税理士業界の現状と今後は?数字で見る変化と働く場所・資格別の進み方

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税理士業界の現状と今後 数字で見る変化と職場

税理士の登録者は、2016年度末からの9年間で約8%増えました。それでも有効求人倍率(仕事を探す人1人あたりの求人の数)は2.38倍で、事務所の人手は足りていません。登録者の半数以上は60歳以上、税理士事務所の9割近くは従業者9人以下です。

業界では、税理士法人の増加や所長の高齢化、インボイス制度などの制度改正が同時に進み、仕事の中身や働く場所も変わり続けています。

この記事では、統計で見た税理士業界の現状と今後、職場ごとの働き方、資格や経験に合った業界への入り方を紹介します。

この記事でわかること
  • 税理士業界の規模と年齢構成
  • 税理士業界でいま起きている変化
  • これから仕事が広がる専門分野
  • 税理士業界の職場の種類と働き方
  • 資格・経験別の税理士業界への入り方
目次

税理士業界の現状を4つのデータで確認しよう

登録者は増えている一方で、事務所の規模は小さいまま高齢化も進んでいます。最新の値は次のとおりです。

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データ最新の値時点
税理士の登録者数82,682人2026年9月末
税理士法人の数(主たる事務所)5,346法人2026年9月末
従業者9人以下の税理士事務所の割合88.2%2021年
60歳以上の税理士の割合51.6%2026年4月末
税理士試験の受験者数36,320人2025年度

※ 出典:日本税理士会連合会「税理士登録者数」、総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」、日本税理士会連合会「税理士になろう」(2026年6月)、国税庁「令和7年度税理士試験結果」
※ 税理士法人の数は主たる事務所(本店)の数で、支店にあたる従たる事務所は含みません。

税理士の登録者数と税理士法人数の推移

全国の税理士が登録する日本税理士会連合会(日税連)によると、2026年9月末の税理士登録者は82,682人でした。国税庁の統計で年度末の推移を見ると、2016年度末の76,493人から2025年度末の82,513人まで、9年間で約7.9%増えています。登録の資格は、試験の合格・試験科目の免除・公認会計士などに分かれます。

税理士登録者数の推移

各年度末(3月31日現在)・人。横軸は年度(16=2016年度)

030,00060,00090,000
7.6万
7.7万
7.8万
7.9万
7.9万
8.0万
8.1万
8.1万
8.2万
8.3万
16171819202122232425

出典:国税庁 統計年報「税理士登録者数」

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登録の資格2016年度末2025年度末増減
試験合格者34,746人34,411人−335人
試験免除者27,036人34,261人+7,225人
公認会計士9,315人11,882人+2,567人
合計(弁護士・特別試験合格者などを含む)76,493人82,513人+6,020人

※ 出典:国税庁 統計年報「税理士登録者数」(各年度末=3月31日現在)
※ 試験合格者は最後の科目を試験の合格で終えた人、試験免除者は最後の科目を免除で終えた人(大学院での研究や国税の勤務経験による免除など)、特別試験合格者は一定の実務経験がある人を対象にした特別の税理士試験に合格した人です(国税庁 統計年報の用語の説明)。

登録者が増えたと聞くと、試験の合格者が増えたと考えがちです。ところが、増えた分の多くは、大学院での研究や国税の勤務経験で試験科目の一部が免除された人と、公認会計士の資格で登録した人です。試験の最後の科目まで合格して登録した人は、9年間でほぼ横ばいでした。

税理士法人は、さらに大きく増えました。2019年3月末に3,963法人だった税理士法人は、2026年9月末には5,346法人になっています。時点がそろっていないため単純には比べられませんが、7年半で約1.3倍に増えた計算です。同じ期間の登録者の伸び(78,028人から82,682人)を大きく上回っています。

※ 出典:国税庁「国税庁70年史」(平成31年3月31日現在の値)、日本税理士会連合会「税理士登録者数」(令和8年9月末日現在)

従業者4人以下の事務所が6割を占める税理士事務所の規模

総務省・経済産業省がすべての事業所を対象に行う経済センサス(2021年)によると、全国の税理士事務所は28,244か所ありました。そのうち従業者1〜4人の事務所が17,543か所で、全体の62.1%を占めています。

