が多い」という指摘は、数字と合います。

合格率の振れ幅も無視できません。年度別で最も低い年と高い年の差は5.1ポイント。科目別では、財務諸表論が令和6年度の8.0%から令和7年度の31.9%へ23.9ポイント上がり、簿記論は17.4%から11.1%へ下がりました。

スクロールできます
科目受験者数(延)合格者数7年度合格率6年度合格率
簿記論18,466人2,058人11.1%17.4%
財務諸表論15,629人4,980人31.9%8.0%
所得税法1,120人146人13.0%12.6%
法人税法3,606人488人13.5%16.4%
相続税法2,413人333人13.8%18.7%
消費税法7,064人712人10.1%10.3%
酒税法590人72人12.2%12.1%
国税徴収法1,671人231人13.8%13.0%
住民税439人78人17.8%18.2%
事業税310人38人12.3%13.7%
固定資産税928人144人15.5%18.0%
出典: 国税庁「令和7年度(第75回)税理士試験結果表」

同じ実力でも、受けた年で結果が変わります。1年の不合格で実力を判断しない構えが要ります。試験の長さという理由は、年数の面でも振れ幅の面でも、数字に裏づけられています。

収入:「平均856万円」は反論にならず、「20代は低い」も小規模事務所に限る

「税理士の平均年収は約856万円」という数字が、収入への不安に対する反論としてよく使われます。中身は令和6年賃金構造基本統計調査の企業規模計で、月557.7千円の12倍に年間賞与1,870.2千円を足した8,562,600円です。給与所得者の平均478万円、正社員の545万円を大きく上回ります。

ただ、856万円は全年齢の平均です。20代の低さを打ち消す数字にはなりません。企業規模別に分けると、さらに幅が出ます。

スクロールできます
企業規模きまって支給する現金給与額年間賞与年収換算
1,000人以上643.0千円2,719.8千円約1,044万円
100〜999人503.8千円1,597.6千円約764万円
10〜99人473.4千円927.1千円約661万円
出典: 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」(職種)第1表(公認会計士,税理士・男女計)

1,000人以上と10〜99人では、年収換算で約380万円の開きがあります。「税理士の年収」を1つの数字で語りにくいのは、この幅があるからです。

収入への不安は、小規模事務所の20代に限れば本当で、全体には当てはまりません。1,000人以上の事業所では20代後半から同年代を272万円上回ります。「割に合わない」は資格の問題ではなく、20代をどこで過ごすかの問題です。

もう1つ、この統計が捉えている労働者数は20,210人で、税理士登録者82,310人の4分の1程度です。雇用されている人だけの数字なので、開業税理士の収入には使えません。

開業後の収入を語る根拠にはなりません。

繁忙期:申告期限は法律で決まっており、避けられない

繁忙期は事務所の問題で、職場を選べば避けられそうにも思えます。ただ、個人の確定申告期間と法人税の申告期限は法律で決まっていて、事務所の工夫では動かせません。時期が固定されている理由は、決算月の偏りにあります。

スクロールできます
決算月申告法人数構成比申告期限
3月535,064社17.7%5月末
9月329,243社10.9%11月末
12月317,140社10.5%2月末
6月291,067社9.6%8月末
出典: 国税庁「令和6年度統計年報 法人税 決算期別の普通法人数及び通算法人数」(合計3,025,599社に対する構成比)、申告期限は原則(事業年度終了の日の翌日から2か月以内、延長の特例を除く)

2月から5月に申告期限が集中する構造は、どの事務所でも同じです。ただし、負荷の程度は同じではありません。人員体制、担当件数、繁忙期の残業管理は事務所ごとに違い、そこは職場選びで変えられます。事務所ごとの差の見極め方は、「税理士事務所はやめとけ」と言われる理由と後悔しない選び方で扱いました。

繁忙期という理由は、時期の面では数字に裏づけられます。受験との両立で問題になるのは、繁忙期があること自体ではなく、6月と7月の2か月で追い込みが間に合う体制に自分がいるかどうかです。

