会計事務所と税理士事務所の違いは?税理士法人との違いと転職先の選び方

当ページのリンクには広告が含まれています。
会計事務所と税理士事務所の違い

会計事務所と税理士事務所は、何が違うのでしょうか?

結論からお伝えすると、2つに法律上の違いはありません。税理士法で決まっている事務所の名前は「税理士事務所」で、「会計事務所」は同じ事務所を指す通称です。

ただし、転職先として見ると、同じ会計事務所でも、個人の事務所か税理士法人かで働く条件が変わります。個人の事務所は1人の税理士が開業するもの、税理士法人は2人以上の税理士で運営する法人です。社会保険の加入義務や持てる事務所の数、所長が引退したあとも事務所が続くかどうかは、この形によって異なります。

この記事では、会計事務所と税理士事務所が同じといえる法律上の根拠と、税理士法人や会計士事務所・監査法人との違い、自分に合う転職先の選び方を紹介します。

この記事を読むとわかること
  • 会計事務所と税理士事務所が同じといえる法律上の根拠
  • 税理士事務所と税理士法人の違い
  • 会計士事務所・監査法人との違い
  • 個人の事務所と税理士法人で変わる働き方
  • 会計事務所の求人に応募する前に確認したいこと
目次

会計事務所と税理士事務所に法律上の違いはない

「税理士事務所」は、税理士の事務所を指す法律上の名前です。「会計事務所」は、事務所が自由に付ける屋号(事務所が名乗る名前)として使われている名前で、税理士の事務所が名乗ることもあれば、公認会計士の事務所が名乗ることもあります。

呼び名どんな名前か
税理士事務所税理士法で決まっている、税理士の事務所の名前。税理士でなければ使えない
会計事務所法律に定めのない通称。税理士や公認会計士の事務所が屋号として使う
税理士法人2人以上の税理士で運営する法人。名前に「税理士法人」を入れる

税理士法で定められた事務所の名前は「税理士事務所」

税理士法第40条第1項は、税理士に対して、税理士業務を行うための事務所を設けるよう義務づけています。続く第2項では、その事務所を「税理士事務所と称する」と定めています。

この名前は、税理士でなければ使えません。税理士法第53条第1項により、税理士でない人は「税理士事務所」やそれに似た名前を用いてはならないとされています。

税理士が登録する事務所の名前にもルールがあります。日本税理士会連合会(日税連)の会則第34条第2項は、登録する事務所の名前を「その税理士の税理士事務所であることを明示するもの」と定めています。

※ 出典:税理士法(令和7年10月1日施行分)第40条・第53条、日本税理士会連合会会則 第34条

「会計事務所」は税理士事務所の通称として使われている

一方の「会計事務所」は、税理士法にも公認会計士法にも出てこない言葉です。法律上の定義がないため、税理士の事務所が屋号として「〇〇会計事務所」と名乗る事務所もあります。

日税連の「税理士情報検索サイト」で、東京都の税理士を事務所名称「会計事務所」で検索すると、該当が100件を超えて一覧が表示されませんでした(2026年10月28日時点)。登録上の名前に「会計事務所」を含む税理士の事務所は、それだけ多いということです。

公認会計士の事務所も「会計事務所」と呼ばれることがあるため、名前だけでは代表者の資格は見分けられません。

会計事務所と税理士事務所の仕事内容は同じ?

仕事内容は同じです。税理士法第2条第1項は、税務代理(本人に代わって税務署への申告などを行うこと)、税務書類の作成、税務相談の3つを税理士業務と定めています。この3つは、税理士か税理士法人でなければ行えない仕事です(第52条)。

あわせて第2条第2項では、税理士業務に付随する仕事として、財務書類の作成や会計帳簿の記帳の代行を挙げています。会計事務所と名乗る事務所も、税理士事務所と名乗る事務所も、記帳の代行から決算、申告までを一続きで請け負えます。

資格を持たない職員は、税理士の監督のもとで記帳や申告書の作成を手伝います。税理士法第41条の2は、税理士に対して、こうした職員を監督する義務を定めています。

資格のない職員の仕事内容と1年の流れは、税理士補助とは?仕事内容と向いている人にまとめています。

税理士事務所と税理士法人の違いは個人事業か法人か

税理士の事務所には、税理士が個人事業として開く事務所と、法人として設立する税理士法人の2つの形があります。税理士の事務所は、会計事務所と名乗っていても、このどちらかです。ただし、求人に書かれた「〇〇会計事務所」という名前だけでは、どちらの形か判断できないこともあります。

