税理士の年収はいくら?平均年収の現実と年齢・働き方による違い

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税理士の年収はいくら?年齢・働き方別の現実

税理士の年収はいくらなのでしょうか?

厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」では、公認会計士と税理士をあわせた平均年収は810.8万円でした。同じ調査の全産業の平均545.6万円と比べると、約1.5倍です。

ただし、この数字は従業員10人以上の企業に雇われている人だけの平均です。開業している税理士や、数人で運営する事務所で働く税理士は含まれていません。税理士の年収は、年齢や経験、どこでどう働くかによって大きく変わります。

この記事でわかること
  • 統計で見る税理士の平均年収と中央値
  • 平均年収の統計に含まれない税理士
  • 年齢・経験年数・男女で変わる税理士の年収
  • 勤務税理士・社員税理士・開業税理士の年収の違い
  • 税理士の年収が伸びにくいケースと年収を上げる方法
目次

税理士の平均年収はいくら?統計で見る相場と中央値

税理士の年収を知るうえで基準になるのは、厚生労働省が毎年公表している賃金構造基本統計調査です。

ただし、この調査では公認会計士と税理士が1つの職種としてまとめて集計されており、税理士だけの数値はありません。

賃金構造基本統計調査で見る税理士の平均年収

令和7年の調査では、「公認会計士,税理士」の平均年収は810.8万円でした。年収は、残業代を含めて毎月支払われる給与(きまって支給する現金給与額)を12倍し、1年間の賞与を足して計算しています。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)の「税理士」のページに載っている年収も、同じ計算方法による値です。

項目公認会計士,税理士
毎月の給与(残業代を含む)57.13万円
1年間の賞与125.25万円
年収(毎月の給与×12+賞与)810.8万円
平均年齢42.2歳
平均勤続年数8.5年
1か月の残業時間7時間

※ 出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種別第1表(一般労働者、企業規模10人以上、男女計)

会社員の平均と同じ条件で比べた税理士の年収

同じ調査で、全産業で働く人の平均年収は545.6万円でした。税理士・公認会計士はこれより265.3万円高く、約1.5倍の水準です。平均年齢は全産業の44.4歳に対して42.2歳で、税理士・公認会計士のほうが2歳ほど若いにもかかわらず、年収は高くなっています。

税理士・公認会計士と全産業の平均年収

一般労働者・企業規模10人以上・男女計(令和7年)

公認会計士,税理士
810.8万円
全産業の平均
545.6万円

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」。年収は毎月の給与×12+年間賞与で計算

国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」の平均給与487万円と比べる方法もあります。ただし、こちらはパートや契約社員などを含めた平均です。正社員だけに絞ると559万円になります。税理士の年収と比べるときは、対象の条件がそろっている賃金構造基本統計調査の全産業平均を使うほうが、差を正しくつかめます。

※ 出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」産業別第1表(民営事業所、一般労働者、企業規模10人以上)、国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」(2026年9月29日公表)

税理士の給与の中央値と平均との差

平均は、一部の高い年収の人に引っぱられて高めに出ます。賃金構造基本統計調査では、残業代を含まない基本の月給(所定内給与)について、人数のちょうど真ん中にあたる中央値も公表されています。

公認会計士,税理士の所定内給与の中央値は43.41万円で、平均の53.37万円より約10万円低い結果でした。上位10%の人は月77.65万円以上、下位10%の人は月28.93万円以下で、同じ職種の中でも2.7倍ほどの開きがあります。年収の中央値は公表されていませんが、平均の810.8万円より低い水準にあると考えられます。

公認会計士,税理士の基本の月給の分布

所定内給与額(残業代・賞与を含まない月額)・令和7年

下位10%の境目
28.93万円
下位25%の境目
34.43万円
中央値
43.41万円
平均
53.37万円
上位25%の境目
59.33万円
上位10%の境目
77.65万円

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種別第17表-1(分布特性値)