AI:資格が無駄になる根拠はないが、記帳中心の仕事の単価は下がる

AIによる代替の試算として広く知られているのが、野村総合研究所が2015年12月に公表したものです。日本の労働人口の約49%が、技術的には人工知能やロボットなどで代替できるという内容でした。オックスフォード大学の研究者との共同研究にもとづく試算です。

総務省の平成30年版情報通信白書も、この試算を引用しています。あわせて、自動化が進むなかで人が担う仕事の中身がどう変わるかは不明確だとしています。今後生まれる仕事も含めて、見通しは立っていないという整理です。

この試算は「業務」を単位に置いています。職業がまるごと消えるかどうかを予測したものではありません。税理士業務は税理士法第2条で税務代理・税務書類の作成・税務相談と定められ、この3つを税理士以外が業として行うことは第52条で禁じられています。違反した場合は2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。記帳代行の自動化が進んでも、この枠組みは法律の改正がない限り動きません。「資格そのものが無駄になる」という主張には、根拠がありません。

ただし、読者の不安はそこではないはずです。資格が残っても、記帳代行で稼いでいた分の単価が下がれば、収入は減ります。この点は否定できません。記帳を中心にしてきた事務所ほど直接影響を受け、税務相談や申告の判断を中心にしている事務所ほど影響が小さい。同じ資格でも、どの業務で稼ぐかで見返りが変わります。

4つの理由のうち、根拠がなかったのは「資格が無駄になる」と「全年齢で収入が低い」の2つです。残ったのは、試験の長さ、2月から5月の繁忙期、記帳中心の仕事の単価下落、そして小規模事務所の20代の年収の低さです。残った理由はどれも、資格ではなく働く場所と業務で軽くも重くもなります。元が取れる早さを決めるのは、資格を取ったあとの働き方です。

資格を取ったあとの3つの働き方と、元が取れる早さ

税理士の働き方は、大きく3つに分かれます。会計事務所や税理士法人に勤める道、企業の経理・税務部門に入る道、そして独立開業する道です。同じ資格でも、業務内容と収入の傾向はかなり違い、元が取れる早さもここで変わります。

スクロールできます
比べる点会計事務所・税理士法人企業の経理・税務部門独立開業
主な業務複数の顧問先の税務・記帳・申告自社の決算・税務・管理会計顧問契約の獲得と税務全般
収入の傾向規模で大きく違う(25〜29歳で366万円〜679万円)勤務先の給与体系に沿う顧問先の数と単価で決まる(統計なし)
繁忙期の負荷2月〜5月の申告期に集中自社の決算期に集中顧問先の決算月に左右される
向いている人税務の実務経験を早く積みたい人勤務時間の見通しを立てたい人自分の裁量で働きたい人

会計事務所や税理士法人で働く場合

税理士になった人の多くが通る道です。日本税理士会連合会の第6回税理士実態調査によると、資格取得前の職業で最も多かったのは税理士事務所職員の43.2%でした。次いで公務員が31.9%、会社員が13.0%と続きます。調査時点は平成26年1月1日で、対象は32,747人でした。10年以上前の調査になります。それでも、事務所勤務が最も多い経路である点は読み取れます。

事務所勤務が多いのには制度上の理由があります。税理士として登録するには、2年以上の実務経験が求められます。事務所勤務は、この経験を積みながら受験を進められる形です。複数の顧問先を担当するため、業種や規模の異なる会計処理に短期間で触れられます。

元が取れる早さは、事務所の規模で決まります。25〜29歳の年収は、10〜99人で366万円、1,000人以上で679万円。同じ「事務所勤務」でも、規模によって20代に同年代より低い時期があるかないかが変わります。ただし1,000人以上の事務所は数が限られ、税理士法人の届出数は主たる事務所で5,319にすぎません。多くの人にとって現実的な選択肢は、20代の年収が低い小規模事務所です。

教育体制や残業管理の方針も事務所ごとに違います。求人票の見方、面接で聞くべき残業時間や担当件数、試験前の休暇制度の確認方法まで踏み込んだ内容は、「税理士事務所はやめとけ」と言われる理由と後悔しない選び方にまとめました。ここでは、資格を取るかどうかの判断に必要な範囲にとどめます。

