会計事務所や税理士法人に出す職務経歴書は、事業会社向けと同じ書き方では強みが伝わりにくくなります。応募先が知りたいのは、記帳から申告までのどこを任せられるか、何件の顧問先を担当できるかだからです。
会計事務所に特化した求人サイトで、経験者を優遇する正社員の求人30件を調べると、25件が応募の際に職務経歴書の提出を求めていました。一方で、仕事内容に担当件数を書いていた求人は1件だけでした。件数や担当範囲は、応募する側が自分から書いて伝える必要があります。
この記事では、会計事務所に出す職務経歴書の項目と書き方を、税理士補助・科目合格者、税理士、未経験者の記入例とあわせて紹介します。
- 会計事務所の職務経歴書に書く項目と応募先が確かめたいこと
- 担当件数・税目・関与の度合い・会計ソフトの書き方
- 科目合格や受験中の科目の書き方
- 税理士補助・科目合格者・税理士・未経験者別の記入例
- 提出前に見直したいところ
税理士・会計事務所の職務経歴書に書く項目と採用担当者が見るポイント
職務経歴書には決まった様式がありません。厚生労働省とハローワークの資料でも、様式は自由とされています。そのぶん、何をどの順番で書くかで伝わり方が変わります。
会計事務所の採用担当者が職務経歴書で確かめるのは「どこまで任せられるか」
会計事務所の求人票では、仕事内容が「申告書の作成」「巡回」(顧問先を訪ねて帳簿や資料を確かめる仕事)「記帳」のような業務名で書かれています。会計事務所の求人サイト「会計求人プラス」の正社員・経験者優遇の求人30件(2026年10月30日時点)で、仕事内容と応募条件に出てくる業務を数えると、次のとおりでした。
| 求人に出てくる業務・条件 | 求人の件数(30件中) |
|---|---|
| 会計事務所での実務経験 | 21件 |
| 申告書の作成 | 19件 |
| 巡回・訪問 | 19件 |
| 記帳・仕訳 | 17件 |
| 税理士試験の科目合格 | 16件 |
| 相続税・資産税 | 16件 |
| 法人税・法人の決算 | 14件 |
| 所得税・確定申告 | 14件 |
| 年末調整・給与計算 | 11件 |
| 組織再編・M&A・事業承継・国際税務 | 8件 |
※ 出典:会計求人プラス「【正社員】経験者優遇」の新着順の求人30件(18事務所、同じ事務所の複数の求人を含む。2026年10月30日時点)を税むすび編集部が集計
同じ30件で求める経験年数は、「1年以上」が10件、「2年以上」が13件、「5年以上」が5件などでした。応募先は、求人に挙げた業務のどれを1人でどこまでこなせるかを、経験年数とあわせて職務経歴書から読み取ります。
事業会社の経理向けの職務経歴書は、1つの会社の決算をどこまで担当したかが中心です。会計事務所向けでは、顧問先の件数・業種・規模、担当した税目、記帳から申告までの関わり方を書く点が違います。
税理士の職務経歴書は職務要約・職務経歴・資格・PCスキル・自己PRの順に書く
ハローワークの資料では、職務経歴書に必ず入れる項目を「標題」「氏名」「日付」「職務経歴」とし、全体で3〜6項目ほどが一般的としています。会計事務所向けでは、次の5項目をこの順に書くと、応募先が知りたいことを上から読めます。
| 項目 | 書くこと | 分量の目安 |
|---|---|---|
| 職務要約 | 経験年数、勤務先の種類(個人事務所・税理士法人など)、担当件数、主な業務 | 3〜5行(100〜200字程度) |
| 職務経歴 | 勤務先ごとの在籍期間・雇用形態・職員数、担当件数・業種・規模、税目、関与の度合い | 経歴の長さに合わせる |
| 資格 | 税理士試験の合格科目と合格年、受験中の科目、簿記など | 1行に1つ |
| PCスキル | 会計ソフト・税務ソフトの名前、Excelでできること | 3〜5行 |
| 自己PR | 担当業務の実績を数字で示す | 200〜500字程度 |