民間の調査も参考になります。転職エージェントのアカウントエージェントが税理士資格を持つ354名に聞いた調査(2026年5月)では、現在の年収が500万円未満の人は45.8%、600万円以上の人は28.8%でした。最も多かったのは500〜600万円未満(25.4%)です。ただし回答者は20代と30代が合わせて48.0%で、税理士登録者全体(20〜30代は6.4%)よりも若い人に偏っています。

※ 出典:アカウントエージェント「税理士の転職に関する実態調査【2026年5月】」(インターネット調査、2026年5月2〜10日)、日本税理士会連合会「税理士になろう」(登録者の年齢は2026年4月末)

平均年収の統計に含まれない開業税理士と小規模事務所の勤務者

賃金構造基本統計調査が平均年収の対象にしている「公認会計士,税理士」は、推計で約2万7千人です。この中には監査法人などで働く公認会計士も含まれます。一方、税理士として登録している人は82,682人います(2026年9月末)。統計の平均年収は、税理士全体の一部の数字にすぎません。

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統計の条件平均810.8万円に含まれる人含まれない人
職種公認会計士と税理士(合算)税理士だけの数値は出ない
企業の規模従業員10人以上の企業従業員10人未満の税理士事務所
働き方雇われて働く人開業税理士、税理士法人の社員税理士(役員)

特に影響が大きいのが、事務所の規模です。経済センサス(2021年)によると、全国の税理士事務所28,244か所のうち、従業者1〜4人の事務所が17,543か所で62.1%を占めていました。5〜9人の事務所を合わせると、10人未満の事務所は88.2%にのぼります。

従業者の規模別に見た税理士事務所の数

全国28,244か所(2021年)

1〜4人
17,543か所
5〜9人
7,356か所
10〜19人
2,534か所
20〜29人
473か所
30〜49人
239か所
50人以上
87か所

出典:総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」第7-1表(産業小分類「税理士事務所」)

経済センサスは事業所単位、賃金構造基本統計調査は企業単位の集計なので厳密には一致しませんが、税理士事務所の多くが統計の対象外にあることは確かです。

※ 出典:日本税理士会連合会「税理士登録者数」(令和8年9月末日現在)、総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」

年齢・経験年数・男女で変わる税理士の年収

税理士・公認会計士の年収は、年齢と経験年数に沿って上がります。男女の差もあり、その一部は平均年齢や勤続年数の違いで説明できます。

年齢別に見た税理士の年収

30歳前後なら600〜680万円台、40代後半で1,000万円に近づく水準です。40代までは年齢とともに上がり、60代に入ると下がります。

年齢別に見た公認会計士,税理士の年収

男女計・企業規模10人以上・令和7年(万円)。横軸は5歳ごとの年齢層の下限

0 400 800 1,200
482
603
683
767
891
996
909
1,248
677
608
20〜25〜30〜35〜40〜45〜50〜55〜60〜65〜

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種別第5表。年収は毎月の給与×12+年間賞与。55〜59歳(灰色)は対象者が少なく参考値

55〜59歳の1,247.7万円は、従業員10〜99人の企業で働く人の高い値が平均を押し上げた結果です。この年齢層は対象者が少なく、年によって数値が大きく動くため、参考値です。

年齢と転職のしやすさについては、税理士の転職と年齢の関係で詳しく紹介しています。

経験年数別に見た税理士の年収と1年目の目安

今の職場での経験年数で見ると、年収の上がり方がよりはっきりします。

経験年数別に見た公認会計士,税理士の年収

男女計・企業規模10人以上・令和7年

0年
526.6万円
1〜4年
584.4万円
5〜9年
683.8万円
10〜14年
816.9万円
15年以上
1,015.9万円

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種別第14表。この表は残業代を含む月給を公表していないため、基本の月給(所定内給与)×12+年間賞与で計算