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従業者の規模事務所の数割合
1〜4人17,543か所62.1%
5〜9人7,356か所26.0%
10〜19人2,534か所9.0%
20〜49人712か所2.5%
50人以上87か所0.3%
合計28,244か所―

※ 出典:総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」第7-1表(産業小分類「税理士事務所」、出向・派遣従業者のみの事業所12か所を含む)

9人以下の事務所を合わせると88.2%になり、税理士業界は小さな事務所が大半を占める業界だとわかります。

50人以上の事務所は87か所で、全体の0.3%だけです。経済センサスは事業所ごとの集計のため、税理士法人の支店もそれぞれ1か所として数えられています。

60歳以上が半数を超える税理士の年齢構成

日本税理士会連合会によると、2026年4月末の税理士登録者のうち、60歳以上は51.6%でした。

年代登録者に占める割合
20代0.4%
30代6.0%
40代17.6%
50代24.4%
60代21.7%
70代22.3%
80歳以上7.6%

※ 出典:日本税理士会連合会「税理士になろう」(2026年6月、2026年4月末の登録者)

70代以上だけで29.9%を占め、30代以下は合わせて6.4%しかいません。税理士の登録に年齢の上限はなく、開業税理士には定年もありません。

税理士登録者の年齢構成

2026年4月末・登録者に占める割合(赤は60歳以上)

20代
0.4%
30代
6.0%
40代
17.6%
50代
24.4%
60代
21.7%
70代
22.3%
80歳以上
7.6%

出典:日本税理士会連合会「税理士になろう」(2026年6月)

税理士試験の受験者数と合格者数の推移

税理士試験は、会計の2科目(簿記論・財務諸表論)と、税法から選ぶ3科目の計5科目に合格すると合格者となる試験です。税法では所得税法か法人税法のどちらかを必ず選び、5科目を一度に受けず1科目ずつ合格を積み上げることもできます(科目合格制)。

税理士試験の受験者は、2020年度の26,673人を底に5年続けて増え、2025年度は36,320人になりました。

税理士試験の受験者数の推移

人。横軸は年度(15=2015年度)。赤は2020年度を底に増えた期間

010,00020,00030,00040,000
3.8万
3.6万
3.3万
3.1万
3.0万
2.7万
2.7万
2.9万
3.3万
3.5万
3.6万
1516171819202122232425

出典:国税庁 統計年報「税理士試験の受験・合格者数」

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年度受験者数5科目到達者数
2015年度38,175人835人
2017年度32,974人795人
2019年度29,779人749人
2020年度26,673人648人
2021年度27,299人585人
2022年度28,853人620人
2023年度32,893人600人
2024年度34,757人578人
2025年度36,320人527人

※ 出典:国税庁 統計年報「税理士試験の受験・合格者数」、国税庁「令和7年度(第75回)税理士試験結果」(2025年11月28日)、国税庁「税理士試験の概要」

2023年度の試験からは、簿記論と財務諸表論の2科目が受験資格なしで受けられるようになりました。緩和後の2023年度の受験者は32,893人で、前年度の28,853人から約4,000人増えました。

一方で、5科目に到達した人は2025年度に527人で、表の期間で最も少なくなりました。受験者は増えても、資格を取るまでの道のりは長いままです。

試験に挑戦するかどうかの判断は、税理士試験はやめとけと言われる理由で紹介しています。

税理士業界でいま起きている4つの変化

登録者や税理士法人の数が動く裏では、次の4つの変化が進んでいます。いずれも、事務所で働く人の仕事の中身や職場選びに関わります。

税理士法人の増加と大手法人の規模拡大

税理士法人は、2002年4月に施行された改正税理士法で作られた制度です。それまで税理士事務所は個人で開くものでしたが、複数の税理士が共同で法人を作り、支店を出せるようになりました。

制度ができてから税理士法人は増え続け、2026年9月末には5,346法人、支店にあたる従たる事務所は3,177か所になっています。

ただし、従業者50人以上の事務所は全国で87か所と、今でもごく一部です。大きな法人が増える一方で、小さな事務所が大半を占める構成は変わっていません。

所長の高齢化で増える事業承継と事務所のM&A

登録者の半数以上が60歳以上のため、事務所を誰が引き継ぐかが業界の課題になっています。所長が引退するときに後継者がいなければ、事務所を閉じるか、ほかの事務所や税理士法人に顧問先を引き継ぐことになります。