※ 分量の目安は、税理士・科目合格者向けの転職エージェントのマイナビ税理士「税理士の職務経歴書、どう書いたらいい?」(2026年3月27日更新)の記載による
志望動機の欄は必須ではありません。書く場合は、自己PRの後に短く置きます。
職務経歴書の枚数とレイアウト(編年体・逆編年体)の決め方
枚数の目安は、ハローワークの資料がA4で1〜2枚程度、マイナビ税理士がA4で2〜3枚です。会計事務所の経験が短い人は1〜2枚、顧問先や業務が多い人でも3枚までに収めると、読み手の負担が少なくなります。
経歴の並べ方は、主に3つあります。
- 編年体:古い経歴から順に書く。ハローワークの資料は、迷ったときはこの形をすすめている
- 逆編年体:新しい経歴から順に書く。直近の勤務先が会計事務所の人は、その経験を先に読んでもらえる
- キャリア式:法人税務・資産税など、業務の種類ごとにまとめる。時系列がわかりにくくなるため、略歴を別に付ける
年号は和暦か西暦のどちらかにそろえ、事務所名や資格名は正式名称で書きます。
顧問先の会社名を書かないのは税理士法の守秘義務があるため
職務経歴書には、担当した顧問先の会社名を書きません。税理士法は、税理士が業務で知った秘密を漏らすことを禁じています(第38条)。税理士の事務所や税理士法人で働く職員にも、同じ義務があります(第54条)。資格を持たない税理士補助やパートの職員も対象で、退職したあとも義務は続きます。
顧問先の名前は、業種と規模に書き換えます。
| 書かない例 | 書き換えた例 |
|---|---|
| 株式会社〇〇製作所の決算を担当 | 製造業(売上高約8億円・従業員約40名)の決算・法人税申告を担当 |
| 〇〇クリニックの院長の確定申告 | 医療(個人開業医)の所得税の確定申告を担当 |
勤務していた事務所の名前は、職歴として書いて問題ありません。
職務経歴欄の書き方(担当件数・税目・関与の度合い・会計ソフト)
職務経歴欄では、勤務先ごとに在籍期間・雇用形態・職員数を1行で書き、その下に担当件数・税目・関与の度合い・使ったソフトを並べます。
担当件数は法人・個人に分け、顧問先の業種と規模を添える
担当件数は、法人と個人に分けて書きます。法人は業種と売上高や従業員数の幅を添えると、どの規模の会社を任せられるかが伝わります。
担当件数:法人22社・個人35件(2026年10月時点)
業種:製造業6社、建設業5社、小売業4社、飲食業3社、IT・サービス業4社
規模:売上高3,000万円〜8億円、従業員3〜40名
担当が多い人は、規模の大きい順に10件ほどを挙げ、残りは総数だけにすると見やすくなります。チームで担当している場合は、チーム全体の件数と自分が主に担当した件数を分けて書きます。正確な数がわからないときは「約20社」のような概数でかまいません。
担当した税目を申告書の種類ごとに書く(法人税・消費税・所得税・相続税・年末調整)
「税務申告」とひとまとめにせず、担当した申告書の種類ごとに書きます。求人30件を見ても、法人税と所得税・確定申告はそれぞれ14件、相続税・資産税は16件が仕事内容や応募条件に挙げていました。
| 区分 | 書き方の例 |
|---|---|
| 法人 | 法人税・地方法人税・法人住民税・事業税の申告書作成(年間20社) |
| 消費税 | 消費税の申告書作成(簡易課税・原則課税) |
| 個人 | 所得税の確定申告(不動産所得・事業所得を含む、年間35件) |
| 資産税 | 相続税申告の補助(年間3件)、贈与税申告 |
| 源泉・地方税 | 年末調整(15社)、法定調書、給与支払報告書、償却資産申告 |
組織再編、事業承継、M&A、国際税務などの経験は、毎月の仕事とは分けて「その他の業務」として件数とともに書きます。求人30件のうち8件がこうした業務を挙げていました。補助として加わった案件でも、担当した範囲を書けば経験として伝わります。
関与の度合いを「記帳→試算表→申告書の作成→税理士の確認」の段階で示す