企業の経理・税務部門で働く場合

事業会社の経理部門や税務部門に入る道もあります。いわゆる企業内税理士です。第6回税理士実態調査では、資格取得前に会社員だった人が13.0%を占めていました。

自社1社の決算と税務に専念する働き方です。担当する範囲は狭くなります。その分、1社に深く関わることになります。連結決算や税務調査の対応、管理会計への関与など、事務所勤務では触れにくい領域に入っていくケースもあるでしょう。

勤務時間の見通しが立てやすい点は、事務所勤務との大きな違いです。繁忙期は自社の決算期に寄ります。複数の顧問先の申告期限が2月から5月に続く事務所勤務とは、忙しい時期も回数も違います。

一方で、税理士として登録する必要がない職場もあります。登録には登録免許税や会費の負担が発生します。企業内で働く場合、資格を持っていること自体は評価されても、登録までは求められないケースがある点は知っておきたいところです。

収入面では、勤務先の給与体系に沿う形になります。税理士だから特別な手当がつくとは限りません。賃金構造基本統計調査が捉えている20,210人には、こうした企業内の税理士も含まれています。1,000人以上の年収も、事業会社に勤める人を含んだ数字です。事務所勤務と経理職のどちらが自分に合うかという比較は、「税理士事務所はやめとけ」と言われる理由と後悔しない選び方で労働時間や求人倍率まで含めて整理しています。

独立開業する場合

3つ目が独立開業です。令和8年7月末時点の税理士登録者数は82,310人。税理士法人の届出数は主たる事務所が5,319でした。個人事務所として登録している人も相当数を占めます。

収入の上限がなくなる働き方です。顧問先の数と単価が、そのまま収入に反映されます。ここで注意したいのが、雇用者を対象にした賃金統計が使えないことです。開業税理士の収入は、公的な統計に出てきません。

「平均856万円」を開業後の目安として読むのは誤りです。

開業では、税務の実力とは別の力が必要になります。顧問先をどう見つけるか。既存の顧問先をどう維持するか。この部分は資格試験では問われません。独立して食べていけるかどうかは、ここで決まります。収入に上限がない代わりに、元が取れる保証もない働き方です。

税理士法人の届出数が主たる5,319、従たる3,149まで増えている点も、この文脈で読めます。1人で抱えるのではなく、複数人で運営する形が広がってきました。独立すれば必ず1人で全部を担う、というわけでもありません。

3つのうちどれを選ぶかで、必要な準備は変わります。とくに会計事務所は、受験を前提とした働き方を認めている職場とそうでない職場に分かれます。この違いは求人票の文面からは読み取れません。税理士を専門に扱う転職エージェントであれば、事務所ごとの受験への配慮まで把握しています。

転職サポート満足度5年連続96%以上!

\税理士・会計士特化型エージェント/

※レックスアドバイザーズのサポートで転職した方へのアンケート結果(2021/1-2025/12、回答数:999)

複数のエージェントを比較したい場合は、税理士の転職に強い!おすすめ転職サイト・エージェント15選もあわせてご覧ください。

元が取れる早さは職場で決まりますが、元が取れるまで続けられるかどうかは本人側の条件で決まります。

元を取れないまま終わりやすい人の特徴

元を取れない人には共通点があります。能力ではありません。置かれている状況と、資格に期待していることのズレです。先に知っておくと、判断が早くなります。なお、ここでは「税理士という資格が自分にとって割に合うか」という問いに絞ります。「会計事務所という職場が自分に合うか」は別の問題として切り分けてください。

短い期間で年収を上げたい人

2〜3年で年収を大きく上げたいという目的で税理士を選ぶと、ほぼ確実に割に合わないと感じます。

理由は2つあります。1つは合格までの期間です。科目合格制の試験を年1回のペースで積み上げていきます。5科目を2年でそろえられるのは、勉強に専念できる人に限られます。

もう1つは合格後の収入カーブです。小規模事務所の25〜29歳は同年代平均を41万円下回り、30代前半でようやく28万円上回ります。40代前半の208万円差まで届いて、初めて数年分の勉強時間の元が取れ始めます。2〜3年という時間軸は、同年代より低い時期とそのまま重なります。

