税理士の仕事はAIでなくなるのでしょうか?
結論から言うと、税理士という職業が、すぐになくなる見込みは低いと考えられます。税務代理や申告書の作成は税理士にしかできない業務で、法人税の申告の89.8%に税理士が関わっているためです。
一方で、記帳や入力などの定型業務は、AIや会計ソフトによって減っていく可能性が高いでしょう。
この記事では、AIで減る業務と今後も残る業務を、野村総合研究所の研究や国税庁の統計をもとに解説し、受験生・科目合格者・勤務税理士それぞれの備え方まで紹介します。
- 税理士の仕事がAIでなくなるかへの答え
- AIで代替されやすい業務と残りやすい業務
- 税理士に将来性がないと言われる理由と統計で見た現状
- 今後も税理士の需要が続くと考えられる根拠
- 受験生・科目合格者・勤務税理士の将来への備え方
税理士の仕事はAIでなくなる?調査と統計から見た答え
税理士という職業は残る可能性が高い一方で、税理士事務所で行われている作業の一部は確実に減っていきます。「なくなるか」は、職業と作業を分けて考えるとわかりやすくなります。
税理士という職業がすぐになくなる見込みは低い
税理士法では、税務代理・税務書類の作成・税務相談の3つを「税理士業務」と定めています。税理士や税理士法人でない人は、たとえ無償であっても、他人のためにこれらの業務を行えません。
AIが申告書の下書きを作れるようになっても、申告を代わりに引き受けたり、税務署とのやり取りを代理したりできるのは税理士だけです。この仕組みが変わらない限り、税理士の役割そのものがなくなることは考えにくいでしょう。
実際に、税理士として登録している人は増えています。国税庁の統計では、登録者は2021年3月末の79,404人から、2026年3月末には82,513人になりました。
ただし、今後の法改正で税理士業務の範囲が変わる可能性もあります。将来にわたって「なくならない」と言い切ることはできません。
※ 出典:国税庁「税理士制度Q&A 問6-1」、国税庁 統計年報「20-7 税理士」
記帳や入力などの定型業務はAIで減っていく
減っていくのは、職業ではなく作業です。
会計事務所向けの会計ソフトを提供するミロク情報サービスが、会計事務所で働く212名に聞いた調査(2026年7月)では、生成AIを使っている人の割合が75%に達しました。2024年度の調査では39%だったため、2年で2倍近くに増えています。
申告のデジタル化も進みました。国税庁によると、法人税の申告でe-Tax(国税の電子申告)を使った割合は、2021年度の83.0%から2025年度は91.8%に上がっています。紙の書類を手で入力する場面は、今後さらに少なくなるでしょう。
※ 出典:ミロク情報サービス「会計事務所白書2026 生成AIの導入・活用に関する実態調査 第3弾」(2026年9月17日)、国税庁「令和7年度におけるオンライン(e-Tax)手続の利用状況等について」(2026年10月)
「税理士はAIでなくなる」と言われるきっかけになった2015年の研究
「税理士はAIに仕事を奪われる」という話がよく出るようになったのは、2015年の研究がきっかけです。野村総合研究所は、英オックスフォード大学のオズボーン准教授・フレイ博士との共同研究で、日本の601種類の職業について、AIやロボットに置き換えられる可能性を試算しました。
この研究では「10〜20年後に、日本の労働人口の約49%が就いている職業で代替が可能」という推計が出ました。ただし、これは技術的に置き換えられるかどうかの試算です。人手不足や制度など、社会の条件は考慮されていません。
研究とあわせて公表された「代替可能性が高い100種の職業」には、経理事務員や会計監査係員が含まれていますが、税理士は入っていません。一覧は50音順で、順位を示したものでもありません。2017年に日本経済新聞が、この共同研究をもとに「税理士の代替可能性は92.5%」と報じ、その後もこの数字が広く引用されています。ただし、野村総合研究所が公表した資料には、職業ごとの確率は載っていません。