経験0年の年収は526.6万円で、15年以上になると1,015.9万円と約2倍になりました。ただし0年の中には、監査法人に入ったばかりの公認会計士や、他の職場で経験を積んでから転職してきた人も含まれます。

女性税理士の年収は男性より低い?平均年齢と勤続年数の違い

令和7年の調査では、男性の年収が851.1万円、女性が691.0万円で、約160万円の差がありました。

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項目男性女性
年収851.1万円691.0万円
平均年齢41.5歳44.0歳
平均勤続年数9.0年6.9年

※ 出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種別第1表(公認会計士,税理士、企業規模10人以上)

女性は平均年齢が2.5歳高い一方で、勤続年数は2.1年短くなっています。同じ職場で長く働いた人ほど年収が上がるため、勤続年数の短さは年収の差の一因と考えられます。

年代別に見ると、差は30代前半で最も大きくなりました。30〜34歳では男性735.8万円に対して女性521.7万円ですが、40〜44歳では男性908.8万円、女性833.1万円と差が縮まります。出産や育児の時期に働き方を変える人がいることも、影響していると考えられます。

男女・年齢別に見た公認会計士,税理士の年収

企業規模10人以上・令和7年(万円)

男性女性
男性女性
25〜29歳
623
538
30〜34歳
736
522
35〜39歳
808
656
40〜44歳
909
833
45〜49歳
1022
904

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種別第7表。年収は毎月の給与×12+年間賞与

女性の税理士は2026年4月末で13,291人と、登録者の16.1%を占めます。2005年度末の7,961人から増え続けています。

※ 出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種別第7表、日本税理士会連合会「税理士になろう」(2026年6月)

勤務税理士・社員税理士・開業税理士の年収の違い

税理士の登録には、開業税理士・社員税理士・所属税理士の3つの区分があります。

統計で年収がわかるのは雇われて働く税理士だけで、社員税理士と開業税理士には年収を示す公的な統計がありません。

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区分働き方年収を示す公的統計
所属税理士税理士事務所や税理士法人に雇われて働く賃金構造基本統計調査(公認会計士と合算、10人以上の企業)
社員税理士税理士法人の出資者で、役員にあたるなし
開業税理士自分の事務所を経営するなし(事務所の売上は経済センサスでわかる)

税理士事務所・税理士法人に勤める所属税理士の年収

所属税理士の年収に最も近いのが、賃金構造基本統計調査の平均810.8万円です。年齢と経験年数に応じて上がります。

ただし、従業員10人未満の事務所で働く税理士は統計に入っていません。所長と数名の職員で運営する事務所では、給与の決め方が所長の方針に左右されやすく、平均と同じ水準になるとは限りません。今の年収を比べるときは、自分の事務所の規模も考えに入れましょう。

無資格のスタッフや科目合格者も含めた税理士事務所の年収相場は、税理士事務所の年収はいくら?で紹介しています。

大手と中小で税理士の年収は違う?企業規模別の平均と年齢

企業規模別に見ると、平均年収そのものに大きな差はありませんでした。違いが大きいのは、平均年齢と賞与です。

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企業規模年収平均年齢勤続年数賞与1か月の残業
1,000人以上800.1万円35.5歳8.3年176.2万円10時間
100〜999人828.3万円39.1歳5.4年145.3万円13時間
10〜99人808.7万円46.4歳9.7年94.0万円4時間

※ 出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種別第1表(公認会計士,税理士、男女計)

1,000人以上の企業は、10〜99人の企業より平均年齢が11歳ほど若いのに、年収はほぼ同じです。若い人が多くても平均が下がらないことから、大手は若いうちの年収が比較的高い職場だとうかがえます。賞与も1,000人以上では176.2万円と、10〜99人の94.0万円の2倍近くありました。

一方、10〜99人の企業は残業が月4時間と少なく、平均年齢が高いこともあって基本の月給は高めです。大手は賞与と残業代の割合が大きく、業績や繁忙期の働き方で年収が変わりやすいと言えます。