そのため、事務所どうしの合併や、税理士法人が個人事務所を引き継ぐM&Aが選択肢として広がっています。承継やM&Aの件数を示す公的な統計はありません。

働く側から見ると、所長の年齢や後継者の有無は、入所先を選ぶときに確かめておきたい点です。承継を控えた事務所では、将来の働き方や雇用の条件が変わる可能性があります。

人手不足が続く税理士事務所の採用

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、税理士の有効求人倍率は2.38倍でした(2025年度、全国)。仕事を探す人1人に対して2件以上の求人がある計算で、人手が足りていない状態です。この値はハローワークに出された求人の集計で、民間の転職サイトやエージェントの求人は含みません。

科目合格者(税理士試験の5科目のうち、一部の科目に合格した人)や、資格を持たない未経験者を採用する事務所もあります。

働きにくい事務所の見分け方は、税理士事務所はやめとけと言われる理由で紹介しています。

インボイス制度・電子帳簿保存法・クラウド会計で変わる日々の業務

ここ数年の制度改正で、税理士事務所の仕事の中身は大きく変わりました。2023年10月にはインボイス制度が始まり、消費税の仕入税額控除を受けるには、登録番号などが書かれた請求書(インボイス)の保存が必要になりました。2024年1月からは、電子で受け取った請求書などのデータを、印刷して捨てずに電子のまま保存することも求められています。

申告の電子化も進んでいます。国税庁によると、2025年度の法人税申告のe-Tax利用率は91.8%、所得税申告は77.4%でした。クラウド会計ソフトの普及で、銀行の明細やレシートのデータが会計ソフトに自動で取り込まれる場面も増えています。

入力の手間が減るぶん、取り込まれたデータが正しいかの確認や、制度に関する顧問先の相談に時間を回せるようになります。

※ 出典:国税庁「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」(タックスアンサーNo.6498)、国税庁「令和6年1月からの電子取引データの保存方法」(2023年12月)、国税庁「令和7年度におけるオンライン(e-Tax)手続の利用状況等について」(2026年10月)

税理士業界の今後と仕事が広がる専門分野

今後の税理士業界に大きく関わるのは、AIの広がり、相続などの資産税の需要、顧問先になる企業の数の3つです。

AIやクラウド会計で減る業務と人に残る業務の要点

会計事務所向けの財務・会計システムを開発・販売するミロク情報サービスが、会計事務所で働く212名に聞いた調査(2026年7月、インターネット調査)では、生成AIを使っている人の割合は75%でした。同社の2024年度の調査では39%で、2年で大きく増えています。

記帳や入力などの定型の作業は、AIや会計ソフトによって今後も減っていくと考えられます。一方で、税務の判断や税務調査への対応、顧問先の経営に関する相談は、税理士が担う場面が多く残るとみられます。税理士業界で長く働くなら、定型の作業だけでなく、判断や相談を伴う業務の経験を積んでおくことが大切です。

※ 出典:ミロク情報サービス「会計事務所白書2026」生成AIの導入・活用に関する実態調査(2026年9月17日公表)

AIで減る業務と残る業務の詳しい見通しは、税理士に将来性はない?AIで減る業務と今後も需要が残る仕事で紹介しています。

相続・事業承継など資産税の仕事が広がる背景

高齢化が進むなかで、相続や事業承継に関わる税務の仕事が広がっています。国税庁によると、2024年に亡くなった人のうち相続税の課税対象になった人の割合は10.4%で、前年の9.9%から上がりました。課税対象の被相続人は166,730人です。

財産や事業承継のコンサルティングを行う青山財産ネットワークスが、親族への承継を考えている経営者369名に聞いた調査(2025年12月)では、承継の相談先の1位は「税理士・会計士」で36.3%でした。

相続税の申告や事業承継の対策は、1件ごとに事情が違い、判断が必要な仕事です。定型の作業に比べて、AIや会計ソフトに置き換えにくい分野だと考えられます。

※ 出典:国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」(2025年12月16日)、青山財産ネットワークス「事業承継に関する調査」(2026年6月9日公表、インターネット調査)

顧問先になる中小企業の数と法人数の動き

税理士事務所の主な顧問先は中小企業と個人事業主です。中小企業庁によると、中小企業の数は2016年の357.8万者から2021年の336.5万者に減りました。この数には個人事業主も含まれ、1年あたり約4.3万者のペースで減っています。