※ 出典:野村総合研究所「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に」(2015年12月2日)、日本経済新聞「AI時代のサムライ業(上)」(2017年9月25日朝刊)
税理士の業務のうちAIで代替されやすい業務と残りやすい業務
税理士事務所の仕事を業務ごとに分けると、AIの影響の受け方は大きく異なります。手を動かす作業ほど減りやすく、判断と責任を伴う業務ほど残りやすいという分かれ方です。
| 業務 | 今後の見通し | 主な根拠 |
|---|---|---|
| 記帳代行・仕訳入力 | 減っていく | 会計事務所の生成AI利用率の上昇、2015年の研究で経理事務員が代替可能性の高い職業に入っている |
| 証憑の読み取り・データ入力 | 減っていく | 電子データで受け取った請求書などは、手入力せずに取り込める |
| 申告書の作成 | AIが下書きし、税理士が確認する形へ | 税理士の独占業務。日税連のガイドラインでも最終責任は税理士 |
| 税務の調べもの(法令・通達) | 速くなるが、確認は残る | AIの回答をそのまま使わず、根拠法令を確認する必要がある |
| 税務調査の立会い | 残りやすい | 税務代理は税理士の独占業務 |
| 経営相談・事業承継・相続の相談 | 残りやすい | 家族や会社の事情を聞き取ったうえでの判断が要る |
※「今後の見通し」は公表データをもとにした編集部の予測です
記帳代行・仕訳入力・証憑の読み取りはAIで代替されやすい
領収書や通帳の内容を読み取り、勘定科目を選んで帳簿に入力する作業は、手順が決まっているためAIや会計ソフトで自動化しやすい業務です。2015年の研究でも、代替可能性が高い職業として経理事務員が挙げられていました。
税理士事務所では、こうした作業の多くを税理士補助のスタッフが担っています。記帳や入力だけを長く続けていると、AIの普及で任される仕事が減る可能性があります。
税理士補助の仕事内容や必要なスキルは、税理士補助とは?仕事内容と向いている人で紹介しています。
申告書の作成や税務の調べものはAIが下書きして税理士が確認する形に変わる
申告書の作成や、法令・通達を調べる作業は、AIが下書きを作り、税理士が確認する形に変わっていくとみられます。
日本税理士会連合会(日税連)は2026年9月、「税理士事務所のためのAI・クラウド活用ガイドライン(Ver1.0)」を策定しました。レガシィクラウドの解説記事によると、このガイドラインはAIの出力を鵜呑みにせず、税理士自身が根拠となる法令や通達を確認して判断するよう求めています。最終的な責任は税理士が負うという考え方です。
申告書の作成は税理士の独占業務であり、内容に誤りがあれば責任を問われるのは税理士です。AIで作業が速くなっても、内容を確かめる仕事は残ります。
※ 出典:四国税理士会「税理士事務所のためのAI・クラウド活用ガイドライン」の策定について、レガシィクラウド(ガイドラインの解説記事)。ガイドライン本体は日税連の会員向けに公開されています
税務判断・税務調査の立会い・経営相談は税理士に残りやすい
税務調査の場で、納税者に代わって税務署に主張や説明をするのは「税務代理」にあたり、税理士にしかできません。調査官とのやり取りでは、事実関係を確認しながらその場で判断する力が求められます。
相続や事業承継の相談、資金繰りや事業計画の相談も、家族構成や会社の状況を聞き取ったうえで答える仕事です。こうした業務は、AIが情報を整理する場面はあっても、最終的な判断と説明は税理士に残りやすいと考えられます。
税理士に将来性がないと言われる4つの理由は本当?統計で見る現状
「税理士に将来性はない」と言われる理由として、よく挙げられるのが次の4つです。公表されている統計と照らし合わせると、当てはまる部分と当てはまらない部分があります。
会計ソフトとe-Taxの普及で申告の手間は減った?