税理士法人の社員税理士の年収

社員税理士とは、税理士法人に出資し、法人の経営に責任を持つ税理士のことです。一般の会社でいう役員にあたり、受け取るのは給与ではなく役員報酬で、額は法人ごとに決められます。

役員報酬は賃金構造基本統計調査の対象外のため、社員税理士の年収を示す公的な統計はありません。日本税理士会連合会は2024年4月に第7回税理士実態調査を行い、38,607件の回答を集めましたが、報告書は会員向けに限られています。

開業税理士の年収と事務所の売上規模

開業税理士の年収は、事務所の売上から職員の給与や家賃などの経費を払った残りです。開業税理士の所得を示す公的な統計はありませんが、事務所の売上規模は経済センサスでわかります。

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従業者の規模事務所数1事務所あたりの売上
1〜4人17,543か所2,087万円
5〜9人7,356か所5,553万円
10〜19人2,534か所1億3,008万円
全体28,244か所4,926万円

※ 出典:総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」第7-1表(産業小分類「税理士事務所」)

最も多い1〜4人の事務所でも、1か所あたりの売上は2,087万円でした。ただし、この売上から職員の給与や事務所の家賃、システムの費用などを払うため、売上がそのまま所長の年収になるわけではありません。顧問先の数と1件あたりの顧問料によって、開業税理士の年収は勤務時代を大きく上回ることも、下回ることもあります。

税理士の年収は低い?年収が伸びにくい3つのケース

統計の平均は全産業より高いのに「税理士は年収が低い」と言われるのは、次の3つのケースで年収が伸びにくいためです。

資格取得までに年数がかかり科目合格中は年収が上がりにくい

税理士試験は、11科目のうち5科目に合格する必要があります。令和7年度の試験では、受験者36,320人のうち5科目に到達した人は527人でした。41歳以上の受験者も11,632人いて、働きながら長い期間をかけて合格を目指す人が多い試験です。

試験の勉強をしている間は、残業の少ない職場を選んだり、勤務時間を抑えたりする人もいます。そのため科目合格の段階では、年収が上がりにくい時期が続きやすくなります。

※ 出典:国税庁「令和7年度(第75回)税理士試験結果」(2025年11月28日)

科目合格がどう評価されるかは税理士の科目合格で転職できる?、試験に挑戦するかどうかの判断は税理士は割に合わない?で紹介しています。

記帳代行や補助業務が中心の事務所では昇給幅が小さい

事務所が職員に払える給与は、事務所の売上に左右されます。経済センサスでは、従業者1人あたりの売上が1〜4人の事務所で888万円、50人以上の事務所で1,266万円でした。

記帳代行や申告書の作成が仕事の中心で、顧問料が低い事務所では、1人あたりの売上が増えにくくなります。経験を積んでも担当する業務が変わらなければ、昇給の幅も小さくなりがちです。

働きにくい事務所の見分け方は、税理士事務所はやめとけと言われる理由で紹介しています。

開業直後は顧問先が少なく収入が安定しない

独立したばかりの開業税理士は、顧問先が少ない状態から始まります。顧問料は毎月入る収入ですが、顧問先が増えるまでは事務所の家賃やシステムの費用が先にかかります。

開業から数年は、勤務税理士だった頃より年収が下がることもあります。独立を考えるなら、開業前に見込める顧問先の数と、生活費を何か月分用意しておくかを決めておきましょう。

税理士が年収を上げる4つの方法

税理士の年収は、担当する業務の単価と働く場所によって大きく変わります。年収を上げる方法は、主に次の4つです。

法人税・資産税・国際税務など専門分野を持つ

相続や事業承継を扱う資産税、海外との取引に関わる国際税務、会社の合併や分割に関わる組織再編などは、1件あたりの報酬が高い分野です。記帳や申告書の作成に比べて、判断の難しい仕事が多い分野です。