中小企業が減っているなら、税理士の顧問先も減っていきそうです。しかし、法人税の申告をもとにした国税庁の会社標本調査では、法人の数は2024年度分で2,999,680社と、12年連続で増えています。中小企業庁の数は個人事業主を含む企業の数、国税庁の数は法人の数で、数え方が違います。

顧問先になる事業者の総数が、すぐに大きく減る状況ではなさそうです。

※ 出典:中小企業庁「中小企業・小規模事業者の数(2021年6月時点)の集計結果」(2023年12月13日)、国税庁「令和6年度分 会社標本調査結果」(2026年3月)

税理士業界の主な職場と働き方の違い

税理士業界の職場は、規模と得意な分野によって大きく5つに分けられます。

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職場規模の目安主な業務入りやすい人
個人の税理士事務所従業者1〜9人中小企業・個人事業主の記帳、決算、申告、相談未経験者、科目合格者
中小規模の税理士法人従業者10〜49人上記に加えて相続・事業承継科目合格者、税理士
大手・BIG4(世界4大会計事務所グループ)の税理士法人従業者50人以上大企業の法人税務、国際税務、組織再編税理士、公認会計士、英語を使える人
特定の分野に強い税理士法人法人による相続・資産税、医療機関の税務などその分野の経験者
事業会社・コンサルティング会社企業による自社の税務、税務の助言、M&Aの支援税理士、公認会計士、経理の経験者

※ 規模は経済センサスの従業者規模の区分をもとにした目安で、実際の職場の人数は事務所や法人によって異なります。

個人の税理士事務所と中小規模の税理士法人の働き方

税理士事務所の88.2%を占める従業者9人以下の事務所では、所長の税理士と数名の職員で、中小企業や個人事業主の顧問を担当します。1人の職員が記帳の確認から決算、申告書の作成までを通して受け持つこともあり、早くから幅広い業務を経験できます。

一方で、働き方や給与の決め方は所長の方針に左右されやすく、事務所ごとの違いが大きい職場です。中小規模の税理士法人になると、職員の数が増え、相続や事業承継などの分野ごとに担当が分かれることもあります。

大手税理士法人とBIG4税理士法人の働き方

BIG4税理士法人とは、世界的な会計事務所のグループに属するデロイト トーマツ税理士法人、PwC税理士法人、KPMG税理士法人、EY税理士法人の4つを指します。BIG4や国内の大手の税理士法人では、上場企業や外資系企業の法人税務、国際税務、組織再編などを担当します。

部門ごとに担当分野が分かれているため、特定の分野を深く経験できます。一方で、大企業の決算期には業務が集中し、英語を使う場面もあります。

資産税・医業など特定の分野に強い税理士法人の働き方

相続税や事業承継などの資産税、病院や診療所の税務、不動産、公益法人など、特定の分野に力を入れる税理士法人もあります。分野を絞っている分、同じ種類の案件を数多く担当でき、短い期間で専門性を高めやすい職場です。

相続税の課税対象者が増えていることもあり、資産税の案件を数多く担当できる点が強みです。一方で、ほかの分野の経験は積みにくいため、将来どの分野で働きたいかを考えて選ぶことが大切です。

事業会社の税務部門やコンサルティング会社で働く税理士

税理士業界で経験を積んだあと、事業会社の経理・税務部門や、コンサルティング会社に移る人もいます。事業会社では自社やグループ会社の税務申告と税務の管理を、コンサルティング会社では税務の助言やM&Aの支援を担当します。

事業会社では、税理士として登録せずに働く人もいます。顧問先を持たないぶん繁忙期の波は小さくなりやすく、働き方を変えたい人の選択肢になります。

事業会社の経理部への転職は経理部への転職は難しい?、監査法人への転職は監査法人へ転職するには?で紹介しています。

資格・経験別に見た税理士業界への入り方と進み方

税理士業界は、資格を持つ人だけの業界ではありません。

税理士・公認会計士・科目合格者・受験生や未経験者のそれぞれに、入りやすい職場とその先の進み方があります。

税理士資格を持つ人が次に狙える職場

税理士資格を持つ人は、ほぼすべての職場が選択肢になります。今の事務所で経験した業務をもとに、より規模の大きい税理士法人、特定の分野に強い法人、事業会社の税務部門などから選べます。