税理士法人は2人以上の税理士が共同で設立する法人

税理士法人は、税理士法第48条の2で「税理士業務を組織的に行うことを目的として、税理士が共同して設立した法人」と定められています。2001年の税理士法改正で新しく設けられ、2002年4月から設立できるようになりました。

税理士法人の「社員」は、一般の会社でいう出資者兼経営者のことで、従業員の意味ではありません。社員になれるのは税理士だけです(第48条の4)。名前には「税理士法人」の文字を入れなければなりません(第48条の3)。

社員が1人になり、その状態が6か月続くと、税理士法人は解散します(第48条の18第2項)。このため税理士法人は、2人以上の税理士で運営する組織です。

税理士法人が行えるのは、税理士業務と、定款(法人の目的や運営のルールを定めた書類)で定めた付随業務などに限られます(第48条の5)。国税庁は、保険代理店業務や不動産の貸付けのように税理士業務と関係のない仕事は行えないとしています。

※ 出典:税理士法 第48条の2〜第48条の5・第48条の18、国税庁「税理士制度のQ&A」問7-4、衆議院「税理士法の一部を改正する法律案」(第151回国会)

個人の税理士事務所は1か所だけ、税理士法人は複数の事務所を持てる

個人で開業する税理士は、事務所を1か所しか持てません。税理士法第40条第3項が、税理士事務所を2か所以上設けることを禁じているためです。国税庁の「税理士制度のQ&A」(問5-3)では、本拠以外の場所に「〇〇税理士事務所□□分室」のような表示を出すことも、2か所目の事務所とみなされることがあるとしています。

税理士法人は、主たる事務所のほかに従たる事務所(支店)を設けられます。条件は、それぞれの事務所に、その地域の税理士会に入っている社員を常駐させることです(第48条の12)。

日税連の「税理士登録者数」によると、2026年9月末日現在の税理士法人は、主たる事務所が5,346、従たる事務所が3,177でした。支店を持つ税理士法人では、事務所の間で異動する可能性もあります。

※ 出典:税理士法 第40条・第48条の12、国税庁「税理士制度のQ&A」問5-3、日本税理士会連合会「税理士登録者数」(2026年9月末日現在)

個人の税理士事務所と税理士法人の違いを比較表で確認する

個人の税理士事務所と税理士法人の主な違いは、次のとおりです。

スクロールできます
比べる点個人の税理士事務所税理士法人
開設する人自分で事務所を開く税理士1人(開業税理士)社員である税理士が共同で設立
名前税理士事務所(屋号で会計事務所と名乗る例も多い)名前に「税理士法人」を入れる
事務所の数1か所だけ社員が常駐すれば複数持てる
代表がいなくなったとき所長の事務所としては続けられない(所長の税理士登録がなくなるため)社員が2人以上いれば続く(1人の状態が6か月続くと解散)
健康保険・厚生年金従業員が常時5人以上なら加入が義務(4人以下は任意)従業員の人数に関係なく加入が義務

※ 出典:税理士法 第26条・第40条・第48条の2〜第48条の4・第48条の12・第48条の18、日本年金機構「適用事業所と被保険者」
※ 従業員4人以下の個人事務所が任意で加入するには、従業員の半数以上の同意と認可が必要です。

税理士事務所の多くは小さな事務所です。経済センサスは、総務省・経済産業省が全国の事業所を対象に行う統計調査です。2021年の調査によると、全国の税理士事務所28,244か所のうち、従業者(所長や家族を含め、事業所で働く人の数)1〜4人の事務所が17,543か所で62.1%を占めました。5〜9人の7,356か所を合わせると、10人未満の事務所が9割近くになります。この数は事業所ごとの集計で、税理士法人の支店も1か所として含んだものです。

従業者の規模事業所数
1〜4人17,543
5〜9人7,356
10〜19人2,534
20〜29人473
30〜49人239
50人以上87

※ 出典:総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」第7-1表(税理士事務所、2021年6月1日時点)
※ 総数28,244には出向・派遣従業者のみの12事業所を含みます。

税理士法人の数は増えています。国税庁の「国税庁レポート2026」によると、2026年3月末の税理士法人は5,287法人でした。「国税庁レポート2025」の5,146法人(2025年3月末)から、1年で141法人増えています。