同じ「申告書の作成」でも、入力だけを担当した人と、決算整理から申告書まで1人で仕上げた人では、任せられる仕事が違います。どの段階まで担当したかを書けば、応募先は入所後に任せる仕事を決めやすくなります。
| 段階 | 担当した内容 | 職務経歴書の書き方の例 |
|---|---|---|
| 1 | 記帳 | 領収書・通帳からの仕訳入力(月20社) |
| 2 | 月次の試算表 | 月次試算表の作成と、巡回での顧問先への説明(月12社) |
| 3 | 決算・申告書の作成 | 決算整理から法人税・消費税の申告書作成まで担当し、所長税理士の確認を受けて提出 |
| 4 | 確認する側 | 後輩職員3名が作成した申告書の確認、顧問先からの税務相談への対応 |
「補助」の一語で済ませず、「〜まで担当し、税理士の確認を受けて提出」のように、どこから先を税理士が見たのかまで書きます。巡回での説明や、税務調査の立会いの補助をした経験も、この欄に入れます。
会計ソフト・税務ソフトの名前とクラウド会計の経験を書く
会計ソフトの名前を書いておくと、応募先は事務所で使っているソフトをすぐ扱えるかを判断できます。同じ求人30件の18事務所が「取り扱っている会計ソフト」に挙げたものは、次のとおりです。
| 会計ソフト | 挙げた事務所の数(18事務所中) |
|---|---|
| 弥生会計 | 14 |
| マネーフォワード クラウド | 10 |
| freee | 9 |
| TKC | 8 |
| JDL | 6 |
| ミロク・勘定奉行 | 各5 |
| 達人シリーズ(税務ソフト) | 4 |
※ 出典:会計求人プラス掲載求人の「取り扱っている会計ソフト」欄(2026年10月30日時点)を税むすび編集部が集計。複数回答
弥生会計のようなパソコンに入れるソフトと、マネーフォワード クラウドやfreeeのようなクラウド会計の両方を挙げる事務所があります。使ったことのあるソフトは、会計ソフトと税務ソフト(申告書を作るソフト)に分けて、すべて書きましょう。Excelは「VLOOKUP関数やピボットテーブルで顧問先の資料を集計」のように、できることで書くと伝わります。
資格欄・自己PR欄・志望動機欄の書き方
職務経歴以外の欄で、会計事務所向けならではの書き方が必要なのは、税理士試験の科目です。
税理士試験の科目は正式名称と合格年で書き、受験中の科目も添える
税理士試験の科目は、国税庁の名称どおりに書きます。会計学の科目は簿記論・財務諸表論、税法の科目は所得税法・法人税法・相続税法・消費税法又は酒税法・国税徴収法・住民税又は事業税・固定資産税です。「簿財合格」のような略し方は、資格欄では避けます。
2023年12月 税理士試験 簿記論 合格
2024年12月 税理士試験 財務諸表論 合格
2026年8月 税理士試験 法人税法 受験(結果待ち)
2021年6月 日商簿記検定2級 合格
税理士試験は8月に行われ、令和7年度の合格発表は2025年11月28日でした。秋に応募する人は、受験した科目を「結果待ち」と書けば、学習を続けていることが伝わります。マイナビ税理士は、勉強中の科目や、過去に受けて合格しなかった科目も書くようすすめています。
求人30件のうち16件が、仕事内容や応募条件で税理士試験の科目合格に触れていました。科目合格が転職でどう評価されるかは、税理士の科目合格で転職できる?で紹介しています。
自己PR欄は担当業務の実績を数字で示す
自己PRは200〜500字程度が目安です。「責任感があります」のような性格の説明より、担当業務でどんな成果を出したかを数字で書くと、職務経歴欄の内容を裏付けられます。
例1:担当する法人22社の決算・申告を、毎年すべて期限内に提出してきました。繁忙期の前に顧問先ごとの必要資料の一覧を作って事前に依頼し、資料の回収にかかる時間を減らしています。
例2:入力の誤りを減らすため、顧問先ごとの仕訳のルールを一覧にして事務所内で共有しました。月次の試算表を直す件数が、月10件ほどから3件ほどに減りました。
職務経歴書の志望動機欄は応募先に合わせて要点だけ書く