こうした分野の経験は、事務所の中での評価だけでなく、転職のときにも年収の交渉材料になります。今の事務所で関われる機会がないなら、専門分野を持つ事務所や法人に移ることも選択肢です。

規模の大きい税理士法人やBIG4に移る

賃金構造基本統計調査では、1,000人以上の企業の平均年齢は35.5歳と若いにもかかわらず、平均年収は800.1万円でした。賞与も176.2万円と、10〜99人の企業の2倍近くあります。

企業規模別に見た公認会計士,税理士の年間賞与

男女計・令和7年(カッコ内は平均年齢)

1,000人以上(35.5歳)
176.2万円
100〜999人(39.1歳)
145.3万円
10〜99人(46.4歳)
94.0万円

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種別第1表

BIG4と呼ばれる大手の税理士法人や、職員数百人規模の税理士法人は、評価制度と役職ごとの給与が決まっていることが多く、若いうちから年収を上げやすい環境です。一方で、大企業や海外案件を担当するため、繁忙期の残業や英語力が求められる場面もあります。

社員税理士への昇格や独立開業を目指す

税理士法人の社員税理士になる、または独立して自分の事務所を開くと、年収の上限は広がります。社員税理士は法人の業績、開業税理士は顧問先の数と単価によって、勤務税理士の水準を大きく超えることもあります。

ただし、どちらも年収の相場を示す公的な統計はなく、収入の幅は人によって大きく異なります。社員税理士は法人の経営責任を負い、開業税理士は事務所の経費を自分で負担する点も考えておきましょう。

事業会社の税務部門やコンサルティングファームに移る

税理士の資格を活かして、事業会社の経理・税務部門やコンサルティングファームに移る道もあります。事業会社では、自社の税務申告やグループ会社の税務管理を担当します。コンサルティングファームでは、税務を入り口に、M&Aや事業再編の支援に関わる仕事が中心です。

大企業の税務部門やコンサルティングファームでは、事務所勤務より年収が上がることがあります。一方で、事業会社に移ると年収が下がるケースもあるため、提示された年収と仕事の範囲を比べて判断しましょう。

事業会社の経理部への転職については、経理部への転職は難しい?で紹介しています。

年収アップを目的に税理士が転職するときの進め方

年収を上げる方法のうち、すぐに動けるのが転職です。年収が上がりやすい条件を知ったうえで、求人を比べましょう。

転職で年収が上がりやすい人と下がりやすい人

アカウントエージェントの調査では、税理士資格を持つ転職経験者270名のうち、直近の転職で年収が増えた人は82.2%でした。50万円以上増えた人が63.0%を占め、減った人は6.7%にとどまっています。転職のきっかけで最も多かったのも「年収・待遇への不満」(46.9%)でした。

厚生労働省「令和7年雇用動向調査」では、全職種の転職で賃金が増えた人は40.8%、減った人は31.0%でした。調査の対象や方法が異なるため単純には比べられませんが、税理士の転職では年収が上がった人の割合が高い結果でした。

転職で年収が上がりやすいのは、次のような人です。

  • 資産税・国際税務・組織再編など、専門分野の経験がある人
  • 小規模な事務所から、評価制度の整った中堅・大手の税理士法人に移る人
  • 担当件数や担当した業務を、具体的な数字で説明できる人

反対に、試験勉強のために残業の少ない職場へ移る場合や、未経験の業界の事業会社へ移る場合は、年収が下がることもあります。年収だけでなく、賞与・残業代・資格手当を含めた金額で比べましょう。

※ 出典:アカウントエージェント「税理士の転職に関する実態調査【2026年5月】」(対象は税理士資格保有者、転職経験者270名)、厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」表6(2026年8月31日)

年収交渉まで任せられる税理士向け転職エージェントの選び方

転職エージェントは、求人の紹介だけでなく、面接の日程調整や年収の交渉も代わりに行います。税理士の転職でエージェントを選ぶときは、次の3点を確認しましょう。

  • 会計事務所・税理士法人の求人をどのくらい扱っているか
  • 担当者が税務の業務内容や事務所ごとの評価制度を理解しているか
  • 年収の交渉や、求人票にない残業・賞与の実績を確認してくれるか