※ 出典:国税庁「国税庁レポート2026」税理士制度、国税庁「国税庁レポート2025」税理士制度

税理士業界全体の規模や、個人事務所からBIG4までの職場の種類は、税理士業界の現状と今後は?で紹介しています。

会計事務所と会計士事務所・監査法人の違い

「会計事務所」と似た名前に、会計士事務所(公認会計士事務所)と監査法人があります。こちらは税理士ではなく、公認会計士の事務所です。

会計士事務所は公認会計士が開く事務所で監査も行える

公認会計士の本来の仕事は、企業などの財務書類の監査と証明です(公認会計士法第2条第1項)。この仕事は、公認会計士か監査法人でなければ報酬を得て行うことができません(第47条の2)。

あわせて公認会計士は、財務書類の作成や、財務に関する調査・立案・相談も仕事にできます(第2条第2項)。統計上の分類でも、公認会計士事務所は監査や証明を行う事業所とされ、2021年の経済センサスでは全国に2,596か所ありました。この数には監査法人の事務所も含まれます。

※ 出典:総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」第7-1表、総務省「日本標準産業分類」大分類L

監査法人は企業の会計監査を組織で行う法人

監査法人は、公認会計士法第1条の3第3項で、監査・証明の業務を組織的に行うことを目的とした法人と定められています。社員は公認会計士などに限られ、そのうち公認会計士である社員が一定の割合以上いなければなりません(第34条の4)。

税理士法人との違いは、組織の目的です。税理士法人は税務を組織で行う法人で、監査法人は監査を組織で行う法人です。監査法人も、本業に支障のない範囲で財務の相談などの業務を行えます(第34条の5)。

スクロールできます
比べる点税理士法人監査法人
根拠の法律税理士法公認会計士法
主な仕事税務代理・税務書類の作成・税務相談財務書類の監査・証明
社員になれる人税理士公認会計士など(公認会計士の社員が一定割合以上)

※ 出典:税理士法 第2条・第48条の2・第48条の4、公認会計士法 第1条の3・第2条・第34条の4

監査法人で働く場合の部門や応募の条件は、監査法人へ転職するには?で詳しく書いています。

公認会計士が税理士登録して開く「公認会計士・税理士事務所」

公認会計士は、税法に関する研修を修了すれば税理士として登録できます(税理士法第3条第1項第4号・第3項)。2026年3月末の税理士登録者82,513人のうち、公認会計士の資格で登録した人は11,882人でした。

税理士として登録した公認会計士は、監査と税務の両方を扱えます。「〇〇公認会計士・税理士事務所」や「〇〇会計事務所」と名乗り、中小企業の税務を中心に請け負う事務所も少なくありません。求人を見るときは、名前ではなく代表者の資格と、扱う業務が監査中心か税務中心かを確かめましょう。

※ 出典:公認会計士法 第1条の3・第2条・第34条の4・第34条の5・第47条の2、税理士法 第3条、国税庁 統計年報「20-7 税理士」(令和7年度)

公認会計士の転職先の選び方は、公認会計士に強い転職エージェントの比較を参考にしてください。

個人の税理士事務所と税理士法人では働き方の何が違う?

名前が同じ「会計事務所」でも、個人の事務所と税理士法人では、入ってからの働き方が変わります。違いが出やすいのは、担当する業務の範囲と社会保険、昇給の仕組み、所長が引退したあとの4点です。

個人事務所と税理士法人で担当する顧問先と業務の範囲はどう違う?

個人の税理士事務所は、職員が数人のところが中心です。2021年の経済センサスでは、税理士事務所1か所あたりの従業者は平均5.3人でした。

※ 出典:総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」第7-1表(2021年6月1日時点)

少人数の事務所では、1人の職員が同じ顧問先の記帳から決算、申告書の作成までを通して担当する働き方もあります。

規模の大きい税理士法人では、法人の税務、相続などの資産税、国際税務といった部門ごとに担当を分けているところがあります。1つの分野を深く経験しやすい反面、担当外の業務に触れる機会は少なくなります。

個人の税理士事務所は従業員が常時5人以上なら社会保険の加入が義務になる

健康保険と厚生年金への加入が義務になる事業所を、強制適用事業所といいます。その条件は、法人と個人の事務所で異なります。日本年金機構によると、法人の事業所は事業主1人だけでも適用事業所です。税理士法人で働く人は、条件を満たせば事務所の規模に関係なく加入します。