ハローワークの資料では、志望動機と自己PRは丁寧な文体で書いてもよいとしています。同じ資料は、応募先ごとに内容を変え、使い回さないこともすすめています。
職務経歴書に志望動機の欄を設けるなら、応募先の特徴(資産税に強い、クラウド会計を使っているなど)と自分の経験が重なる部分を2〜3文で書く程度にとどめます。履歴書にも志望動機の欄があるため、内容は矛盾しないようにそろえます。
志望動機の組み立て方と経歴別の例文は、税理士補助の志望動機はどう書く?で紹介しています。
税理士補助・科目合格者の職務経歴書の書き方と記入例
税理士補助として働いてきた人は、資格欄に書けることが少なくても、担当してきた件数と範囲で経験を伝えられます。
税理士補助の経験を書くときは繁忙期の件数と担当範囲を入れる
税理士事務所では、年末調整(源泉徴収票の提出期限は1月31日)、所得税の確定申告(3月15日まで)、3月決算の法人の申告(5月31日まで)が続く時期に仕事が集中します。この時期に何件を担当したかは、仕事量をこなせるかを示す材料になります。
- 年末調整:〇社(従業員数の合計〇名)
- 所得税の確定申告:〇件(うち不動産所得〇件)
- 3月決算の法人:〇社
あわせて、事務所が担当制かチーム制か、自分が主担当か副担当かも書きます。1人で仕上げた件数を書いておけば、担当制の事務所に応募するときに、どこまで任せられるかが伝わります。
税理士補助・科目合格者の職務経歴書の記入例(個人事務所で3年・簿記論と財務諸表論に合格)
個人の税理士事務所で3年働き、簿記論・財務諸表論に合格した人の記入例です。経歴・数字はすべて架空のものです。
職務経歴書 2026年11月1日現在 氏名 〇〇 〇〇
■職務要約
個人の税理士事務所(職員8名)で3年間、税理士補助として法人22社・個人35件を担当。記帳から月次の試算表、決算、法人税・消費税の申告書作成までを行い、所長税理士の確認を受けて提出しています。税理士試験は簿記論・財務諸表論に合格し、法人税法を受験中です。
■職務経歴
2023年4月〜現在 〇〇税理士事務所(職員8名) 正社員
・担当:法人22社(製造業・建設業・小売業ほか、売上高3,000万〜8億円)、個人35件
・業務:記帳指導、月次の試算表作成と巡回(月12社)、決算・法人税・消費税の申告書作成、年末調整(15社)、法定調書、償却資産申告
・その他:相続税申告の補助(2件、財産目録と評価明細の作成)
・体制:担当制。2025年から新人1名の指導を担当
2018年4月〜2023年3月 株式会社〇〇(食品卸、従業員120名) 営業事務
・受注・請求・入金の管理、売掛金の残高確認
■資格
2023年12月 税理士試験 簿記論 合格
2024年12月 税理士試験 財務諸表論 合格
2026年8月 税理士試験 法人税法 受験(結果待ち)
2021年6月 日商簿記検定2級 合格
■PCスキル
会計ソフト:TKC、弥生会計、マネーフォワード クラウド
税務ソフト:達人シリーズ
Excel:VLOOKUP関数・ピボットテーブルでの集計
■自己PR
記帳の入力から始め、2年目からは決算と申告書の作成まで担当しています。巡回では前年同月との比較表を作って経営者に説明し、顧問先からの質問は事務所に持ち帰って所長と対応を決めてきました。今後は法人税法の合格を目指しながら、組織再編や事業承継の案件にも関わりたいと考えています。
前職が営業事務などの事業会社の仕事だった場合も、会計事務所の経歴の後に短く書いておくと、経歴に空白がないことが伝わります。
パート・派遣で税理士補助をした期間の書き方
パートや派遣で税理士補助をした期間も、職務経歴として書けます。雇用形態と、週の勤務日数・1日の勤務時間を添えると、その働き方で担当件数が多いのか少ないのかを読み手が判断できます。
2024年1月〜2026年3月 〇〇会計事務所 パート(週3日・1日6時間)
・担当:個人事業主の記帳12件、所得税の確定申告18件の作成補助
・業務:仕訳の入力と、月次の試算表の作成