年齢を重ねてから始める場合は、別の問題があります。令和7年度の合格率は21〜25歳で29.4%、41歳以上で11.5%。差は17.9ポイントです。41歳以上の受験者は11,632人で全体の3割を占める最大の層ですが、合格率は最も低い。仕事の責任が重くなり勉強時間を取りにくいこと、長く受からないまま続けている人がこの層に集まること。その両方が数字に出ていました。

短期で収入を上げたいなら、別の手段のほうが早い場合もあります。いまの職場で職位を上げる、業界を変える、簿記2級などの取得しやすい資格で経理職に移る。こうした選択肢と比べたうえで、それでも税理士を選ぶ理由があるかどうか。数年後の姿を思い描いたとき、税理士でなければ届かない場所があるなら、時間をかける意味があります。

勉強を続ける時間の見通しが立たない人

元を取る前に、まず合格がなければ話が始まりません。合格できるかどうかを分けるのは、何年を勉強に充てられるかです。

学歴別の合格率が、この点を示しています。令和7年度は大学卒が20.8%、大学在学中が31.9%、高校・旧中卒が24.7%、専門学校卒が14.7%でした。学歴の高さと合格率は並んでいません。最も高いのは、勉強に専念できる大学在学中です。差を作るのは学歴ではなく、勉強に充てられる時間でした。

試験は年に1回だけです。ある年に受験できなければ、次の機会は1年後になります。転勤、育児、家族の介護。数年のスパンで見れば、こうした事情が挟まる可能性は誰にでもあります。いま週に何時間確保できるか、その時間を3年後も維持できそうか。ここが見えないまま始めると、途中で止まったまま年数だけが過ぎていきます。かけた時間が積み上がらないことこそ、いちばん割に合わない結果です。

時間の見通しが立たない場合、受験を否定する必要はありません。会計学の2科目から始める選択肢があります。令和5年度から簿記論と財務諸表論には受験資格の制限がありません。まず2科目に絞って様子を見る。その進め方なら、負担を抑えて判断できます。

資格を取ること自体が目的になっている人

「難関資格を持っていれば何とかなる」という期待だけで始めるパターンです。この場合、合格した瞬間に目的が消えます。

税理士登録者数は82,310人。すでに8万人以上が同じ資格を持っています。資格の有無が差になるのは、採用の段階までです。その先で問われるのは、どの分野に強いか、どんな顧問先を担当できるか。記帳中心か、税務判断中心か。収入を決めるのは、この部分です。

資格はスタートラインであって、ゴールではありません。

第6回税理士実態調査では、資格取得前の職業として税理士事務所職員が43.2%を占めていました。すでに業界で働いている人が、実務の延長線上で資格を取っている構図です。取得後に何をするかが最初から見えている人ほど、動機が持続しやすくなります。

決め方は難しく考えなくて構いません。相続に強くなりたい、法人の顧問を持ちたい、企業の税務部門で働きたい。この程度の粒度で十分です。方向が決まると、受験する税法科目の選び方も変わってきます。相続を軸にするなら相続税法、法人顧問を軸にするなら法人税法。勉強そのものが将来の仕事とつながります。

元が取れるまで続けやすい人の特徴

第6回税理士実態調査で、従事年数40年超の税理士は8.1%、2,641人いました。会社員なら定年までの勤続がおよそ40年です。それを超えて働き続けている人が1割近くいます。40年以下も10.6%で3,467人。合わせると2割近くが30年以上この仕事を続けています。ここまで長く働ける人にとって、20代の41万円は小さな数字になります。

定年に縛られず長く働きたい人

税理士の年齢構成を見ると、この職業の性格がよくわかりました。第6回税理士実態調査による年齢層の内訳です。

スクロールできます
年齢層割合人数
20歳代0.6%187人
30歳代10.3%3,358人
40歳代17.1%5,599人
50歳代17.8%5,817人
60歳代30.1%9,868人
70歳代13.3%4,343人
80歳代10.4%3,421人
出典: 日本税理士会連合会 第6回税理士実態調査(平成26年1月1日現在)