1社だけでは紹介される求人に偏りが出るため、会計業界に特化したエージェントを中心に2〜3社に登録して比べる方法もあります。

税理士向け転職エージェントを比べる

税理士の転職に対応したエージェントの特徴や違いは、税理士に強い転職エージェントの比較にまとめました。各エージェントの評判は、次の記事で紹介しています。

税理士の年収でよくある質問

公認会計士との比較、AIの影響、働ける年齢、求人の年収、時短勤務について、よく出る疑問に答えます。

税理士と公認会計士はどちらが稼げる?

賃金構造基本統計調査では公認会計士と税理士が1つの職種として集計されているため、統計でどちらが高いかを比べることはできません。公認会計士は税理士として登録することもでき、税理士登録者のうち公認会計士の資格で登録した人は11,882人います(2026年3月末)。監査法人で監査を担当するか、税理士事務所や税理士法人で税務を担当するかによって、年収の上がり方は変わります。

AIの普及で税理士の年収は下がる?

年収が下がるかどうかは、現時点では言い切れません。ミロク情報サービスの調査では、会計事務所で生成AIを使っている人の割合は2026年度に75%となり、2024年度の39%から大きく増えました。記帳や入力の作業は今後も減っていく可能性があります。一方で、顧問先からの相談への対応や、税務の判断を伴う仕事は、引き続き税理士が担う場面が多いと考えられます。

税理士は何歳まで働ける?

開業税理士には定年がなく、高い年齢まで働く人が多い職業です。2026年4月末の税理士登録者のうち、60歳以上は51.6%を占め、70代が22.3%、80歳以上も7.6%いました。雇われて働く場合も、賃金構造基本統計調査では65〜69歳の平均年収が607.5万円でした。

税理士の求人の年収はどのくらい?

厚生労働省のjob tagによると、ハローワークに出された税理士の求人の賃金は月34.7万円でした(2025年度、全国)。有効求人倍率は2.38倍で、仕事を探す人1人に対して2件以上の求人があります。民間の転職エージェントでは、経験や専門分野に応じてより高い年収の求人も扱っています。

パートや時短勤務の税理士の年収は?

job tagによると、短時間で働く税理士の1時間あたりの賃金は2,338円でした(残業代と賞与を含まない)。たとえば1日6時間・月15日働くと、計算上の月収は21.0万円ほどになります。

税理士の年収を上げるために次にやること

税理士の平均年収は統計上810.8万円ですが、これは公認会計士を含む、従業員10人以上の企業で働く人の数字です。自分の年収を比べるときは、次の3点を確認しましょう。

  • 年齢と経験年数
    • 30〜34歳は682.5万円、45〜49歳は995.8万円です。自分の年代の水準と比べましょう
  • 働いている事務所の規模
    • 税理士事務所の62.1%は従業者1〜4人で、統計の対象外です。小規模の事務所では平均と同じになるとは限りません
  • 担当している業務
    • 資産税や国際税務などの専門分野は、年収を上げる材料になります
税理士向け転職エージェントを比べる

今の年収が自分の経験に見合っているか確かめたい人は、税理士に強い転職エージェントの比較から、相談先を探してみてください。

※本記事の数値は2026年10月16日時点で確認したものです。統計や調査は更新されることがあるため、最新の情報は各出典をご確認ください。

参考文献・出典

この記事を書いた人

アドバイザーナビが運営する「税むすび」では会計士・税理士関連の情報を発信しています。これまでアドバイザーナビは「資産運用ナビ」を中心に適切なプロフェッショナルのプラットフォームを構築してきました。税理士紹介ナビでは、税理士へのインタビュー・アンケート調査などを通じて、税理士や税金にまつわる情報発信をしていきます。

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