パートの期間は、税理士登録に必要な実務経験に数えられる場合があります。その場合、税理士会への申請では勤務時間の積み上げ計算書と出勤簿の写しが必要です。勤めていた期間の勤務日数や時間は、記録を残しておきましょう。
税理士登録の実務経験(税理士法第3条の2年)に数えられる業務を書き分ける
税理士試験に合格した人が税理士として登録するには、租税や会計に関する事務に通算2年以上携わった経験が必要です(税理士法第3条)。会計に関する事務からは、特別な判断のいらない機械的な事務が除かれます(税理士法施行令第1条の3)。
税理士会の一つである近畿税理士会が公開している登録申請の手引きでは、簿記会計の知識がなくてもできる入力業務などを、会計業務から除くよう求めています。入力だけを担当していた期間と、仕訳の判断や決算整理まで担当した期間は、職務経歴書でも分けて書いておくと、入所後にどの業務で実務経験を積むかを応募先と相談しやすくなります。
どの業務が実務経験に数えられるかは、最終的には登録を申請する税理士会が判断します。応募する職種が入力スタッフか税務スタッフかも、求人票で確かめましょう。
税理士(有資格者)の職務経歴書の書き方と記入例
税理士登録をしている人は、資格そのものより、どの分野をどの規模まで担当できるかを書くと、ほかの応募者との違いが伝わります。
税理士登録の年月と専門分野(資産税・国際税務・組織再編など)を職務要約に書く
資格欄には、試験の合格年と、税理士登録の年月・所属していた税理士会を書きます。登録の有無は、日本税理士会連合会の「税理士情報検索サイト」で、登録番号や氏名、所属税理士会から確かめられます。
職務要約では、法人税務・資産税・国際税務・組織再編など、主に担当してきた分野を最初に書きます。求人30件のうち8件が、組織再編・M&A・事業承継・国際税務の経験を挙げていました。部下や後輩の指導、申告書の確認を担当していた人は、人数と件数も書きます。
税理士の職務経歴書の記入例(税理士法人で法人税務8年・登録後3年)
中堅の税理士法人で法人税務を8年担当し、3年前に税理士登録した人の記入例です。経歴・数字はすべて架空のものです。
■職務要約
税理士法人(職員約60名)で8年間、法人税務を担当。売上高10億〜100億円規模の法人を中心に25社を主担当し、組織再編2件・事業承継3件の税務にも携わりました。2023年に税理士登録し、現在はチームリーダーとして職員4名の申告書の確認を行っています。
■職務経歴
2018年4月〜現在 〇〇税理士法人(職員約60名) 正社員
・担当:法人25社(製造業・卸売業・不動産業ほか、売上高10億〜100億円)
・業務:決算・法人税・消費税の申告、税務調査の立会い(年2〜3件)、顧問先の経営者への税務相談
・その他の業務:組織再編(合併1件・会社分割1件)、事業承継(株価算定・贈与の計画づくり3件)
・役割:2024年からチームリーダー。職員4名の申告書の確認と、新人の研修を担当
■資格
2023年5月 税理士登録(〇〇税理士会)
2022年12月 税理士試験 5科目合格(簿記論・財務諸表論・法人税法・消費税法・相続税法)
事業会社やコンサルティング会社に応募するときに書き換える項目
同じ経歴でも、応募先によって前に出す内容を変えます。ハローワークの資料も、応募先ごとに内容を変えることをすすめています。
| 応募先 | 前に出す内容 |
|---|---|
| 会計事務所・税理士法人 | 担当件数、顧問先の業種と規模、税目、関与の度合い |
| 事業会社の経理・税務 | 決算や申告を社内でどう進めたか、税務調査への対応、税務上の問題を見つけて直した経験 |
| コンサルティング会社 | 組織再編・事業承継・M&Aなどの案件の規模と期間、自分の役割 |
事業会社の経理へ移るときは、1社の決算に深く関わる仕事になるため、顧問先の件数より、決算や申告の流れを改善した経験を厚めに書きます。
未経験から会計事務所に応募する人の職務経歴書の書き方と記入例