大手の税理士法人やBIG4を目指すなら、法人税や国際税務の経験が求められます。資産税に強い法人であれば、相続税の申告の経験が活かせます。

年齢と転職のしやすさについては、税理士の転職は何歳まで?で紹介しています。

公認会計士が税理士業界で評価される業務と入り方

公認会計士は、税法に関する所定の研修を修了すれば、税理士試験を受けなくても税理士として登録できます。公認会計士の資格で税理士に登録した人は、2016年度末の9,315人から2025年度末の11,882人に増えました。

監査の経験は、大企業の法人税務や組織再編、株式上場の支援などで活かせます。税務の実務経験がない場合は、BIG4や大手の税理士法人の法人税部門から入り、申告の実務を身につける進み方があります。

公認会計士の転職先の探し方は、公認会計士に強い転職エージェントの比較で紹介しています。

科目合格者が採用されやすい職場と科目数の目安

税理士試験は科目ごとに合格でき、2025年度には7,320人が一部の科目に合格しました。

法人税法や消費税法などの税法科目に合格していると、申告書の作成を任される場面が増え、選べる職場も広がります。

科目数ごとの評価は、税理士の科目合格で転職できる?で詳しく紹介しています。

受験生・未経験者が税理士補助から業界に入る方法

資格を持たない人は、税理士補助として税理士事務所に入る方法があります。税理士補助は、税理士の指示のもとで記帳や決算の準備、申告書の作成補助などを担当します。

働きながら税理士試験を受ける人もいて、試験前の休暇や勉強時間に配慮する事務所もあります。実務を経験しながら科目合格を重ねれば、担当できる業務と選べる職場が少しずつ広がります。

税理士補助の仕事内容と向いている人は、税理士補助とは?で紹介しています。

税理士業界で働く前に確認しておきたい3つのこと

税理士業界で働くと決める前に、年収・繁忙期・年齢の3点を確認しておきましょう。

年収は働き方と事務所の規模で大きく変わる

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2025年)では、公認会計士と税理士をあわせた平均年収は810.8万円でした。ただし、この数字は従業員10人以上の企業で雇われて働く人の平均で、従業者9人以下の小さな事務所で働く人や、開業税理士は含まれていません。

企業の規模が大きいほど年収も高いと思われがちです。ただ、同じ調査で1,000人以上の企業(平均800.1万円・平均35.5歳)と10〜99人の企業(808.7万円・46.4歳)を比べると、平均年収はほぼ同じでした。違うのは平均年齢で、1,000人以上の企業のほうが約11歳若くなっています。

年収の詳しい相場は、税理士の年収はいくら?と税理士事務所の年収はいくら?で紹介しています。

確定申告期などの繁忙期の残業は事務所によって違う

税理士事務所の仕事は、時期によって忙しさが大きく変わります。12月から1月は年末調整と法定調書(支払った給与や報酬などを税務署に報告する書類)の作成、2月から3月15日までは個人の確定申告、5月は3月決算の法人の申告が重なります。

繁忙期の残業時間は、1人あたりの担当件数や、ほかの職員が応援に入る仕組みがあるかによって変わります。同じ時期でも、事務所によって働き方は大きく異なります。

繁忙期の働き方や職場の見分け方は、税理士事務所はやめとけと言われる理由で紹介しています。

未経験から税理士業界に入れる年齢の目安

税理士の有効求人倍率は2.38倍と人手不足が続いており、年齢だけで選択肢がなくなるわけではありません。自分の経験と求人の条件を合わせて、応募先を選びましょう。

年代別の転職のしやすさは、税理士の転職は何歳まで?で詳しく紹介しています。

税理士業界で転職するときの進め方とエージェントの選び方

税理士業界で職場を選ぶときは、求人票だけでは見えない事務所の内情を、応募の前に確かめておくことが大切です。

応募前に事務所の規模・顧問先・担当件数を確認しよう

応募の前や面接では、次の4点を確認しましょう。

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確認すること良いサイン注意したいサイン
事務所の規模と人数職員数と担当の分け方を説明できる職員数や退職者の数を答えない
顧問先の種類業種や規模、法人と個人の割合を示せる「いろいろ」としか答えない
1人あたりの担当件数件数の目安と、繁忙期に応援する仕組みがある件数に上限がなく、繁忙期は個人任せ
教育と受験への配慮研修や試験前の休暇の制度がある受験生を歓迎すると書きながら制度がない