申告の手間が減ったことは事実です。e-Taxの利用率は、2021年度から2025年度にかけて大きく上がりました。
| 申告の種類 | 2021年度 | 2025年度 |
|---|---|---|
| 法人税 | 83.0% | 91.8% |
| 所得税 | 59.2% | 77.4% |
| 相続税 | 23.4% | 70.2% |
※ 出典:国税庁「令和7年度におけるオンライン(e-Tax)手続の利用状況等について」(2026年10月)。表の年度は国税庁の年度(4月〜翌3月)
ただし、申告が便利になったことで、税理士に頼む人が減ったわけではありません。申告書のうち税理士が関わったものの割合(税理士関与割合)は、2020年度から2024年度にかけて、法人税で89.4%から89.8%、相続税で86.1%から86.5%と、むしろわずかに上がっています。
所得税は21.1%から20.4%に下がりました。
※ 出典:財務省「令和6事務年度 国税庁実績評価書」参考指標「税理士関与割合」(2025年10月。2026年10月時点の最新版)
顧客になる中小企業は減っている?企業数と法人数の推移
中小企業の数は減っています。中小企業庁の集計では、2016年の357.8万者から2021年には336.5万者になり、5年で21.3万者減りました。
一方で、法人の数は増え続けています。国税庁の会社標本調査では、2024年度分の法人数は2,999,680社で、前年度から1.5%増えました。2012年度以降、12年連続の増加です。
| 統計 | 数え方 | 推移 |
|---|---|---|
| 中小企業庁「中小企業・小規模事業者の数」 | 個人事業者を含む | 2016年357.8万者 → 2021年336.5万者 |
| 国税庁「会社標本調査」 | 法人のみ | 2022年度2,909,847社 → 2024年度2,999,680社 |
※1 出典:中小企業庁「中小企業・小規模事業者の数(2021年6月時点)の集計結果」(2023年12月13日。最新版)
※2 出典:国税庁「令和6年度分 会社標本調査」(2026年3月30日)
2つの統計は数え方が違うため単純には比べられませんが、減っているのは主に個人事業者で、法人は増えていると読み取れます。法人の申告の約9割には税理士が関わっているため、顧問先の候補が減っているとは言い切れません。
税理士登録者の半数以上が60歳以上
税理士の高齢化は、統計でもはっきり表れています。日税連によると、2026年4月末の登録者のうち60歳以上は51.6%を占めました。
高齢の税理士が多いことは、業界の先行きへの不安として語られがちです。ただ、これから税理士として働く人から見ると、意味は逆になります。20代と30代は合わせて6.4%しかいません。引退する税理士が増えれば、顧問先の引き継ぎや事務所の承継で、若い税理士が求められる場面は増えていきそうです。
税理士の登録者数や事務所の規模など、業界全体の数字は税理士業界の現状と今後は?にまとめています。
税理士試験の受験者数は減っている?最近5年の推移
税理士試験の受験者数は、最近5年間は増え続けています。国税庁の統計では、2020年の26,673人から、2025年には36,320人になりました。
税理士試験の受験者数の推移
2020年(第70回)〜2025年(第75回)・単位は万人
出典:国税庁 統計年報「20-7 税理士(1)税理士試験の受験・合格者数」
ただし、2005年の56,314人と比べると、まだ6割ほどの水準です。税理士試験は1科目ずつ受けられ、5科目に合格した時点で試験の合格となります。2025年に5科目の合格に到達した人は527人でした。なり手が急に増えているわけではないため、資格を持つ人の希少性は当面続くと考えられます。
受験にかかる年数と得られる年収が見合うかは、税理士は割に合わない?で詳しく紹介しています。
今後も税理士の需要が続くと考えられる4つの根拠
AIが広がっても税理士の需要が続くと考えられる根拠は、主に次の4つです。
法人の申告の多くに税理士が関わっている
法人税の申告は、e-Taxの利用率が91.8%まで上がりました。それでも2024年度の税理士関与割合は、法人税で89.8%、相続税で86.5%です。申告が電子化されても、手続きを税理士に任せる法人の割合はほとんど変わっていません。