会計事務所の未経験者向けの求人でも、書類選考は行われます。会計求人プラスの正社員・未経験OKの求人30件は、すべて履歴書と職務経歴書の提出から選考が始まっていました(2026年10月29日時点)。応募の進め方や求人の探し方は、会計事務所へ転職するには?で紹介しています。
事業会社の経理経験者は月次・年次決算と税務申告の担当範囲を書く
事業会社の経理経験者は、会計事務所の仕事に近い経験を持っています。月次の締めや年次決算をどこまで担当したか、申告書を自分で作ったのか、顧問税理士に資料を渡す側だったのかを書き分けます。
- 月次決算:締めの日数、担当した勘定科目
- 年次決算:決算整理仕訳、固定資産の管理、税効果会計の担当の有無
- 税務:法人税・消費税の申告書を自分で作ったか、顧問税理士に資料を提出したか
- 会計ソフト:使ったソフトの名前
経理以外の仕事から応募する人は前職の経験を会計事務所の仕事に結び付ける
経理の経験がない人は、前職の仕事のうち、会計事務所の仕事に近い部分を書き出します。
| 前職の経験 | 会計事務所の仕事との結び付き |
|---|---|
| 請求書の発行・入金の管理 | 記帳と、売掛金の残高の確認 |
| 取引先への説明・問い合わせ対応 | 巡回での顧問先への説明、資料の依頼 |
| 締め切りのある書類の作成 | 申告期限から逆算した作業の段取り |
| 数字の入ったデータの集計 | 試算表や比較表の作成 |
簿記の資格や勉強中の科目は資格欄に書き、勉強の時間や進み具合を自己PRで補います。税理士補助の仕事内容は税理士補助とは?、年齢と転職のしやすさは税理士の転職は何歳まで?で紹介しています。
未経験者の職務経歴書の記入例(事業会社の経理5年/営業事務から簿記2級を取得)
未経験から会計事務所に応募する2人の職務要約と、職務経歴の書き方の例です。経歴・数字はすべて架空のものです。
■職務要約
食品メーカー(従業員約200名)の経理部で5年間、月次決算と年次決算を担当。決算整理仕訳から決算書の作成までを行い、法人税・消費税の申告では顧問税理士に出す資料の作成と確認のやり取りも受け持ちました。会計事務所で複数の会社の税務に関わりたいと考え、法人税法の学習を始めています。
■職務経歴(抜粋)
2021年4月〜現在 株式会社〇〇(食品製造、従業員約200名) 経理部
・月次決算(5営業日で締め)、年次決算、固定資産の管理
・顧問税理士への申告用資料の作成、税務調査の対応(1回)
・会計ソフト:勘定奉行
■職務要約
住宅設備の商社で6年間、営業事務として受注・請求・入金の管理を担当。月約300件の請求書の発行と入金の照合を行い、売掛金の残高を毎月確認してきました。2026年6月に日商簿記2級に合格し、会計事務所で記帳から決算まで学びたいと考えています。
■職務経歴(抜粋)
2020年4月〜現在 株式会社〇〇(住宅設備卸、従業員約80名) 営業事務
・受注入力、請求書の発行(月約300件)、入金の照合と未入金の督促
・Excelで取引先ごとの売上を集計し、月次の会議資料を作成
税理士の職務経歴書を提出する前の見直しチェックリスト
書き上げた職務経歴書は、提出する前に一度見直します。転職回数やブランクの書き方も、ここで確かめます。
転職回数が多い・ブランクがある場合の職務経歴書の書き方
転職回数が多い人は、勤務先ごとに在籍期間を書き、退職の理由を「担当分野を資産税に広げるため」のように1行で添えます。職務要約で一貫して取り組んできた分野を先に示すと、回数より経験の中身が伝わります。
税理士試験の勉強に専念していた期間は、空白のままにせず書いておきます。
2024年4月〜2025年8月 税理士試験の受験に専念(2024年12月 財務諸表論 合格)
履歴書の学歴・職歴欄と、日付や勤務先の名前に食い違いがないかも確かめます。
提出前に確かめたい職務経歴書のチェックリスト
- 担当件数を法人・個人に分け、業種と規模を書いたか
- 担当した税目を申告書の種類ごとに書いたか