70歳代と80歳代を合わせると23.7%。4人に1人近くが70歳以上で現役です。調査時点は平成26年1月1日で、対象は32,747人でした。10年以上前のデータになりますが、日本税理士会連合会が現在も公開している資料です。

年齢層が高い理由まで、この調査からは読み取れません。長く働き続けられることの表れとも読めますし、若手の参入が少ないこととも読めます。確実に言えるのは、70歳を過ぎても現役の税理士が2割以上いるという事実です。会社員の定年である60代で収入を止める必要がなく、そこから先の10年、20年がそのまま上乗せになります。

元を取る年数を、自分で伸ばせる職業です。

数字を扱う実務を続けたい人

税理士業務の中身は、税理士法第2条で定められています。税務代理、税務書類の作成、税務相談の3つです。加えて、税理士業務に付随する形で財務書類の作成や記帳の代行なども行えます。

この3つは、税理士または税理士法人でなければ業として行えません。会計ソフトがどれだけ進化しても、ソフトが提案した仕訳を最終的に判断する人、申告書の内容に責任を負う人には資格が必要です。記帳が自動化されるほど、稼ぎの中心はこの判断の部分に移ります。数字を見て判断する仕事を長く続けたい人には合っています。

逆に、数字そのものに関心が持てない場合は苦しくなります。合格後も税制改正への対応が毎年続きます。学び続けることが前提の職業です。

税理士業務は「正解のある計算」だけでは終わりません。同じ取引でも、処理の選択肢が複数あるケースが出てきます。どれを選ぶかで税額が変わります。顧問先の状況を聞き取り、選択の理由を説明する。この部分が仕事の中心です。数字を扱いながら人と話す仕事、と言い換えてもよいでしょう。計算だけを黙々と進めたい人には、思っていたのと違うと感じる場面があるかもしれません。

独立して自分の裁量で働きたい人

独立して自分の事務所を持てます。これも税理士という資格の特徴です。

税理士登録者数82,310人に対し、税理士法人の届出数は主たる事務所5,319、従たる事務所3,149でした。法人化していない個人事務所として活動している人も多数います。組織に属さずに働く形が、制度として整っている職業です。

働く場所や時間の自由度が上がります。顧問先を選ぶことも、業務量を調整することもできます。会社員として組織の意思決定に従う働き方に窮屈さを感じている人にとって、この点は大きいでしょう。

もちろん、収入の安定と引き換えの自由です。顧問先が減れば収入も減ります。営業活動も自分の仕事のうちです。それでも「自分で決めたい」という気持ちが強い人にとっては、収入の上限を自分で外せる選択肢になります。

独立の時期を早める必要もありません。第6回税理士実態調査の従事年数を見ると、20年以下が24.1%で最も多い層でした。10年以下も17.7%います。事務所で経験を積んでから独立する人、勤務を続ける人、それぞれの形があります。複数人で法人を作る、既存の法人の社員になるという形も増えてきました。資格を取った時点で独立を迫られるわけではない点は、知っておくと気が楽になるはずです。

税理士が自分にとって割に合うかを決める前に確認したいこと

判断に迷っているなら、いますぐできることが3つあります。どれも数十分で終わります。「割に合わない」という評判ではなく、手元の数字で決めるための作業です。

  • 1週間に確保できる勉強時間を割り出す
  • 撤退ラインを年数と科目数で決めておく
  • 科目合格の時点で選べる転職先を調べておく

1週間に確保できる勉強時間を割り出す

最初にやるのは、使える時間を数えることです。「がんばれば何とかなる」ではなく、実際に確保できる時間を数えます。

平日の朝と夜、通勤時間、土日。この4つに分けて、それぞれ何時間使えるかを書き出してください。会計事務所で働いている人は、2月から5月の申告期とそれ以外の月を分けて数えます。年間の合計時間が見えてきます。

次に、試験までのスケジュールと突き合わせます。令和8年度の試験日は8月4日から8月6日。受験申込の受付は4月20日から5月8日までです。合格発表は11月27日を予定しています。この1年のサイクルを何回繰り返せるか。そこから逆算していきます。