法人の数は12年連続で増えています。会計ソフトやe-Taxが広がった後も関与割合は下がっていないため、法人の申告を中心とした税理士の需要は、当面は続くでしょう。
インボイス制度や電子帳簿保存法で税務の手続きが増えた
2023年10月にインボイス制度が始まり、それまで消費税を納めていなかった小規模な事業者も申告を行うようになりました。財務省の広報誌によると、2025年分の個人事業者の消費税の申告件数は217万件で、前年から2.2%増えています。インボイス制度の導入以降、増加が続いています。
2024年1月からは、メールやネットで受け取った請求書などの電子データを、決められた方法で保存する必要も出てきました。制度が変わるたびに、事業者からの相談や確認の仕事が生まれています。
※ 出典:財務省 広報誌「ファイナンス」2026年8月号、東京税理士会「電子取引データの保存」(2023年12月)
税理士の求人は仕事を探す人の2倍以上ある
厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)によると、ハローワークでの税理士の有効求人倍率は2.38倍でした(2025年度、全国)。仕事を探す人1人に対して、2件以上の求人がある状態です。
この数字はハローワークに出された求人だけのものですが、事務所の人手が足りていない状況を表しています。
AIの出力を確認して最終的な責任を負うのは税理士
日税連のガイドラインは、AIを使うことを前提にしたうえで、最終的な判断と責任は税理士にあるという立場をとっています。税理士法でも、税理士でない人が税理士業務を行うことは禁止されています。
2022年4月には税理士法が改正され、税理士は電子的な方法を積極的に使って納税者の利便を高めるよう努めることが定められました。AIやデジタルの道具を使いこなすことは、税理士に期待される役割の一部になっています。
AI時代に需要が高まりやすい税理士の専門分野と働き方
定型業務が減るほど、判断や相談を伴う分野の比重は大きくなります。今後、需要が高まりやすい分野と働き方は次のとおりです。
相続・事業承継などの資産税
相続税の申告は増え続けています。国税庁によると、2024年に亡くなった人のうち相続税の課税対象になった人の割合は10.4%で、前年の9.9%から上がりました。課税対象になった人は166,730人で、前年より7.1%増えています。
相続税の申告の86.5%には税理士が関わっています。財産の評価や遺産の分け方は家族ごとに事情が違うため、経験のある税理士が求められやすい分野です。
※ 出典:国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」(2025年12月)
国際税務や組織再編など大企業向けの法人税務
海外との取引に関わる国際税務や、会社の合併・分割に関わる組織再編は、法令の解釈が複雑で、1件ごとに判断が求められる分野です。こうした案件を多く扱うのは、BIG4と呼ばれる大手の税理士法人(デロイト トーマツ税理士法人、PwC税理士法人、EY税理士法人、KPMG税理士法人)や、大企業を顧客に持つ税理士法人です。
英語での対応や、会計・法務の知識もあわせて求められますが、そのぶん担える人は限られます。
働く場所ごとの年収の違いは、税理士の年収はいくら?で比べています。
月次決算や資金繰りを支える経営支援
記帳が自動化されると、税理士は帳簿をつける時間を、数字を読んで助言する時間に回せるようになります。毎月の試算表から資金繰りの見通しを伝えたり、融資や事業計画の相談に乗ったりする仕事です。
顧問先の経営者にとっては、数字の意味を説明してくれる相手としての価値は、これまで以上に大きくなるでしょう。
AIやクラウド会計を業務に取り入れた事務所で経験を積む
AIを使いこなせるかどうかは、事務所によって差があります。ミロク情報サービスの調査では、会計事務所の70%で生成AIの使い方に関する社内ルールがまだ整っていませんでした。
クラウド会計やAIを業務に取り入れ、使い方のルールまで決めている事務所で働けば、AIを使う側としての経験を早くから積めます。今後の転職でも、こうした経験は評価されやすいでしょう。
受験生・科目合格者・勤務税理士の立場別に見る将来への備え方