- どの段階まで担当し、どこから税理士が確認したかを書いたか
- 会計ソフト・税務ソフトの名前を書いたか
- 税理士試験の科目を正式名称と合格年で書き、受験中の科目も書いたか
- 顧問先の会社名を書いていないか
- 年号を和暦か西暦にそろえたか
- 履歴書と日付・勤務先名が一致しているか
- 応募先の求人の仕事内容に合わせて、前に出す経験を選んだか
- A4で1〜3枚に収まっているか
ハローワークの資料は、面接で職務経歴書の内容を聞かれることを想定して作るようすすめています。書いた件数や業務は、面接で具体的に説明できるようにしておきましょう。
書類添削を頼む転職エージェントの選び方
会計業界に詳しい転職エージェントでは、職務経歴書の添削を受けられることがあります。選ぶときは、次の3点を確認しましょう。
- 会計事務所・税理士法人の求人を扱っているか
- 添削を面談で受けられるか、何回まで見てもらえるか
- 担当者が税理士補助の仕事や税目の違いを理解しているか
応募先の事務所が職務経歴書のどこを重く見るかは、事務所ごとに違います。応募先の情報を持つ担当者に見てもらうと、前に出す経験を選びやすくなります。
会計事務所の求人を扱う転職エージェントは、税理士に強い転職エージェントの比較で紹介しています。各社の評判はMS-Japanの評判、ヒュープロの評判、レックスアドバイザーズの評判で紹介しています。
税理士の職務経歴書でよくある質問
登録番号や不合格の科目など、職務経歴書に書くかどうか迷いやすい5つの点に答えます。
税理士登録番号は職務経歴書に書く?
書くかどうかの決まりはありません。職務経歴書の項目は自由です。資格欄に登録の年月と所属税理士会を書いておけば、応募先は日本税理士会連合会の税理士情報検索サイトで、氏名や所属税理士会から登録を確かめられます。登録番号を書けば、より確かめやすくなります。
不合格だった科目や結果待ちの科目も書く?
マイナビ税理士は、勉強中の科目や、過去に受けて合格しなかった科目も科目名を書くようすすめています。結果待ちの科目は「受験(結果待ち)」、勉強中の科目は「法人税法 学習中」のように書けば、受験を続けていることが伝わります。
履歴書と職務経歴書に同じことを書いてもいい?
同じことを繰り返すより、職務経歴書では履歴書の職歴を詳しく補います。ハローワークの資料は、履歴書の内容をそのまま写すのではなく補足して詳しく書くこと、履歴書と矛盾がないようにし重複は最小限にすることを挙げています。
税理士試験の受験資格で出す「職歴」の証明と職務経歴書は違う?
違います。税理士試験の税法科目を職歴で受験する人が出すのは、勤務先が証明する「職歴証明書」です。従事した期間、所属、役職、事務の内容を書き、会社の代表者や人事の責任者が証明します。なお、簿記論と財務諸表論は、令和5年度の試験から受験資格なしで受けられます。
40代・50代で会計事務所に応募するとき、職務経歴書で気をつけることは?
経歴が長い人ほど、すべてを同じ分量で書くと枚数が増えます。応募先の仕事に近い経験を厚めに書き、関係の薄い経歴は、在籍期間と仕事の名前だけで十分です。年齢と転職のしやすさは、税理士の転職は何歳まで?で紹介しています。
税理士の職務経歴書を書いたら次にやること
会計事務所の職務経歴書では、応募先が「どこまで任せられるか」を判断できる材料を書くことが大事です。
- 件数と範囲:担当件数を法人・個人に分け、記帳から申告までのどの段階まで担当したかを書く
- 税目とソフト:担当した申告書の種類と、使った会計ソフト・税務ソフトの名前を書く
- 科目と顧問先名:税理士試験の科目は正式名称と合格年で書き、顧問先の会社名は業種と規模に書き換える
書き上げた職務経歴書を見てもらいながら応募先を探したい人は、税理士に強い転職エージェントの比較から相談先を探してみてください。
※ 本記事の情報は2026年10月30日時点で確認したものです。法令や求人の内容は変わることがあるため、最新の情報は各出典をご確認ください。