受験地も確認しておきましょう。試験は北海道、宮城県、埼玉県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、熊本県、沖縄県の12か所で行われます。居住地によっては、前泊を含めた移動時間も計算に入れる必要があります。

受験手数料も年間の負担として計算に入れておきましょう。1科目4,000円、2科目5,500円、3科目7,000円です。予備校や通信講座を使う場合は、その費用も加わります。時間とお金の両方を数字にしておくと、家族に説明するときにも話が早くなります。

書き出した時間が想定より少なかった場合でも、それは有益な結果です。始めてから気づくより、ずっと損が小さくて済みます。

撤退ラインを年数と科目数で決めておく

次にやるのが撤退ラインの設定です。始める前に決めておくことに意味があります。

決め方はシンプルです。「何年で何科目まで進まなかったら見直すか」を数字にします。たとえば「3年で2科目に届かなければ計画を練り直す」といった形です。年数と科目数の2軸で決めておくと、判断がぶれません。

科目合格制には、合格した科目が生涯有効という特徴があります。途中で受験を止めても、それまでの合格が消えることはありません。だからこそ、続けるか止めるかの判断が先延ばしになりやすい面もあります。5年間で一部科目合格者が4,554人から7,320人へ増えた一方で、5科目到達者は減っている。途中の段階に長くとどまる人が増えているのは、この先延ばしの表れでもあります。

撤退ラインを決めることは、諦める準備ではありません。むしろ「ここまでは全力でやる」と決めることです。期限のない努力は、途中で続かなくなります。区切りがあるからこそ、その期間に集中できます。

見直す時期が来たら、そこで完全に止める必要もありません。ペースを落として続ける、科目の選び方を変える、勉強法を切り替える。選択肢は複数あります。

科目合格の時点で選べる転職先を調べておく

3つ目は、5科目そろう前の選択肢を調べておくことです。ここを知らないまま始めると、あとで遠回りになります。

見落とされやすい制度があります。税理士として登録するには、2年以上の実務経験が求められます。

5科目そろえただけでは登録できません。

試験勉強と並行して、経験を積める職場を確保しておく必要があります。第6回税理士実態調査では、資格取得前の職業として税理士事務所職員が43.2%と最多でした。受験しながら業界で働いている人が多数派だったということです。会社員が13.0%、他士業事務所職員が1.7%と続きます。

つまり、多くの人は「合格してから転職する」のではありません。科目合格の段階で会計事務所に移り、実務経験を積みながら残りの科目を進めています。この順番を知らずに勉強だけ先行させると、5科目そろった時点で実務経験がゼロという状態になりかねません。

どこで実務経験を積むかは、元が取れる早さにも直結します。10〜99人と1,000人以上では、25〜29歳の年収に313万円の差がありました。科目合格の時点で、何科目でどんな求人が出ているのか、想定年収はいくらか、実務未経験でも通るのか。合格科目数ごとの市場価値については、税理士の科目合格は意味ない?転職できる? 合格科目数別の市場価値と失敗しない転職戦略で整理しています。

3つの作業を終えると、答えるべき問いが2つに絞られます。合格できるか、つまり週の勉強時間を何年続けられるか。元が取れるか、つまり何年働く前提で、どの規模の職場から始めるか。

週10時間を超えるようなら、会計学2科目から動き出す価値があります。同時に、受験しながら働ける職場を調べてください。この2つの問いに自分の数字で答えられた時点で、「割に合わない」は評判ではなく、自分で検証した結論に変わります。

受験と並行して働ける職場を探すなら、税理士に特化した転職エージェントへの相談が近道です。会計事務所ごとの繁忙期の実態や、試験前の休暇制度の運用まで把握しています。いますぐ転職する予定がない段階でも、どんな条件の求人が出ているかを知っておくと勉強の計画を立てやすくなります。

転職サポート満足度5年連続96%以上!