AIで減りやすい業務が今の仕事にどれだけ含まれているかは、立場によって違います。備え方も、立場ごとに変わります。
これから税理士を目指す人は資格を取る価値を先に確かめよう
税理士試験の受験者は5年連続で増えています。ただ、2025年の受験者は36,320人で、そのうち5科目の合格に到達した人は527人でした。
AIで仕事がなくなるかどうかよりも、勉強にかける年数と、合格後に得られる働き方や年収が自分に見合うかを先に考えておきましょう。
試験の労力に年収が見合うかは税理士は割に合わない?、年収の相場は税理士の年収はいくら?で解説しています。
科目合格者や税理士補助は記帳以外の業務経験を増やそう
記帳や入力は、AIで最も減りやすい業務です。今の職場で記帳だけを担当しているなら、申告書の作成や顧問先との打ち合わせなど、判断を伴う仕事にも関われるよう相談してみましょう。
職場で機会がない場合は、科目合格者でも申告業務を任せてもらえる事務所に移る方法もあります。
科目合格者の評価は税理士の科目合格で転職できる?、補助スタッフの仕事は税理士補助とは?で紹介しています。
勤務税理士は専門分野と職場の規模で将来の伸びを見直そう
勤務税理士は、資産税や国際税務など、判断を伴う分野の経験をどれだけ持っているかが将来の選択肢を左右します。今の事務所で専門分野の案件に関われるか、AIやクラウド会計の活用が進んでいるかを見直してみましょう。
職場の規模によって、扱う案件や年収の上がり方も変わります。
事務所の規模ごとの年収は、税理士事務所の年収はいくら?に表でまとめています。
AI活用が進んだ職場へ税理士が転職するときの進め方
将来性を考えて職場を変えるなら、AIやクラウド会計の活用度合いと、任される業務の範囲を確認しておくことが大切です。
AIやクラウド会計の導入が進んだ事務所を求人と面接で見分ける
全国の税理士事務所の88.2%は、従業者が10人未満の小さな事務所です。事務所ごとに設備や仕事の進め方は大きく違うため、求人票と面接で次の点を確認しましょう。
| 確認すること | 良いサイン | 危険サイン |
|---|---|---|
| 会計ソフト | クラウド会計を使い、自動仕訳を取り入れている | 紙の資料からの手入力が中心 |
| AIの使い方 | 事務所の利用ルールがあり、入力してよい情報が決まっている | ルールがないまま、個人の判断で使っている |
| 任される業務 | 申告書の作成や顧問先との打ち合わせに関われる | 入社後も記帳・入力だけが続く |
| 専門分野 | 資産税・国際税務などの案件がある | 扱う案件の種類を説明できない |
※ 事務所数の割合の出典:総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」第7-1表(最新版)
面接では、次のような質問をすると事務所の実態をつかみやすくなります。
- 会計ソフトは何を使っていて、顧問先の何割がクラウド会計ですか?
- 生成AIを業務で使う際のルールはありますか?
- 入社1年目で、申告書の作成や顧問先対応はどこまで任されますか?
答えがあいまいな場合や、「入ってから覚えればいい」とだけ返ってくる場合は、入社後も記帳だけを任される可能性があります。
働きにくい事務所の見分け方は、税理士事務所はやめとけと言われる理由で紹介しています。
専門分野の求人を紹介できる税理士向け転職エージェントの選び方
事務所の設備や仕事の進め方は、求人票だけではわかりません。会計業界に特化した転職エージェントなら、事務所の内情や、過去に転職した人がどんな仕事を任されたかを聞ける場合があります。エージェントを選ぶときは、次の3点を見ておくと比べやすくなります。
- 資産税・国際税務など、専門分野の求人を扱っているか
- 担当者が、事務所ごとのAI・クラウド会計の活用状況を把握しているか
- 任される業務の範囲や、入社後の育成方針まで確認してくれるか
税理士の転職に対応したエージェントの特徴や違いは、税理士に強い転職エージェントの比較にまとめました。各エージェントの評判は、次の記事で紹介しています。
税理士の将来性でよくある質問
なくなる仕事のランキング、公認会計士やほかの士業との比較、年収への影響、使われているAIツールについて、よく出る疑問に答えます。
将来なくなる仕事ランキングで税理士は何位?