面接では「1人あたり何件くらいの顧問先を担当していますか?」「繁忙期は月に何時間くらい残業がありますか?」と、数字で答えられる質問をすると、事務所ごとの忙しさを比べられます。

税理士業界に詳しい転職エージェントを選ぶ3つの基準

事務所の内情は、外からは見えにくい情報です。会計業界に詳しい転職エージェントを使うと、求人票にない残業の実績や職場の雰囲気を確かめてもらえます。エージェントを選ぶときは、次の3点を確認しましょう。

  • 会計事務所・税理士法人の求人をどのくらい扱っているか
  • 担当者が税務の業務内容や、事務所ごとの評価の仕組みを理解しているか
  • 年収の交渉や、求人票にない残業・賞与の実績を確かめてくれるか

1社だけでは紹介される求人に偏りが出るため、2〜3社に登録して比べる方法もあります。

税理士向け転職エージェントを比べる

税理士の転職に対応したエージェントの特徴や違いは、税理士に強い転職エージェントの比較にまとめました。各エージェントの評判は、次の記事で紹介しています。

税理士業界に関するよくある質問

会計事務所との違い、女性の割合、市場規模、地域ごとの人数、税理士になれる資格について、よく出る疑問に答えます。

会計事務所と税理士事務所は何が違う?

税理士の事務所は、法律では「税理士事務所」と呼ぶことになっています。「会計事務所」は会計や税務の仕事をする事務所の一般的な呼び方で、税理士の事務所が「会計事務所」と名乗ることもあります。仕事の内容に大きな違いはなく、名前だけで職場を判断することはできません。法律上の根拠や税理士法人との違いは、会計事務所と税理士事務所の違いは?で詳しく紹介しています。

税理士業界で働く女性の割合はどのくらい?

女性の税理士は2026年4月末で13,291人で、登録者の16.1%です。2005年度末の7,961人から増え続けています。

税理士業界の市場規模はどのくらい?

経済センサス(2021年)によると、全国の税理士事務所の売上(収入)の合計は約1兆3,772億円でした。従業者は148,833人で、1事業所あたりの売上は4,926万円、従業者1人あたりでは936万円です。公認会計士事務所は含まれていません(総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」第7-1表)。

税理士の人数は地域によって違う?

2025年度末の税理士登録者82,513人のうち、東京国税局の管内(東京都・千葉県・神奈川県・山梨県)が32,517人で、全体の39.4%を占めます。次いで大阪国税局の管内が15,610人、名古屋国税局の管内が9,243人です。税理士は大都市に多く、地方では人数が限られます。

税理士の資格を持つ人は試験合格者だけ?

税理士になれるのは、税理士試験の合格者だけではありません。試験科目の免除を受けた人、弁護士、公認会計士も税理士として登録できます。2025年度末の登録者のうち、試験合格者は34,411人、試験免除者は34,261人、公認会計士は11,882人でした。

税理士業界の現状を踏まえて次にやること

税理士業界は、小さな事務所が大半を占め、登録者の高齢化が進んでいる業界です。一方で、税理士法人の増加や制度の改正によって、働く場所と仕事の中身は変わり続けています。

  • 業界の規模:税理士は82,682人、税理士事務所の88.2%は従業者9人以下です
  • 業界の変化:税理士法人は増え続け、有効求人倍率は2.38倍と人手不足が続いています
  • 入り方:税理士・公認会計士・科目合格者・未経験者のそれぞれに入りやすい職場があります
税理士向け転職エージェントを比べる

自分の資格や経験でどの職場を狙えるか相談したい人は、税理士に強い転職エージェントの比較から、相談先を探してみてください。

※本記事の数値は2026年10月28日時点で確認したものです。統計や調査は更新されることがあるため、最新の情報は各出典をご確認ください。

参考文献・出典

この記事を書いた人

アドバイザーナビが運営する「税むすび」では会計士・税理士関連の情報を発信しています。これまでアドバイザーナビは「資産運用ナビ」を中心に適切なプロフェッショナルのプラットフォームを構築してきました。税理士紹介ナビでは、税理士へのインタビュー・アンケート調査などを通じて、税理士や税金にまつわる情報発信をしていきます。

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