個人の事務所は、従業員が常時5人以上いると強制適用です。税理士などの士業の個人事務所は、2022年10月からこの対象に加わりました。ここでいう従業員には、正社員のほか、労働時間と日数が正社員の4分の3以上のパートやアルバイトも含まれます。

事務所の形健康保険・厚生年金
税理士法人従業員の人数に関係なく強制適用
個人の事務所(従業員が常時5人以上)強制適用(2022年10月から)
個人の事務所(従業員が4人以下)強制適用ではない。従業員の半数以上の同意と認可で任意に加入できる

※ 出典:日本年金機構「適用事業所と被保険者」(2026年10月1日更新)、同「令和4年10月から士業の個人事業所が適用事業所になります」

従業員が4人以下の個人事務所は、強制適用ではありません。従業員の半数以上が同意し、事業主が申請して認可を受ければ、任意で加入できます。従業者1〜4人の事務所が62.1%を占めることを考えると、求人票で社会保険の加入の有無を確かめておけば、入所後に加入できないと分かって慌てずに済みます。

個人事務所と税理士法人で年収と昇給の仕組みはどう違う?

個人の事務所では、給与や昇給の額を決めるのは所長です。労働基準法第89条で、昇給に関する事項を含む就業規則の作成と届出が義務になるのは、常時10人以上の労働者を使う場合です。10人未満の事務所では、評価の基準や昇給のルールが文書になっているかを入所前に確かめましょう。

※ 出典:労働基準法 第89条

等級や役職ごとに給与の水準を決めている税理士法人では、昇給の道筋が見えやすくなります。年収を比べるときは、年齢や資格をそろえて比べましょう。

資格・規模・役職ごとの年収の相場は、税理士事務所の年収はいくら?で紹介しています。

所長が引退したとき個人事務所と税理士法人で事業はどうなる?

税理士が業務をやめたり亡くなったりすると、日税連はその税理士の登録を抹消します(税理士法第26条第1項)。個人の税理士事務所は所長の登録にもとづく事務所なので、所長が引退すると、その事務所のままでは仕事を続けられません。

そのため個人の事務所では、所長の引退に合わせて、後継の税理士への引き継ぎや、ほかの事務所・税理士法人との統合が必要になります。働く人にとっては、勤め先が変わったり、担当する顧問先が入れ替わったりするきっかけになります。

税理士法人は、社員が2人以上いれば代表が引退しても法人として続きます。社員が1人になった場合も、6か月以内に社員を補充すれば解散しません(第48条の18第2項)。

個人の税理士事務所と税理士法人のどちらが合う?タイプ別の選び方

個人の事務所と税理士法人に、どちらが良いという決まりはありません。今の資格と、これから身につけたい経験によって、合う職場は変わります。

こんな人合いやすい職場
税理士試験の勉強時間を確保したい残業の少ない事務所、試験休暇や受験支援のある職場
未経験から実務を一通り覚えたい1社を通して担当できる少人数の事務所
専門分野で年収を上げたい専門部門のある中堅・大手の税理士法人、大手4グループの税理士法人(BIG4)
監査法人から税務に移りたい公認会計士税務部門のある税理士法人、公認会計士が代表の事務所

税理士試験の勉強時間を確保したい科目合格者・受験生に合う職場

税理士試験は科目合格制で、会計学2科目と税法3科目の計5科目に合格すると試験に合格します。1科目ずつ受験でき、途中まで合格した人を科目合格者と呼びます。

※ 出典:国税庁「税理士試験の概要」

勉強時間を優先したい人には、残業の少ない事務所や、試験前の休暇・受験費用の補助がある職場が合います。個人の事務所でも税理士法人でも、受験生を支える制度の有無は求人ごとに大きく違います。

面接では、年末調整から確定申告、3月決算の申告が続く繁忙期の残業時間と、試験直前の休暇の取りやすさを具体的に聞いておきましょう。

科目合格の段階ごとの評価は、税理士の科目合格で転職できる?で解説しています。

未経験から記帳・決算・申告まで一通り覚えたい人に合う職場

実務の流れを最初から最後まで覚えたい人には、少人数の事務所が合いやすいでしょう。1社の記帳から決算、申告までを通して担当できるため、税務の基本が身につきやすい環境です。

ただし、少人数の事務所は教える人の時間が限られます。入所後に誰が仕事を教えてくれるのか、未経験者を受け入れた実績があるかによって、最初の1年の覚えやすさが変わります。