\税理士・会計士特化型エージェント/

※レックスアドバイザーズのサポートで転職した方へのアンケート結果(2021/1-2025/12、回答数:999)

エージェントごとの得意分野を比べたい方は、税理士の転職に強い!おすすめ転職サイト・エージェント15選を参考にしてください。

よくある質問

税理士が割に合うかどうかを考えるときに出てくる疑問をまとめました。

税理士は難易度のわりに年収が低いというのは本当ですか

20代の小規模事務所に限れば本当です。令和6年賃金構造基本統計調査を年収換算すると、従業員10〜99人の事業所で働く公認会計士・税理士は25〜29歳で約366万円で、同年代の給与所得者平均407万円を約41万円下回ります。30〜34歳で約477万円と同年代を上回り、40〜44歳では約724万円と200万円以上の差になります。1,000人以上の事業所では25〜29歳で約679万円と、20代から同年代を大きく上回ります。「低い」と感じるのは合格前後の20代で、しかも勤め先の規模によります。開業税理士はこの統計に含まれていません。

税理士試験に合格するまで何年くらいかかりますか

合格までの平均年数を、国税庁は公表していません。ただし令和7年度の年齢別データから、おおよその流れは読み取れます。一部の科目に合格した人が最も多いのは21〜25歳で1,921人。一方、5科目そろった人が最も多いのは41歳以上で180人でした。科目に合格し始める年齢と、5科目に到達する年齢には大きな開きがあります。スタディングが公表している合格者アンケートでも、5年未満で合格した人が8割弱、5年以上かかった人が2割ほどという結果でした。制度上の最短は5年。実際にはそれ以上かかる人もいます。

働きながら税理士試験に合格している人はいますか

第6回税理士実態調査によると、資格取得前の職業で最も多かったのは税理士事務所職員の43.2%でした。次いで公務員31.9%、会社員13.0%です。税理士登録には2年以上の実務経験が求められます。働きながら受験を進める形が、業界では標準的な進み方といえます。調査時点は平成26年1月1日です。

税理士試験を受けるのに学歴は必要ですか

会計学に属する科目、つまり簿記論と財務諸表論には受験資格の制限がありません。令和5年度の試験から誰でも受けられるようになりました。税法に属する科目には、学識・資格・職歴・認定のいずれかの受験資格が必要です。学識の要件は、大学や短大などで社会科学に属する科目を1科目以上履修していることなどが該当します。国籍と年齢に制限はありません。

税理士と公認会計士はどちらが目指しやすいですか

試験制度が大きく異なります。税理士試験は科目合格制で、合格した科目は生涯有効です。1年に1科目ずつ受けることも認められています。令和7年度の合格率は21.6%でした。公認会計士試験は短答式と論文式に分かれる制度です。働きながら数年かけて進めたい場合は、税理士試験の科目合格制が合いやすいでしょう。なお公認会計士試験の短答式試験合格者には、税理士試験の税法科目の受験資格が認められます。

税理士の平均年齢が高いことは、これから目指す人にとって不利ですか

第6回税理士実態調査では、60歳代が30.1%、70歳代が13.3%、80歳代が10.4%でした。調査時点は平成26年1月1日。この構成比が示すのは、税理士が年齢で引退を迫られる職業ではないという点です。一方で、若手が少ない状態が続いているとも読めます。どちらの見方が当たるかは、今後の受験者数と事業承継の進み方で決まるでしょう。

ブラックな税理士事務所が多いというのは本当ですか

事務所ごとの労働環境について、公的な統計は公表されていません。確実に言えるのは、業務が特定の時期に集中することです。個人の確定申告が2月中旬から3月中旬、12月決算法人の申告が2月末、最も多い3月決算法人の申告が5月末に来ます。ただし、これは資格そのものの問題ではなく職場選びの問題です。同じ申告期でも、人員体制や分担の仕方で負荷はかなり変わります。事務所ごとの違いと見極め方は、「税理士事務所はやめとけ」と言われる理由と後悔しない選び方で整理しています。

出典

この記事を書いた人

アドバイザーナビが運営する「税むすび」では会計士・税理士関連の情報を発信しています。これまでアドバイザーナビは「資産運用ナビ」を中心に適切なプロフェッショナルのプラットフォームを構築してきました。税理士紹介ナビでは、税理士へのインタビュー・アンケート調査などを通じて、税理士や税金にまつわる情報発信をしていきます。

目次