税理士の順位を示した公的なランキングはありません。よく引用される野村総合研究所の2015年の研究は、代替可能性が高い100種の職業を50音順で並べたもので、順位をつけた一覧ではないためです。この100種に、税理士は入っていません。「税理士92.5%」は2017年に日本経済新聞が報じた数字で、野村総合研究所が公表した資料には職業ごとの確率は載っていません。
税理士と公認会計士はどちらが将来性がある?
どちらの将来性が高いかを示す統計はありません。公認会計士の独占業務は会社の決算書の監査、税理士の独占業務は税務代理や申告書の作成で、担う役割が違います。公認会計士は、税理士として登録して税務の仕事をすることも可能です。公認会計士の転職先は、公認会計士向け転職エージェントの比較で取り上げています。
社労士や司法書士と比べて税理士の将来性は?
資格ごとの将来性を同じ条件で比べた統計はありません。社会保険労務士は労務・社会保険、司法書士は登記と、それぞれ独占業務の範囲が違います。税理士は、法人の申告の約9割に関わっている点が特徴です。
AIの普及で税理士の年収は下がる?
年収が下がるかどうかは、現時点では言い切れません。記帳などの単価の低い作業はAIで減る可能性がありますが、相続や国際税務など判断を伴う業務の比重が高まれば、年収が上がる人もいると考えられます。年収の相場は税理士の年収はいくら?にまとめています。
税理士の仕事にはどんなAIツールが使われている?
主に、銀行やカードの明細から仕訳を作る会計ソフトの自動仕訳、領収書や請求書を読み取るOCR(文字の読み取り)、文章の作成や調べものに使う生成AIの3種類です。どのツールを使う場合も、顧客の情報をどこまで入力してよいかを事務所で決めておく必要があります。
税理士の将来性を考えるために次にやること
税理士という職業がAIですぐになくなる見込みは低い一方で、記帳や入力などの作業は減っていくと考えられます。将来に向けて、次の3点を確認しましょう。
- 今の仕事の中身
- 記帳や入力が中心なら、申告書の作成や顧問先対応など判断を伴う業務を増やしましょう
- 伸ばしたい専門分野
- 相続税の課税割合は10.4%に上がっており、資産税は需要が高まりやすい分野です
- 職場のAI活用度合い
- 会計事務所の70%はAIの社内ルールがまだありません。使いこなす側に回れる職場かを見直しましょう
今の職場で将来に備えられるか不安な人は、税理士に強い転職エージェントの比較から、相談先を探してみてください。
※本記事の数値は2026年10月28日時点で確認したものです。統計や調査は更新されることがあるため、最新の情報は各出典をご確認ください。AIによる業務の変化に関する記述は、公表データをもとにした予測です。
参考文献・出典
- 野村総合研究所「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に」(2015年12月2日)
- 日本経済新聞「AI時代のサムライ業(上)」(2017年9月25日朝刊)
- ミロク情報サービス「会計事務所白書2026 生成AIの導入・活用に関する実態調査 第3弾」
- 四国税理士会「税理士事務所のためのAI・クラウド活用ガイドライン」の策定について
- 国税庁「税理士制度Q&A 問6-1」
- 東京税理士会「令和4年度税制改正(税理士法)」
- 国税庁「令和7年度におけるオンライン(e-Tax)手続の利用状況等について」
- 財務省「令和6事務年度 国税庁実績評価書」
- 中小企業庁「中小企業・小規模事業者の数(2021年6月時点)の集計結果」
- 国税庁「令和6年度分 会社標本調査」
- 国税庁 統計年報「20-7 税理士」
- 日本税理士会連合会「税理士になろう」
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「税理士」
- 財務省 広報誌「ファイナンス」2026年8月号
- 東京税理士会「電子取引データの保存」
- 国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」
- 総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」第7-1表