資産税・国際税務などの専門分野で年収を上げたい人に合う職場

相続などの資産税や国際税務、組織再編(合併や会社分割など)といった専門分野を深めたい人は、専門の部門を持つ中堅・大手の税理士法人が候補になります。世界的な会計事務所グループに属するデロイト トーマツ・PwC・KPMG・EYの4つの税理士法人(BIG4税理士法人)も選択肢です。

監査法人から税務の経験を積みたい公認会計士に合う職場

監査法人から税務に移りたい公認会計士は、税務部門のある税理士法人や、公認会計士が代表を務める事務所が候補です。監査の経験を活かしながら、税務の実務を身につけられます。

税理士として登録している公認会計士は11,882人で、税理士登録者82,513人のおよそ7人に1人です(2026年3月末)。

会計事務所の求人に応募する前に確認したい3つのポイント

「〇〇会計事務所」という求人名からは、個人の事務所か税理士法人かも、社会保険に加入できるかも読み取れません。応募する前に、次の3つで確かめておきましょう。

日税連の税理士情報検索サイトで事務所の形態と所属税理士を確かめる

日税連の税理士情報検索サイトでは、所属税理士(ほかの税理士の事務所や税理士法人に勤める税理士)を含め、登録されているすべての税理士と税理士法人の情報を誰でも調べられます。使い方は次のとおりです。

  1. サイトの「依頼する税理士を探す」から「詳細からさがす」を開く
  2. 個人の事務所なら「税理士情報検索」、税理士法人なら「法人情報検索」を選ぶ
  3. 都道府県と事務所名称(法人名)を入れて検索する

検索すると、求人の「〇〇会計事務所」が個人の事務所か税理士法人か、どの税理士会に所属しているかがわかります。同じ事務所名で登録している税理士の人数も、職場の規模の目安になります。

求人票で職員数・税理士の人数・社会保険の加入を確認する

求人票では、次の項目を確認しましょう。

  • 事務所の形態
    • 個人の事務所か税理士法人か
  • 職員数と税理士の人数
    • 所長以外に税理士がいるか
  • 社会保険
    • 健康保険・厚生年金に加入できるか
  • 事務所の所在地
    • 支店があり、異動の可能性があるか
  • 担当業務
    • 記帳から申告まで担当するのか、部門で分かれているのか

社会保険の記載がない個人事務所の求人は、従業員が4人以下で強制適用にあたらない場合があります。加入の有無と時期を面接で聞いておけば、入所後に手取りや年金の扱いで戸惑わずに済みます。

面接で所長の年齢と後継者、担当業務の範囲を聞く

個人の事務所に応募する場合は、所長が引退したあとの事務所の扱いを聞いておきましょう。聞きにくい質問ですが、答えが具体的なら事務所の先行きを判断しやすくなります。

スクロールできます
聞きたい質問安心できる回答注意したい回答
事務所は個人の事務所ですか、税理士法人ですか。税理士は何人いますか形態と税理士の人数をすぐに答えられる「会計事務所です」だけで形態がはっきりしない
健康保険・厚生年金には入社日から加入できますか加入の時期を明示できる「試用期間のあとで検討」など条件があいまい
所長の後継者や、事務所の引き継ぎの予定はありますか後継の税理士や法人化の予定を説明できる所長が高齢なのに「まだ考えていない」
担当業務は部門で分かれていますか担当する範囲と件数を具体的に答えられる担当件数が多いのに、補助してくれる人がいない

残業の多さや職場の雰囲気など、働きにくい事務所の見分け方は税理士事務所はやめとけと言われる理由で取り上げています。

会計事務所・税理士法人への転職で転職エージェントが役立つ人

会計事務所や税理士法人の求人は、求人サイトでも探せます。ただ、事務所の形態や後継者の有無など、求人票に書かれない情報まで知りたい人は、転職エージェントを使うと進めやすくなります。

求人票では分からない事務所の内部情報を確認したい人

会計業界に詳しい転職エージェントの担当者は、事務所の評価制度や職員の入れ替わり、部門ごとの繁忙期の働き方といった情報を持っていることがあります。所長の後継者や法人化の予定のように、面接で聞きにくいことを代わりに確認してもらえるのも利点です。

在職中で面接の日程を組みにくい人や、個人の事務所と税理士法人のどちらに応募するか迷っている人には、特に役立ちます。

志望先と資格に合った税理士向け転職エージェントの選び方

エージェントを選ぶときは、次の3点を確認しましょう。

  • 会計事務所・税理士法人の求人をどのくらい扱っているか
  • 未経験・科目合格・税理士・公認会計士など、自分の立場に合う求人が多いか
  • 担当者が、個人の事務所と税理士法人の違いや業務の内容を理解しているか

エージェントごとに扱う求人は違うため、会計業界に強いエージェントを中心に2〜3社に登録して比べる方法もあります。

税理士に強い転職エージェントを比べる

会計事務所・税理士法人の転職に対応したエージェントの特徴や違いは、税理士に強い転職エージェントの比較にまとめました。各社の評判はレックスアドバイザーズの評判、ヒュープロの評判、MS-Japanの評判で確認できます。いずれも会計・税務分野の求人を扱う転職エージェントです。

会計事務所と税理士事務所の違いでよくある質問

税金の相談を依頼するなら、会計事務所と税理士事務所のどちらがいい?

名前で選ぶ必要はありません。会計事務所と名乗る事務所も、税理士がいれば税務の相談や申告を依頼できます。依頼先を選ぶときは、税理士として登録されているか、相続や創業など相談したい分野に強いかを確認しましょう。税理士の登録は日税連の税理士情報検索サイトで調べられます。東京で税理士を探している人は、東京都の税理士を目的別に比較した記事も参考にしてください。

税理士法人と株式会社の違いは?

税理士法人は税理士法にもとづく法人で、社員になれるのは税理士だけです。株式会社の株主は、出資した額までしか責任を負いません。一方、税理士法人の社員は、法人の財産で債務を払いきれない場合などに、連帯して債務を払う責任を負います(税理士法第48条の21で会社法第580条第1項を準用)。行える仕事も、税理士業務と定款で定めた付随業務などに限られます。

BIG4税理士法人とほかの税理士法人の違いは?

BIG4税理士法人は、世界的な会計事務所グループに属するデロイト トーマツ税理士法人・PwC税理士法人・KPMG税理士法人・EY税理士法人の4法人です。国際税務や組織再編といった分野ごとにサービスを分けて提供しています。たとえばEY税理士法人は、国際税務戦略や税務コンプライアンス、M&Aおよび組織再編などに分けて業務を紹介しています。

BIG4税理士法人の職階ごと・法人ごとの年収の目安は、BIG4税理士法人の年収はいくら?で紹介しています。

会計事務所と税理士事務所で年収は違う?

名前の違いで年収が変わることはありません。年収の差は、資格の有無、事務所の規模、役職によって生まれます。相場は税理士事務所の年収はいくら?にまとめています。

会計事務所と事業会社の経理では仕事内容がどう違う?

会計事務所は、複数の顧問先の記帳や決算、申告を外部の専門家として請け負います。事業会社の経理は、1つの会社の中で日々の経理や決算、税務を担当します。多くの会社の数字に触れたい人は会計事務所、1社の経営に深く関わりたい人は事業会社の経理が合いやすいでしょう。経理部への転職は経理部への転職は難しい?で紹介しています。

会計事務所・税理士法人に応募する前に次にやること

会計事務所と税理士事務所に法律上の違いはありません。転職先として比べるときに差が出るのは、個人の事務所か税理士法人かです。応募の前に、次の3点を確認しましょう。

  • 名前の意味
    • 税理士法で決まった名前は「税理士事務所」で、会計事務所は通称です
  • 組織の形
    • 個人の事務所か、2人以上の税理士で運営する税理士法人かで、社会保険の加入義務や持てる事務所の数、所長が引退したあとも事務所が続くかどうかが異なります
  • 登録情報と待遇
    • 税理士情報検索サイトで形態と税理士の人数を、求人票で社会保険の加入を確かめましょう
税理士に強い転職エージェントを比べる

自分の資格と経験に合う会計事務所・税理士法人を探したい人は、税理士に強い転職エージェントの比較から相談先を探してみてください。

※ 本記事の法令は2026年10月28日時点の内容(税理士法は令和7年10月1日施行分)、統計は各出典の公表時点のものです。最新の情報は各出典をご確認ください。

参考文献・出典

この記事を書いた人

アドバイザーナビが運営する「税むすび」では会計士・税理士関連の情報を発信しています。これまでアドバイザーナビは「資産運用ナビ」を中心に適切なプロフェッショナルのプラットフォームを構築してきました。税理士紹介ナビでは、税理士へのインタビュー・アンケート調査などを通じて、税理士や税金にまつわる情報発信をしていきます。

目次